平成25年度 1級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(1/3)

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【問 1】 道路用盛土の材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 国土交通省令の分類の第2種建設発生土は、特に適切な土質改良をせずに路床盛土に利用できる。
 (2) 浚渫工事で発生した高有機質土は、良質土との混合を行わない限り土質改良を行っても路床盛土には使用できない。
 (3) 国土交通省令の分類の第3種建設発生土は、適切な土質改良をしなければ路体盛土には使用できない。
 (4) 国土交通省令で規定している建設発生土は、材質と利用用途に応じて第1種から第4種までに分類されている。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】発生土利用基準については、「建設工事に伴い副次的に発生する土砂や汚泥の土質特性に応じた区分基準及び各々の区分に応じた適用用途標準等を示すことにより、発生土の適正な利用を図るため、 平成18年8月10日に国土交通省所管事業を対象に通知を発出しています。」として、国土交通省大臣官房技術調査課他より平成18年8月に新たな基準が通知されている。その中で、「5.適用用途標準;発生土を利用する際の用途は、土質区分に基づき、表−3に示す適用用途標準を目安とし、個々の事例に即して対応されたい。」とし、以下の表−3(道路用盛土部分抽出)が通知された。
 下表から、第3種 建設発生土を路体盛土に適用する場合は、◎がそのままで使用が可能である。  なお、下表のうち区分(第1種〜第4種建設発生土)は省令(土質区分基準)で決められたものであるが、この表-3の発生土利用基準(適用用途標準を含む)は通知である。
表−3 適用用途標準(抜粋)
 
                         適用用途

  区分(国土交通省令)
道路用盛土
路  床路  体
評価留意事項評価留意事項
第1種建設発生土
(砂、礫及びこれに準ずるもの)
第1種最大粒径・粒度分布注意最大粒径・粒度分布注意
第1種改良土最大粒径注意最大粒径注意
第2種建設発生土
(砂質土、礫質土、及びこれに準ずるもの)
第1種最大粒径・粒度分布注意最大粒径・粒度分布注意
第2a種  
第2種改良土  
第3種 建設発生土
(通常の施工性が確保される
粘性土及びこれに準ずるもの)
第3a種 施工機械の選定注意
第3b種 施工機械の選定注意
第3種改良土 施工機械の選定注意
第4種 建設発生土
(粘性土及びこれに準ずるもの)
第4a種  
第4b種  
第4種改良土  

泥 土
泥土a  
泥土b  
泥土c×  
 【評価】
 ◎:そのままで使用が可能なもの。留意事項に使用時の注意を示した。
 ○:適切な土質改良(含水比低下、粒度調整、機能付加・補強、安定処理等)を行えば使用可能なもの。
 △:評価が○のものと比較して、土質改良にコスト及び時間がより必要なもの。
 ×:良質土との混合などを行わない限り土質改良を行っても使用が不適なもの。
  (土質改良の定義、留意事項、備考は省略)

【問 2】 補強土壁に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 一般にコンクリート擁壁に比べ規模が大きく厳しい条件の箇所で設置されることも多い。
 (2) 片切土・片盛土および腹付け盛土箇所には適さず、もっぱら地盤が平たんな箇所の盛土に採用される。
 (3) 道路用地の制約などから、標準のり勾配より急な勾配で盛土を行う必要があるときに設ける。
 (4) 環境に配慮して壁面を植生により緑化することも可能である。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】補強土壁は、盛土中に補強材を敷設することで垂直もしくは垂直に近い壁面を構築する土留め構造物のことである。 補強土壁の原理は、垂直に近い壁面に作用する土圧に対して、盛土内に配置した補強材の引抜き抵抗力によって釣り合いを保ち、土留め壁としての効果を発揮させるもので、特に都市部や山岳部のように用地に制限がある場所において垂直に近い壁面を持つ盛土を構築でき、また柔軟な構造であるため、従来の擁壁では杭基礎を必要とした比較的軟弱な地盤においても直接基礎を適用することが可能であり、片切土・片盛土および腹付け盛土箇所にも適用できる。耐震性にも優れる。
 補強材や壁面工の種類によって多種の工法が存在する。例として多数アンカー式補強土壁、テールアルメ工法、ジオテキスタイル補強土壁などがある。【参考:テキスト1章P 34】

【問 3】 コンクリートの型枠に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 型枠に合板を用いるときには、JAS(日本農林規格)に定める規格材を用いることを標準とする。
 (2) 型枠の締付けには、鉄線を用いることを標準とし、特に重要な構造物の場合にはボルトまたは棒鋼を用いることもある。
 (3) 型枠の組立が設計どおりに仕上がった場合には、コンクリートを打込み中の型枠の寸法および不具合の有無の確認は省略できる。
 (4) 型枠を転用して使用する場合、鋼製型枠の転用回数はJISに定められている。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】(2) 型枠の締め付けに鉄線を締付け材として用いると、伸びたり切れたりする恐れがあるため、特に重要な構造物には使用してはならず、ボルトまたは棒鋼を用いることを標準とする。(3)コンクリートを打込む前および打込み中に、型枠の寸法および不具合の有無を確認しなければならない。(4)型枠を転用して使用する場合、型枠の痛み具合などをチェックし、使用に耐えるかを判断する。
 一般に鋼製型枠の場合、転用は30回程度が目安と言われているが、使用後の後始末の状況により大きく変わることから丁寧な後始末を心がける必要がある。従って転用回数をJISで定める性格のものではない。【参考:テキスト1章P 33】


【問 4】 車両用防護柵に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) たわみ性防護柵は、防護柵を構成する部材の弾性および塑性変形を見込んだ防護柵である。
 (2) 剛性防護柵は、防護柵を構成する主たる部材の弾性限界内での変形を見込んだ防護柵である。
 (3) 土工区間にはさまれた短い橋梁においては、原則として土工区問の車両用防護柵と同一の形式を選定するものとする。
 (4) 車両用防護柵の設置に当たっては、原則として剛性防護柵を選定するものとする。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】車両用防護柵は、原則としてたわみ性防護柵を選定するものとする。ただし、橋梁・高架などの構造物上に設置する場合、幅員の狭い分離帯など防護柵の変形を許容できない区間などに設置する場合においては、必要に応じて剛性防護柵を選定することができ、車両用防護柵の形式選定に当たっては、性能、経済性、維持修繕、施工の条件、分離帯の幅員、視認性の確保、快適展望性、周辺環境との調和などに十分留意して選定するものとする。
 土工区間に短い橋梁などの構造物がある場合においては、原則として土工区間の車両用防護柵と同一の形式を選定する。【参考:テキスト1章P44,47】

【問 5】 建設機械による土の運搬に関する次の記述うち、不適当なものはどれか。
 (1) 不整地運搬車で運搬する場合は、クローラ形状によっては車体の安定があまりよくないので偏った積荷にならないように注意する。
 (2) ブルドーザによる押土運搬では、締固め度を上げるため上り勾配で作業するのが望ましい。
 (3) 高含水比の粘性土や粘土の押土運搬には、トラフィカビリティを確保するために、湿地用ブルドーザを使用するとよい。
 (4) 自走式スクレーパは、運搬路の状況により施工能率が大きく影響される機械である。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】ブルドーザによる押土運搬の場合、事前に掘削作業を伴う場合が多い。一般にブルドーザを用いた切り土のり面の施工では、ダウンヒル工法(傾斜面掘削)が行われるが、ブルドーザ等を用い走行抵抗を減ずるため傾斜面の下り勾配を利用して掘削運搬する。
 自走式スクレーパ(モータスクレーパ)は、高速を利用して長距離の大量運搬に有効であるが、タイヤ式であり、運搬路の状況により施工能率が大きく影響される。【参考:テキスト1章P5,70】

【問 6】 契約図書に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 受注者は、工事に際し、使用目的や現場条件などにあった施工機械を選択し、出来形および品質の合格判定値を満足するように施工しなければならない。
 (2) 受注者は、原則として工事施工によって生じた現場発生品について、現場発生品調書を作成し、特記仕様書に指定する場所で発注者に引き渡さなければならない。
 (3) 受注者は、掘削途中で地下埋設物が発現した場合に物件の防護方法、施工方法、物件の管理について、自らの判断で処理し工事を完了させなければならない。
 (4) 受注者は、施工計画書の内容に変更が生じ、その内容が重要な場合には、その都度変更に関するものについて変更計画書を監督職員に提出しなければならない。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】公共工事標準請負契約約款(中央建設審議会H25年2月)第18条(条件変更等)「乙は、工事の施工に当たり、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。」とし、「四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと」、「五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと」とあり、設問に該当するような場合は直ちに監督員に通知し,その確認を請求しなければならない。
 土木工事共通仕様書では、施工計画書の記載内容が規定されており、「これを変更する場合は、施工前に施工計画書の記載内容を変更しなければならない。」と規定している。【参考:テキスト3章P3,15】

【問 7】 水準測量に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 標尺は、2本1組とし、復路の起点に用いる標尺は往路の終点と同一の標尺を用いるものとする。
 (2) 観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする。
 (3) 後視と前視の視準距離は等しくし、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に設置するものとする。
 (4) 1日の観測は、水準点で終わることを原則とする。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】測量法に基づき、作業規定の準則が規定されているが、第64条(観測の実施)2 直接水準測量 「二 観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする。」、「三 標尺は、2本1組とし、往路と復路との観測において標尺を交換するものとし、測点数は偶数とする。」、「五 視準距離は等しく、かつ、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に設置するものとする。」、「八 1日の観測は、水準点で終わることを原則とする。なお、やむを得ず固定点で終わる場合は、観測の再開時に固定点の異常の有無を点検できるような方法で行うものとする。」とそれぞれ規定されている。
 なお、「一 観測は、標尺目盛及びレベルと後視又は前視標尺との距離(以下「視準距離」という。)を読定するものとする。」と「視準距離」が定義されており、「後視と前視の視準距離」と言う表現は少しおかしいが、五の規定のものと解釈できる。【参考:テキスト1章P83】

【問 8】 土質試験に関する次の組合せのうち、不適当なものはどれか。
 (1) 平板載荷試験・・・・・・・・・・・・・・地盤反力係数・・・・・支持力の評価
 (2) ポータブルコーン貫入試験・・・・コーン指数・・・・・・・・トラフィカビリティの判定
 (3) 標準貫入試験・・・・・・・・・・・・・・N値・・・・・・・・・・・・・・許容支持力の算定
 (4) 圧密試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・圧密係数・・・・・・・・・ボイリングの検討

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】圧密試験;粘性土地盤の圧密現象、すなわち載荷重による継続的な沈下について、解析を行う場合に必要な圧密特性を測定する試験である。試験結果から求められるものは、圧縮係数、透水係数などあるが、圧密係数は、粘性土地盤の沈下量の予測に用いる。飽和した粘性土に適用する試験であるが、不飽和土の圧縮性を測定する場合にも用いられる。この試験にあたっては、特に土層を代表する土を試料とすること、および試料に乱れを起こさせないようにすることに注意することが大切である。
 平板載荷試験;路盤面に置かれた鋼製円盤(直径30cm)に段階的に載荷重を加えていき、各荷重に対応する沈下量を測定して、これから地盤係数(K値)を求める試験である。この試験は、主として道路舗装の設計に必要な、路床、路盤の設計支持力係数を決定するために用いられているが、盛土の締固めの管理のための試験に用いられることもある。  ポータブルコーン貫入試験;最大6.45cm2の先端角30°のコーンを1cm/secの速さで土中に貫入させ、そのときの貫入抵抗からコーン指数(N/mm2)を求める。土工に際し、通常、施工機械のトラフィカビリティの判定や施工管理、または、軟弱地盤の比較的浅い層の土質調査に一般的に用いられる。
 標準貫入試験;土工のサウンディングの中では最もよく使われている方法で、通常ボーリングと併用して実施される。地層の判別も容易であり、また測定したN値から相対密度やコンシステンシー(土の硬さの程度)などの土の性質を推定することも可能である。【参考:テキスト1章P84,86,88,90,】

【問 9】 路床土のCBRに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 路床面下1m位の問で土質が変化している場合には、各層の土を採取してCBR試験を行う。
 (2) 区間のCBRは、各地点のCBRの平均値から各地点のCBRの標準偏差(σn-1)を差し引いたものである。
 (3) 乱さない試料のCBRを測定するには、路床面下10cmまでの土を採取し、含水比を変化させないよう試験室に送る。
 (4) CBR試験用の試料の採取は、路床土がほぼ同一とみなされる場合であっても、道路延長上に3箇所以上とすることが望ましい。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】路床のCBR試験用の試料の採取は、乱した状態で採取するのが原則であるが、設問の「乱さない試料」は切土路床で乱すことで極端にCBR値が小さくなることが経験的に分かっており、かつ路床土を殆ど乱すことなく施工できる場合は、乱さない資料のCBRを用いてもよい。乱さない試料は、路床面下50cm以上深い箇所から乱さない状態で採取し、含水比を変化させないようにして試験室に送る。但し、路床面下1m位の間で土質が変化している場合には、各層の土を採取してCBR試験を行い、地点のCBR(CBRm)を計算する。【参考:テキスト2章P26,27,28,】

【問 10】舗装の構造設計をTA法により行うのが不適当なもの次のうちどれか。
 (1) 連続鉄筋コンクリート版を下層に持つポーラスアスファルト舗装
 (2) 非常に軟弱な現状路床で置換材料により構築路床を設けるアスファルト舗装
 (3) 地下埋設物の埋設位置が浅い場合のフルデプスアスファルト舗装
 (4) 車道を対象としたインターロッキングブロック舗装

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】TA法にもとづいて設計されたアスファルト舗装は、過去の実績から所要の疲労破壊輪数を有していると見なすことが出来る。ここで言う「過去の実績」とは、舗装断面構成が路床上に路盤(下層・上層)、基層・表層(アスファルト混合物層)といったもので、設問にある連続鉄筋コンクリート版を下層に持つポーラスアスファルト舗装(コンポジット舗装)は該当しない。インターロッキングブロック舗装の構成は路盤上に敷砂層を設け、その上に表層としてインターロッキングブロックを敷設するものであり、インターロッキングブロックの等値換算係数を表・基層用アスファルト混合物と同等の1.0と見なすと(過去の実績から)認められていることから、TA法により構造設計が出来る。 【参考:テキスト2章P115,116】

【問 11】 設定された設計期間を通して破壊しない確からしさを舗装の信頼性といい、その場合の破壊しない確率を信頼度というが、この信頼性・信頼度に関する次の記述のうち不適当なものはどれか。
 (1) 設計に用いる値の将来予測に伴うリスクなどに対応する信頼性の考え方を導入した設計方法は、路面設計および構造設計のいずれにも適用できる。
 (2) 舗装計画交通量が同じであっても、設定された信頼度が異なると舗装断面や各層の厚さに差が生じる。
 (3) 迂回路が複数存在し容易に維持、修繕、再建設できる場合には、信頼度を小さく設定し初期コストを抑えた設計とすることができる。
 (4) 実際の交通量が予測を下回り、材料や施工の変動が小さい場合には、一般に舗装の破壊しない確率が低下する。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】信頼性適用の考え方は以下の通りである。
信頼性適用
                                                         ((社)日本道路協会)
 設問(4)の「舗装が破壊しない確率」は「信頼度(=1−破壊確率)」のことであり、「破壊確率」は舗装に不利な状況(壊れる要件)が大きいあるいは多ければ大きくなり、信頼度は下がる。例えば、実際の交通量が予想された交通量を上回る場合, 地象や気象の条件が想定したものより厳しい場合あるいは材料や施工の変動が大きい場合等には, この破壊しない確率が下がることがある。【参考:テキスト2章P15,16】

【問 12】 セメントコンクリート舗装の設計に関する次の記述のうち不適当なものはどれか。
 (1) 普通コンクリート舗装のコンクリート版にはあらかじめ目地を設け、版に発生するひび割れを誘導し、縦目地にはダウエルバーを、横目地にはタイバーを設ける。
 (2) コンクリート舗装の構造設計は、交通条件、基盤条件および環境条件をもとにして、一般に路盤の設計とコンクリート版の設計に分けて行う。
 (3) 連続鉄筋コンクリート舗装は、コンクリート版の横ひび割れを縦方向鉄筋で一定間隔に分散させるため、コンクリート版の横目地を省くことができる。
 (4) アスファルト中間層は、路盤の耐久性や耐水性の向上、均一な支持力を有するコンクリート版の施工基盤の確保などのために、路盤の最上部に設ける。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】普通コンクリート舗装のコンクリート版の目地は、横目地にダウエルバー(スリップバー)、縦目地にタイバーを用いる。【参考:テキスト2章P35,37,39】

【問 13】 各種の舗装に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 半たわみ性舗装は、開粒度タイプのアスファルト混合物の空隙に、セメントミルクを浸透させた混合物を表層に有する舗装である。
 (2) トンネル内の舗装は、構造物本体、路床構造および路盤工法の設定において、地山からの湧水および排水処理に対応できる対策をあらかじめ検討しておく。
 (3) コンクリート床版上の基層には、流し込みによって施工が可能なグースアスファルト混合物を主に用いる。
 (4) 騒音低減機能を有する舗装には、空隙率の大きい材料を表層などに用いた舗装で、一般的にはポーラスアスファルト舗装を適用する場合が多い。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】コンクリート床版上の基層には、一般に粗粒度アスファルト混合物を用いるが、表層に排水性舗装を用いる場合は密粒度アスファルト混合物あるいは砕石マスチックアスファルト混合物を用いることもある。なお、防水、耐水の意味を含めて原則改質バインダーを用いる。グースアスファルト混合物は鋼床版上の舗装に用いられる。【参考:テキスト2章P43,141,144、145】

【問 14】 アスファルト混合物に用いる骨材に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 高炉スラグは、銑鉄の製造過程で高炉から生成されるスラグを破砕した鉄鋼スラグの一つであり、一般に加熱アスファルト混合物に使用される。
 (2) 砕石は、原石を機械的に破砕したものであり、ポーラスアスファルト混合物では、透水性能の向上を図るため偏平な形状のものが一般に使用される。
 (3) スクリーニングスは、砕石や玉砕を製造する際に生じるものであり、一般に天然砂として加熱アスファルト混合物に使用される。
 (4) 回収ダストは、ドライヤなどで加熱された骨材から発生する粉末状のものであり、ポーラスアスファルト混合物に用いる場合、全フィラー量の半分以下で使用する。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 (1)高炉スラグには除冷スラグと水砕スラグがある。高炉スラグには水と反応して固まる水硬性があり、路盤等の支持力を期待して路盤材に用いられる。水砕スラグは強い潜在水硬性があり、高炉セメントなどに使用される。加熱アスファルトには一般に製鋼スラグが用いられる。(2)舗装用の砕石は、「均等質、清浄、強硬で、耐久性があり、細長や扁平な石片、ごみ、泥、有機物などを含んでいてはならない。」と決められており、ポーラスアスファルト混合物ではなおさら厳しく選別される。(3) 人工砂は岩石や玉石を破砕して作ったものであり、スクリーニングスは砕石、玉砕を作るときに生じる粒径2.36mm以下の細かい部分をいう。従って、天然砂ではない。スクリーニングスはシルトや粘土などの有害物が含むことがあるので、注意する必要がある。(4)回収ダストについては、ポーラスアスファルト混合物に用いる場合に限らず、必要以上に多く使用すると混合物に悪影響をおよぼすことがあるので注意を要する。全フィラー量の50%以下とする。その場合でも、回収ダストの使用量が全フィラーに対し30%以上になる場合は、はく離試験に合格することが望ましい。【参考:テキスト2章P47,48,49,50,53】

【問 15】 舗装に用いる瀝青材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 舗装用石油アスファルトは、針入度の大きさで種類が分かれており、一般地域では60〜80が、積雪寒冷地では40〜60が主に使用される。
 (2) トリニダッドレイクアスファルトは、天然アスファルトであり、グースアスファルト混合物やロールドアスファルト混合物に使用される。
 (3) 石油アスファルト乳剤にはカチオン系、ノニオン系などがあり、カチオン系はタックコートやプライムコートに使用される。
 (4) ポリマー改質アスファルトには大きく分けてT型、U型、V型、H型があり、H型はポーラスアスファルト混合物に使用される。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】舗装用石油アスファルトは、針入度の大きさで種類が分かれており、一般地域では60〜80が、積雪寒冷地では80〜100が、温度ひび割れが特に予想される低温地域では100〜120が主に使用される。【参考:テキスト2章P42,44,45,121,130,144】

【問 16】 舗装の路盤用材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 上層路盤の安定処理に用いる骨材は、粒度分布がなめらかなほど施工性に優れ、細粒分が少ないほど所要の安定材の添加量は一般に少なくなる。
 (2) 粒度調整砕石の75μmふるい通過量は、泥檸化を防ぐために、締固めが行える範囲でできるだけ多いものがよい。
 (3) コンクリート舗装のアスファルト中間層には、一般に密粒度アスファルト混合物(13)が使用される。
 (4) 下層路盤の安定処理に用いる骨材は、修正CBRが小さくても、経済的なセメント量で所定の一軸圧縮強さを満足する場合には使用してもよい。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】骨材の75μmふるい通過量が10%以下の場合でも、水を含むと泥寧化することがあるので、75μmふるい通過量は締固めが行える範囲でできるだけ少ないものがよい。【参考:テキスト2章P67】

【問 17】 加熱アスファルト混合物の各種対策に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) ポーラスアスファルト混合物におけるダレ防止を目的に、少量の繊維質補強材を添加した。
 (2) 密粒度アスファルト混合物における摩耗対策を目的に、アスファルト量に対する75μmふるい通過量の比率を1.5とした。
 (3) 密粒度アスファルト混合物における剥離防止を目的に、フィラーの一部に消石灰を使用した。
 (4) 密粒度アスファルト混合物における流動対策を目的に、75μmふるい通過分のうち回収ダスト分を50%以上となるようにした。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】(4) 回収ダストについては、混合物の種類によらず、必要以上に多く使用すると混合物に悪影響をおよぼすことがあるので注意を要する。全フィラー量の50%以下とする。その場合でも、回収ダストの使用量が全フィラーに対し30%以上になる場合は、はく離試験に合格することが望ましい。問14に類似問題。【参考:テキスト2章P53】

【問 18】 密粒度アスファルト混合物(13)の配合設計に関する次の記述のうち、、適当なものはどれか。
 (1) 配合設計に使用するマーシャル安定度試験の基準値は、密度、空隙率、動的安定度、フロー値、飽和度である。
 (2) 使用する骨材の間で、密度の差が0.2g/cm3以上である場合、骨材配合比の密度補正を行う。
 (3) 骨材配合比は、一般に粒度範囲の上限値を結ぶ曲線に近づくように決定する。
 (4) 混合物の理論最大密度を計算で求める場合、吸水率が1.5%を超える粗骨材の密度は見掛け密度とする。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】(1)マーシャル安定度試験では動的安定度は測定できない。これはマーシャル安定度が正しい。(3) 骨材配合比は、一般に粒度範囲の中央値を結ぶ曲線(中央粒度)を選ぶ。(4) 混合物の理論最大密度の計算に用いる骨材の密度は、見掛け密度とする。ただし、吸水率が1.5%を超える粗骨材は、見掛け密度と表乾密度との平均値を用いる。【参考:テキスト2章P73,128】

【問 19】 舗装用セメントコンクリートの配合に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 所要のコンシステンシーを得るために必要な単位水量は、細骨材率が小さくなるほど多くなる傾向にある。
 (2) 骨材に砕石や砕砂を用いた場合の単位水量は、天然骨材を用いた場合よりも小さくなる傾向にある。
 (3) 乾燥によるひび割れや温度ひび割れは、単位セメント量が標準より多くなると発生しやすくなる傾向にある。
 (4) コンクリートの材料分離に対する抵抗性は、使用する粗骨材の最大寸法が大きいほど優れる傾向にある。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】(1)細骨材率は、全骨材中の砂の比率(容積)のことで、細骨材率が小さくなると言うことは、砂が少ないと言うことで、骨材全体の表面積が減少することから、所要のコンシステンシーを得るために必要な水の量は、減少する傾向にある。(2)砕石や砕砂は稜角に富む(ごつごつしている)ことから作業性(ワーかビリティー)を確保するためには水の量が多く必要となる。(4)粗骨材の最大寸法は、大きいほど単位水量を少なくできるが、反対に材料分離しやすくなるので、施工条件やコンクリート版の種類に応じて選定する。【参考:テキスト2章P79,80】

【問 20】 各種の舗装に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) コンポジット舗装の表層に、密粒度アスファルト混合物を用いた。
 (2) 保水性舗装の表層に、砕石マスチック混合物を用いた。
 (3) 土系舗装の表層に、まさ土をセメント系の結合材で改良した材料を用いた。
 (4) 凍結抑制舗装の表層に、ゴム粒子を混入したアスファルト混合物を用いた。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】保水性舗装は、アスファルト舗装系保水性舗装(ポーラスアスファルト混合物の空隙に保水・吸水性能を有する材料(保水材)を充填したもの。)、コンクリート舗装系保水性舗装(ポーラスコンクリートに保水材を混練または充填したもの。)およびブロック系保水性舗装(吸水・保水能力を備えた舗装用ブロックを用いたもの。)に大別される。
 どの保水性舗装でも水密性の高い砕石マスチック混合物を用いることはない。砕石マスチック混合物は、粗骨材の骨材間隙を細骨材、フィラー、アスファルトからなるアスファルトモルタルで充填したギャップ粒度のアスファルト混合物で、アスファルトモルタルの充填効果と粗骨材のかみ合せ効果により耐流動性、耐摩耗性、水密性の機能を有する。これらの機能を生かして、重交通道路の表層や橋面舗装の基層や表層として用いられる。仕上がり厚さは、3〜5cmとするのが一般的である。【参考:テキスト2章P145,146】

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平成25年度 舗装施工管理技術者試験  学科試験 1級一般問題_問21〜問40
1級一般問題_問41〜問60
2級一般問題_問01〜問20
2級一般問題_問21〜問40
平成25年度 舗装施工管理技術者試験  応用試験 1級応用問題
2級応用問題