平成26年度 1級舗装施工管理技術者資格試験 一般 試験問題(1/3)
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【問 | 1】 盛土の排水施設に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1) | 表面排水工は、盛土の安定性を確保するために水平排水層を設け、表面水を排水できるような構造としなければならない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) | のり面排水工は、のり面を流下する表面水によるのり面の浸食および洗掘を防ぎ、盛土内への浸透を低減ができるような構造としなければならない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(3) | 路床、路盤の排水施設は、道路隣接地から路床などに浸透する水をしゃ断し、路床、路盤を良好に維持するような構造としなければならない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(4) | 基礎地盤の排水は、盛土の安定性を確保するために、土質調査などの結果により、その性状、分布などを把握し、適切な排水対策を講じなければならない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
解答と解説: 解答--- (1) 【解説】盛土の排水施設には、下図左に示すように、のり面排水施設、構造物裏込め部排水施設、地下排水施設、表面排水施設などがある。(道路土工要綱(排水)参照) 水平排水層は、下図右に示すように、盛土内部に浸透した水を誘導し排除するもので、表面水は小段排水溝や側溝で排除する。(道路土工−盛土工指針(表面排水工)参照)
| 【問 |
2】 擁壁に用いられる次の軽量材のうち、自立性や自硬性がなくコンクリート擁壁などの裏込め材として用いられるものはどれか。 | (1) |
単位体積重量12kN/?の気泡混合軽量土 | (2) |
単位体積重量0.4kN/?の発泡ウレタン | (3) |
単位体積重量7kN/?の発泡ビーズ混合軽量土 | (4) |
単位体積重量0.3kN/?の発泡スチロールブロック |
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| 解答と解説: 解答--- (3) 【解説】軽量材を用いた擁壁とは、裏込め材料に自立性や自硬性を有する軽量材を用いて土圧の軽減を図ることで、擁壁材を簡略化し、壁面材と軽量材が一体で擁壁として機能を発揮するものをいう。具体的な適用例として用地制約等がある道路拡幅、地すべり地における荷重軽減策、軟弱地盤における沈下、側方変形対策、急傾斜地形における切り盛り土量の削減や荷重軽減策などがあるが、一部を下図に示す。 なお、主な軽量材の種類と単位体積重量、特徴等を下表に示す。(解答は下線部)
| 【問 |
3】 もたれ式擁壁に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。 | (1) |
もたれ式擁壁は、基礎地盤のみに支持された構造体として、擁壁自体の安定性の照査を行うものとする。 | (2) |
もたれ式擁壁は、基礎地盤が良好で、擁壁背面が比較的安定した地山や切土部に適用できる。 | (3) |
もたれ式擁壁の躯体は、照査断面位置を固定端とする片持ばりとして設計してよい。 | (4) |
もたれ式擁壁のつま先版は、躯体との接合部を固定端とする片持ばりとして設計してよい。 |
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| 解答と解説: 解答--- (1) 【解説】もたれ式擁壁は、下図に示すように基礎地盤が良好で、かつ擁壁背面が比較的安定した地山や切り土部に採用されるコンクリート擁壁である。擁壁自体は、基礎地盤と背面地盤に支持された構造体である。安定に対する照査は,重力式擁壁等と同様、滑動、転倒、支持についておこなう。 また、部材(躯体)の安全性(強度)は、図中A―A断面を照査断面位置(強度が担保されるかどうかをチェックする場所)とした場合、A−A断面位置を固定端とした片持ばりとして設計する。左図のようなつま先版は、躯体の接合部を固定端とする片持ちばりとして設計する。(道路土工−擁壁工指針(もたれ式擁壁)参照)
| 【問 |
4】 土工用建設機械に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。 | (1) |
土の運搬において、近距離運搬はブルドーザが使用され、中長距離運搬ではダンプトラックが使用されることが多い。 | (2) |
タイヤローラは、岩塊などで容易に細粒化しない材料に適している。 | (3) |
トラフィカビリティは、建設機械の走行性の良否を示す地面の能力の指標で、使用する建設機械によってこの数値は異なる。 | (4) |
一般にリッパによって作業ができる程度をリッパビリティといい、地山の弾性波速度が1つの目安とさ.れている。 |
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| 解答と解説: 解答--- (2) 【解説】締固め作業に用いる建設機械としては、ロードローラ、タイヤローラ、タンピングローラ、振動ローラ、振動コンパクタ、タンパ、ブルドーザなどがある。これらの機械は、締固めの対象とする土質、規模に応じて機種を選定する。盛土路体及び路床の締固めでは、土質区分に応じて、下表に準じて選定する。(道路土工−盛土工指針(締固め作業及び締固め機械))
| 【問 |
5】 街路樹の剪定定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。 | (1) |
高木の剪定は、冬期に主枝を対象とした強度の剪定を行い、夏期は軽度の剪定にとどめるか避けた方がよい。 | (2) |
常緑広葉樹の生垣の刈込み勢定は、新芽の伸長が一旦停止する6月頃および土用芽の伸長が停止する9月頃に行うとよい。 | (3) |
切返剪定とは、古い枝を切除する方法であり、長い枝の途中から分岐した短い枝を残し、その枝の付け根から切除する剪定方法である。 | (4) |
切詰勢定とは、街路樹の下枝などの大きな枝を幹の付け根から切除する剪定方法である。 |
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| 解答と解説: 解答--- (4) 【解説】(1)、(2)は樹木の剪定時期の説明であるが、剪定時期は樹木の種類によって異なる。落葉樹の剪定は、木が休眠している落葉期間に行うのが基本であり、一般に12月〜2月に行う。4月〜5月上旬の春及び夏時期には樹液の滑道が活発で,樹液が流れ出てダメージを与え,更に夏季は枝の幹に強い光が当たり,木が弱るので、原則として剪定は行わない。設問にある「強度の剪定」は「強い剪定」、「軽度の剪定」は「弱い剪定」の意味であるとも思われるが、「強い剪定」は枝を深く切る剪定であるが、そうすると元に戻ろうとする木の力がでて、切った場所から勢いのある強い枝がたくさん出てくる性質があるので、その辺を考慮して剪定を行う。 常緑樹を剪定する時期は、3月下旬〜4月下旬の新芽が出る前、5月下旬〜6月の新芽の後、新葉が落ち着いた生育期が剪定の適期である。9月〜10月は軽い剪定なら可能。11月〜2月は、常緑樹は寒さに弱いので剪定は原則禁止。但し、寒さに強い針葉樹は、冬にも剪定可能。 常緑樹と落葉樹での剪定最適期等の比較を図に示す。 以上のことから、設問(1)にある様に「高木」と言うくくりでの剪定時期の表現は、(4)と比べると「不適当」とまでは言えないが、的を得ていない設問といえる。 (3)、(4)は剪定方法の用語の説明である。剪定の種類には、整姿剪定、切り詰め剪定、枝下ろし剪定、切り戻し剪定(切り返し剪定)など、さらに使う道具により吊り仕切り剪定、野透かし剪定など職人(庭師)用語としての呼称は10種類以上有り、さらに強い剪定、中程度の剪定、弱い剪定などに分類される。設問(3)の「切返し剪定」(切戻し剪定)とは、毎年剪定を行う前提で、前年度剪定した部分まで切り戻す、と言う意味である。茂り具合を考慮しながら樹冠を一回り小さくし、自然な枝ぶりを残したまま樹冠を小さくしたり、作り直したりできる。(4)は「枝下ろし剪定」の説明で、枝が混んできて、細かい枝葉が交錯するようになった時や、移植時の根の切断によってバランスが崩れないように不要な大枝を付け根から切り取る作業のことで、「強い剪定」になる。「切詰め剪定」とは、育ちすぎた樹形を縮める為や、わざと太い徒長枝を出させて花つきをよくする為に行う剪定で、新しい枝(一般には前年に伸長した枝)を切り詰める剪定方法で、「強い剪定」になる。なお、これらは植木職人(庭師)用語であり、施工管理試験の出されるべき問題か、疑問が残る。
| 【問 |
6】 「公共工事標準請負契約約款」の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 | (1) |
受注者は、工事の施工に当たり、設計図書と工事現場の状態が一致しないときは、受注者の判断により現場の状況に合わせて工事目的物を施工する。 | (2) |
仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段については、約款および契約の特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。 | (3) |
工事目的物の引き渡し前に、工事目的物又は工事材料について生じた損害その他工事の施工に関して生じた損害については、受注者がその費用を負担する。 | (4) |
受注者は、天候の不良など受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長変更を請求することができる。 |
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| 解答と解説: 解答--- (1) 【解説】「公共工事標準請負契約約款」第18条(条件変更等) 乙は、工事の施工に当たり、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。 一 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと (これらの優先順位が定められている場合を除く。) 二 設計図書に誤謬又は脱漏があること 三 設計図書の表示が明確でないこと 四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと 五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと
| 【問 |
7】 契約図書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 | (1) |
工事材料の品質は、設計図書に定めるところによるが、設計図書にその品質が明示されていない場合は、中等の品質を有するものとする。 | (2) |
受注者は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。 | (3) |
受注者は、必要があると認めるときは、自ら設計図書の変更を行った上で発注者に通知しなければならない。 | (4) |
設計図書とは、工事目的物の形状などを示す図面、仕様書、現場説明書および現場説明に対する質問回答書を含むものである。 |
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| 解答と解説: 解答--- (3) 【解説】「公共工事標準請負契約約款」第19条(設計図書の変更) 甲は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を乙に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、甲は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
| 【問 |
8】 路線測量に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。 | (1) |
縦断測量は、中心杭高および中心線上の地形変化点の地盤高や主要な構造物の標高を求めるものである。 | (2) |
横断測量は、中心杭などを基準にして、中心線の接線に対して直角方向にある地形の変化点および地物について、中心点からの距離および地盤高を測定するものである。 | (3) |
仮BM設置測量は、縦断測量および横断測量に必要な水準点を現地に設置し、標高を求めるものである。 | (4) |
中心線測量は、路線選定の結果にもとづき、地形図上のIPの位置を座標として定めるものである。 |
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| 解答と解説: 解答--- (4) 【解説】測量については、測量法の規定に基づく「作業規定の準則」で、公共測量における標準的な作業方法が定められている。 「作業規定の準則」第4節中心線測量 第352条(要旨) “「中心線測量」とは、主要点及び中心点を現地に設置し、線形地形図データファイルを作成する作業をいう。”なお、IPの設定は、第3節 線形決定第349条で、“「線形決定」とは、路線選定の結果に基づき、地形図上の交点(以下「IP」という。)の位置を座標として定め、線形図データファイルを作成する作業をいう。”と規定されている。従って、(4)は線形決定の説明である。
| 【問 |
9】 歩道および自転車道における舗装の設計に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。 | (1) |
占用企業者による掘り返しがある場合には、補修が困難なコンクリート平板やインターロッキングブロック舗装は適していない。 | (2) |
車両乗り入れのある箇所は、想定される最大荷重により構造設計を行い、乗り入れのない箇所では経験および施工性で決められた構造とすることが多い。 | (3) |
車道との取付けによる段差や勾配、電柱や標識柱などの位置が障害とならないように、車道と同時に設計することを心がける。 | (4) |
雨水の地中への還元や流出量の低減の面から、都市内では開粒度アスファルト混合物を用いた透水性舗装とする場合が多い。 |
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| 解答と解説: 解答--- (1) 【解説】歩道および自転車道に用いられるブロック系舗装には、コンクリート平板舗装やインターロッキングブロック舗装がある。コンクリート平板舗装の特長として、耐油性、明色性、簡易な舗装構造および補修の容易性などがあり、占用企業者による掘り返しがある場合にも適している。(舗装設計施工指針−5-3-5舗装工法と材料の検討(4)ブロック舗装参照)
| 【問 |
10】アスファルト舗装の設計条件に関する次の記述のうち、不適当なもの次のうちどれか。 | (1) |
疲労破壊輪数は、両側の車輪通過位置の全延長にわたり連続してそれぞれ一本のひび割れが生じるまでに要する、輪荷重の繰返し回数で定められる指標である。 | (2) |
塑性変形輪数は、交通状況や材料種別が異なる交差点部や排水性舗装区間を除く、単路部でのわだち掘れの発生しにくさを示す指標である。 | (3) |
舗装の設計期聞は一律でなく、当該舗装の施工および管理にかかる費用、交通や沿道の状況、路上工事の計画などを総合的に勘案して、道路管理者が定める。 | (4) |
設計に用いる大型自動車の方向別の日交通量は、当該道路の計画交通量、地域の発展動向、将来の自動車交通の状況などを勘案して、道路管理者が定める。 |
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| 解答と解説: 解答--- (2) 【解説】塑性変形輪数は、わだち掘れの出来にくさを示す指標であり、単路部でも、交差点でも,排水性舗装区間でも、同様の路面サービスを提供する場所では同様の値となるものである。(舗装の構造に関する技術基準・同解説2-5 1. (2)塑性変形輪数 解説)
| 【問 |
11】 TA法でアスファルト舗装の構造設計を行う場合の次の設計断面のうち、等値換算厚TA’として適当なものは次のうちどれか。等値換算係数aは、粒度調整砕石:0.35、クラッシャラン:0.25とする。 |
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