平成26年度 1級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(2/3)

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【問 21】 再生舗装材に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 再生加熱アスファルト混合物の配合設計には、設計針入度への調整を行う方法と設計圧裂係数への調整を行う方法とがある。
 (2) 再生アスファルトは、旧アスファルトに新アスファルトや再生用添加剤を単独または組合せて添加調整したアスファルトのことである。
 (3) 再生加熱アスファルト安定処理路盤材料には、アスファルトコンクリート再生骨材に新アスファルトと新規骨材を加えて製造したものがある。
 (4) アスファルトコンクリート再生骨材を用いた再生粒度調整砕石は、温度の上昇で修正CBRが大きくなることがある。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 再生粒度調整砕石は、路盤発生材、アスファルトコンクリート発生材、セメントコンクリート発生材などから製造されるが、再生粒度調整砕石の修正CBRは60%以上と規格されているが、アスファルトコンクリート再生骨材を含む再生粒度調整砕石は温度の上昇により修正CBRが低下するため、修正CBR70以上としている。(舗装再生便覧2-4再生舗装用材料、2-5再生舗装用材料の配合設計)

【問 22】 アスファルトの試験に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 引火点試験は、アスファルトを加熱した際に発生する油蒸気が自然発火する温度を評価するために実施される。
 (2) 密度試験結果は、加熱アスファルト混合物の理論最大密度を求める際に使用される。
 (3) 高温動粘度試験結果は、加熱アスファルト混合物のマーシャル安定度試験における混合、締固め温度の算定に使用される。
 (4) 薄膜加熱試験は、アスファルトの加熱混合時の劣化の程度を評価するために実施される。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 自然発火ではなく、加熱によって発生するアスファルトの油蒸気が、試験炎ノズルから出る炎によって火が付く(引火する)ときの温度である。既定条件で試料を加熱していき,小さな炎を油面に近づけた時、試料上面に発生した油蒸気と空気の混合気体が、せん光を発して瞬間的に燃焼する最低の試料温度を言う。(舗装調査・試験法便覧-第2分冊-引火点試験方法、薄膜加熱試験方法、高温動粘度試験方法、-第3分冊-密粒度アスファルト混合物等の密度試験方法)

【問 23】 路床の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 盛土の施工では、一層の敷きならし厚さを仕上がり厚さで20cm以下を目安とし過転圧に注意して締固めを行う。
 (2) 凍上抑制層の施工では、原地盤を所定の深さまで掘削し、凍上抑制効果のある材料を敷きならし締め固めて仕上げる。
 (3) 石灰安定処理工法の施工では、六価クロムの溶出が懸念されるので土壌環境基準に適合していることの確認を行う。
 (4) 切土の施工では、表面付近に木根や転石などの均一性を損なうものがないことを確認して仕上げる。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 舗装施工便覧では、『石灰安定処理用の安定材には、生石灰、消石灰、またはそれらを主成分とする石灰系安定材がある。石灰系安定材は、生石灰や消石灰に、石膏・セメント・スラグ粉末・フライアッシュ等のポゾラン物質を加え、石灰の安定処理効果を高めたもので、有機質土、粘性土、ヘドロ等の固化に有効なことが多い。』(舗装施工便覧H18−P18)とあり、この説明からすると石灰安定処理用の安定材にはセメントを含有する安定材も含まれており、六価クロムの溶出が懸念される。
 セメントおよびセメント系安定材を使用した安定処理土は、「セメント及びセメント系固化材を使用した改良土の六価クロム溶出試験要領(案)」(国土交通省、平成13年4月)にもとづき、六価クロムの溶出量が土壌環境基準に適合していることを確認する。(国交省通知H12)
 同実施要領(案)では適用範囲として、「セメント及びセメント系固化材とはセメントを含有成分とする固化材で、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、セメント系固化材、石灰系固化材をいい、これに添加剤を加えたものを含める。」と規定されており、石灰系固化材を使用した場合も確認が必要であるので注意が必要である。なお、便覧で言う「石灰系安定材」は「石灰系固化材」のことである。便覧では、安定材と固化材の定義が混同されているので注意を要する。
 「石灰安定処理工法」に使用される安定材によっては六価クロム溶出量確認試験が必要と言うことになるが、「舗装設計施工指針」(H18−P115)では、「石灰安定処理工法は、現地発生材、地域産材料またはこれらに補足材を加えたものを骨材とし、これに石灰を添加し処理する工法で、一般に路上混合方式で行うが、骨材と安定材を均一に混合するよう施工する。」としている。ここでいう「石灰」は生石灰或いは消石灰であると解釈すれば本問の解答は(3)である。設計施工指針と施工便覧の齟齬は出版側で整合させるべきである。

【問 24】 路盤の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) セメント安定処理路盤の締固めは、材料の硬化が始まる前に完了するように行う。
 (2) 石灰安定処理路盤の横方向の施工継目は、施工端部を垂直に切り取り新しい材料の打ち継ぎを行う。
 (3) 粒度調整路盤の締固めは、材料が乾燥している場合、適宜散水し最適含水比付近の状態で行う。
 (4) 加熱アスファルト安定処理路盤の敷きならしは、アスファルトフィニッシャやブルドーザなどを用いて行う。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 横方向の施工継ぎ目は、セメントを用いた場合は施工端部を垂直に切り取り、石灰を用いた場合は前日の施工端部を乱して、各々新しい材料を打ち継ぐ。
  粒状路盤材料が乾燥している場合は、適宜散水し、最適含水比付近の状態で締め固めるが、石灰安定処理路盤材料の締固めは、最適含水比よりやや湿潤状態で行うと良い。
  瀝青安定処理路盤材料の敷きならしには、一般にアスファルトフィニッシャを用いるが、まれにブルドーザやモータグレーダなどを用いることもある。(舗装施工便覧5-2-2、5-3-3、5-3-4)

【問 25】 加熱アスファルト混合物の製造・貯蔵・運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 冬期あるいは運搬時間が長い場合には、運搬車の荷台にシートを2〜3枚重ねるなど混合物の保温対策をとるとよい。
 (2) 混合物のダンプトラックへの積込みは、運搬車を移動させず、できるだけ1箇所に積み込むようにして材料分離を防ぐ。
 (3) ミキサでの混合時間は、アスファルトが骨材をすべて被覆するまでとし、過剰な混合はアスファルトの劣化につながるので避ける。
 (4) 加熱貯蔵サイロ内の混合物は、その貯蔵量が少ないとアスファルトの劣化が進む傾向にある。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 アスファルト混合物の分離と片荷積みの防止には、運搬車を徐々に移動させながらアスファルト混合物を荷台全体へ平均に積み込むようにするとよい。また、アスファルト混合物の分離は、アスファルトプラントとミキサーゲート高さと運搬車の荷台との落差が大きい場合に発生しやすいので、積み込み作業に支障が生じない範囲でこの落差を小さくする。
(アスファルト混合所便覧5-3-3運搬作業の注意事項、4-2-3新規混合物の製造、4-4-2貯蔵方法の種類と特徴)

【問 26】 舗装用セメントコンクリートの製造・運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) コンクリートのスランプは、運搬中に水分の蒸発や空気量の損失があった場合、練り混ぜた直後よりも小さくなる。
 (2) コンクリートの配合やワーカビリティーは、コンクリート版の種類や舗設方法に応じて適切なものを選定する。
 (3) 一般に、スランプ5cm未満の硬練りコンクリートの運搬はダンプトラックで行い、5cm以上の場合はアジテータトラックで行う。
 (4) コンクリートの練混ぜから舗設開始までの時間の限度の目安は、ダンプトラックによる運搬の場合で約2時間以内である。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 コンクリートの練混ぜから、舗設開始までの時間の限度の目安は、ダンプトラックによる運搬の場合で約1時間以内、アジテータトラックによる運搬の場合で1.5時間以内とする。(舗装施工便覧8-4-2コンクリートの製造と運搬、8-3-2コンクリ−トの配合条件)

【問 27】 加熱アスファルト混合物の締固めに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 初転圧は、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度で行い、一般にロードローラで1往復程度転圧する。
 (2) 振動ローラを使用する場合は、初転圧を有振で1往復、二次転圧を無振で5往復程度転圧すると効果的な締固めができる。
 (3) 二次転圧においては、タイヤローラよりも振動ローラを用いた場合の方が、少ない転圧回数で所定の締固め度が得られることがある。
 (4) タイヤローラによる二次転圧では、ニーディング作用により、骨材相互のかみ合わせをよくし、深さ方向に均一な密度が得やすい。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 加熱アスファルト混合物は、敷きならし終了後所定の密度が得られるように締め固める。締固め作業は、継ぎ目転圧、初転圧、二次転圧及び仕上げ転圧の順で行う。 転圧機械は、継ぎ目転圧及び初転圧はロードローラを用いる。なお、振動ローラを無振で使用する場合は、ロードローラとして扱うことが出来る。二次転圧は一般にタイヤローラで行うが、振動ローラを用いることもある。
 振動ローラによる転圧では、振動の周波数との関係で適正な締固め速度があるので、事前の試験施工を通し十分に吟味し、作業標準を確認しておく。速度が速すぎると不陸や小波が発生し、遅すぎると過転圧になることがあるので、注意する。仕上げ転圧はタイヤローラあるいはロードローラで行う。なお、二次転圧に振動ローラを用いた場合は仕上げ転圧にタイヤローラを用いるのが望ましい。(舗装施工便覧6-4-5締固め)

【問 28】 加熱アスファルト混合物の寒冷期の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 混合物の敷きならし後、締固め作業においては、ヘアクラックを少なくするためには線圧の大きいローラを用いるとよい。
 (2) 中温化技術は、通常よりも低い温度であっても比較的良好な施工性が得られるので、必要に応じて使用するとよい。
 (3) コールドジョイント部は、混合物温度が低下しやすいので、ジョイントヒータなどで既設舗装部分を加熱しておくとよい。
 (4) 敷きならしにおいては、混合物の付着防止のためにスクリードを適宜加熱するとよい。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 寒冷期における締固め時の留意点として、転圧作業のできる範囲まで混合物の敷き均しが進んだら、速やかに締固め作業を開始する。初転圧時のヘアクラックを少なくするためには、線圧の小さいローラを用いるとよい。
 なお、ローラの線圧はローラ自体の重量(機械質量)とバラストや燃料・散水用の水等を合わせた重量(運転質量)を前・後輪に割り振り輪幅で除したものであるから、機種的には輪幅の広いもの、機械質量の小さいものが線圧は小さく、同じ機械であればバラストや水の搭載を最小限にするなどで線圧の調整を行う。(舗装施工便覧6-4-9寒冷期における舗設)

【問 29】 アスファルト舗装の継目の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 舗設作業をやむを得ず長時間中断するときは、敷きならしの終わった端部まで転圧を完了させておく。
 (2) ホットジョイントの転圧は、先行する側の縦継目付近を後続の混合物と同時に締め固める。
 (3) 既設舗装と接する縦継目の施工は、ローラの駆動輪を既設舗装上にのらないようにして転圧する。
 (4) 継目は、既設面をよく清掃した後、アスファルト乳剤などを塗布してから混合物を敷きならし、十分に締め固めて相互に密着させる。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 縦継ぎ目部では、締固めが十分でないと、縦継ぎ目部の開きや縦ひび割れなどが生じやすい。従って縦継ぎ目部の施工では、レーキなどで粗骨材を取り除いた新しい混合物を、既設舗装部に5cm程度重ねて敷きならし(下図(1))、直ちにローラの駆動輪を15cm程度掛けて締め固める(下図(2))。2台のフィニッシャで、隣り合ったレーンを同時施工するホットジョイント施工の場合は、先行レーンの縦継ぎ目側の5〜10cm幅を転圧しないで、この部分を後続の混合物と同時に締め固める。(舗装施工便覧6-4-6 継 目)
ジョイント部施工


【問 30】 普通コンクリート版の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) コンクリートの荷下ろしは、運搬車から直接行う場合と、荷下ろし機械を用いて行う場合がある。
 (2) コンクリートの敷きならしは、一般にスプレッダを用いて行い、全体ができるだけ均等な密度になるように適切な余盛りをつけて行う。
 (3) 後期養生の期間中は、養生マットなどを用いてコンクリート版表面をすき間なく覆い、完全に湿潤状態となるように散水する。
 (4) コンクリート舗装版の表面仕上げは、荒仕上げ、粗面仕上げ、平たん仕上げの順で行う。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 普通コンクリートのセットフォーム工法での施工工程の事例を下図に示すが、コンクリート舗装版の表面仕上げ段階では、荒仕上げ、平坦仕上げ、粗面仕上げの順に行う。粗仕上げはコンクリートフィニッシャでの締固め作業と同時に行い、表面仕上げ機械で緻密に平坦に仕上げる。最後の粗面仕上げの段階は、車両のすべり抵抗を増すための施工であり、ほうき目仕上げ、タイングルービング仕上げ、骨材露出仕上げなどがある。これらの粗仕上げから粗面仕上げまでの工程を総称して表面仕上げという。(舗装施工便覧8-4-3 普通コンクリートの施工)

コンクリと施工手順


【問 31】 半たわみ性舗装の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 半たわみ性舗装の施工において、舗装表面に浸透用セメントミルクをできるだけ残して供用後におけるすべり抵抗性を確保する。
 (2) 半たわみ性舗装の浸透用セメントミルクの施工は、一般に舗装体表面の温度が50℃程度以下になってから行う。
 (3) 浸透用セメントミルクを注入する前に交通開放すると、骨材の剥奪や飛散などが生じることがあるので、基本的には注入前に交通開放は行わない。
 (4) 半たわみ性舗装の交通開放までの一般的な養生時間は、超速硬タイプのセメントミルクを用いた場合、約3時間である。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 半たわみ性舗装は開粒度アスファルト混合物の空隙に浸透用セメントミルクを注入して強度を確保する構造であるが、セメントミルクが舗装表面に残っていると、特に降雨時などは、路面のすべり抵抗値を低下させることがあるので、舗装表面の骨材の凹凸が現れる程度までセメントミルクをゴムレーキ等で除去する。
 また、セメントミルク注入前は開粒度アスファルト混合物(一般にバインダーはストレートアスファルトを使用)であることから、注入前に交通開放すると、骨材の剥奪や飛散などが生じることがある。バス停留所等で、やむを得ず注入前に交通開放しなければならない場合は、(改質アスファルトを使用した)ポーラスアスファルト混合物とするなどの対応をする。 (舗装施工便覧9-4-1 半たわみ性舗装 3)施工)

【問 32】 各種の舗装の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 塗布型の遮熱性舗装の施工において、遮熱性塗料の付着性を向上させるために、舗装表面の油分や付着物を除去する。
 (2) インターロッキングブロック舗装の施工においては、ブロックの敷設後、転圧は行わない。
 (3) 大粒径アスファルト混合物の製造は、通常のアスファルトプラントで行うが、その製造能力は通常の混合物に比べ低下する場合がある。
 (4) 鋼床版上に舗装する場合、床版面は敷きならし前にケレンなどにより錆や汚れを除去し、十分に乾燥させる。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 インターロッキングブロック舗装の施工手順は、まず路盤面をしっかり計画高さに合わせ、敷き砂を一様な厚さに仕上げる。この時砂を転圧し、所定の高さに仕上げる。その上にブロックを敷設し、ブロック敷設後ブロック層の転圧を行う。転圧は1次と2次に分けて行うが、1次転圧は主にブロックの平たん性確保のために、2次転圧は目地詰めを完全に行った後に行い、ブロック表面まで密実に目地砂を充填させる。
(舗装施工便覧9-4-8 インターロッキングブロック舗装,9-4-2,9-4-6,9-4-10)

【問 33】 舗装用機械に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 路床の転圧は、一般にローラによる締固めを行うが、場合によってはブルドーザを使用することがある。
 (2) アスファルト乳剤の散布には、通常、ディストリビュータを使用するが、小規模の施工や狭い箇所の施工ではアスファルトエンジンスプレイヤを使用する。
 (3) アスファルトフィニッシャには、牽引力を重視したクローラ式と、機動性を重視したホイール式とがある。
 (4) アスファルトフィニッシャによる敷きならし厚さの調整は、通常、バーフィーダで行う。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 路床の転圧において、ローラによる締固めではこねかえしや過転圧となるような場合、代替機械としてブルドーザを使用することもある。 アスファルトフィニッシャによる混合物の敷きならし厚さの調整は、通常スクリードのアタック角度調整やセンサーによるレベリングアームの高さ調整等により行う。
(舗装施工便覧4-2-6 締固め機械,4-3-2散布機械,4-3-3敷きならし機械)

【問 34】 既設舗装の調査および評価に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) FWDなどのたわみ測定装置で測定される表面たわみを用いて、アスファルト舗装の構造評価ができる。
 (2) MCIは、舗装の維持管理指数であり、ひび割れ率、わだち掘れ量、すべり抵抗値を用いて算出する。
 (3) わだち掘れ量の調査方法には、横断プロフィルメータによる方法、直線定規による方法、路面性状測定車による方法などがある。
 (4) 開削調査は、舗装構造の状況を部分的に詳細に調査するのに適しており、路床、路盤の支持力を直接測定できる。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 舗装の状態を、総合指標として把握する方法に、MCI(舗装の維持管理指数)があるが、基本的にはひび割れ率、わだち掘れ量及び平たん性を用いて算出する。
(舗装設計施工指針2-4-2,2-4-3 舗装の評価方法と破損原因,舗装調査・試験法便覧-第1分冊)

【問 35】 既設アスファルト舗装の破損に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) ブリージングは、舗装表面にアスファルトがにじみ出す現象で、アスフアルト混合物のアスファルト量過剰などが原因で発生する。
 (2) コルゲーションは、道路延長方向に生じる比較的波長の短い波状の凹凸で、通行車両がブレーキを頻繁にかける箇所などに発生する。
 (3) ポンピングは、アスファルト混合物層を押し上げる現象で、ひび割れなどから浸透した水が気化、膨張して発生する。
 (4) 車輪走行部の沈下によるわだち掘れは、路床や路盤の圧縮変形により路盤面が沈下することにより発生する。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 ポンピングは、目地やひび割れなどから浸透した水が、交通荷重により押し下げられた舗装版により、路盤層以下の細粒分と一緒に舗装表面に噴出する現象で、車が通るたびに丁度ポンプから断続的に吹き出しているように見えることから名付けられた。設問にある現象はブリスタリングといって、橋面舗装等でよく見られる。その他のアスファルト舗装の破損と主な原因等を下表に示す。
As舗装の破損

【問 36】アスファルト舗装の補修工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) フォグシールは、水で希釈したアスファルト乳剤を薄く散布するだけの、最も簡便な表面処理工法である。
 (2) チップシールは、アスファルト乳剤と骨材を単層あるいは複層に仕上げる散布式表面処理工法である。
 (3) マイクロサーフェシングは、スラリー状の混合物を専用ペーパを用いて既設路面に薄く敷きならす工法である。
 (4) カーペットコートは、路面に散布または塗布した樹脂系材料の上に硬質骨材を散布、固着させる工法である。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 表面処理は、瀝青路面処理の表層としてあるいは舗装の寿命を延ばすために行う予防的維持工法として用いられる。カーペットコートは、既設舗装面上にアスファルト混合物を1.5〜2cm厚さに舗設する表面処理工法である。設問にある工法は、すべり止め機能を有する舗装として位置付けられるもので、表面処理工法とは異なる。 (舗装施工便覧9-4-12表面処理)

【問 37】 アスファルト舗装の補修上の留意点に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 路上路盤再生工法では、既設アスファルト混合物層の厚さが厚い場合には、施工効率を上げるため、ブレーカを用いて既設路面を破砕するとよい。
 (2) オーバーレイ工法では、交通開放までの養生時間を短縮する場合などには、必要に応じて中温化技術を利用するとよい。
 (3) 切削オーバーレイ工法では、切削の作業効率が気温などの影響を受ける場合には、路面ヒータなどを併用するとよい。
 (4) 打換え工法では、ある程度大きな規模で既設表層、基層または瀝青安定処理路盤を撤去する場合には、路面切削機械を利用するとよい。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 路上路盤再生工法において、既設アスファルト混合物層の厚さが厚い場合には事前処理として既設アスファルト混合物層の一部または全部を路面切削機などにより切削する場合と、既設のアスファルト混合物や路盤材料を路上破砕混合機により予備的に破砕混合する場合がある。(舗装再生便覧3-2路上路盤再生工法3-2-9施工,舗装施工便覧11-3-5)

【問 38】 仮設備に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 仮設備における直接仮設には、運搬設備としての工事用道路やエレベータ、足場設備としての桟橋や作業床などがある。
 (2) 仮設備計画は、現場の安全対策として、工事場所を管轄する所轄警察署に提出することが義務づけられている。
 (3) 仮設備には、指定仮設と任意仮設があるが、任意仮設において施工方法の変更が生じた場合、受注者は施工計画書を修正し提出する。
 (4) 作業員の寄宿舎に関しては、その衛生環境の確保について労働基準法で定められており、十分な配慮が求められている。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 労働安全衛星規則第85条で、計画の届け出を要する仮設備について、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。と定められている。

【問 39】 施工計画に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 発注者が道路管理者である場合、受注者は道路工事等協議書を作成し、所轄警察署と協議する。
 (2) 施工計画では、過去の実績や経験を生かすとともに、設計の要求性能に応じて改良技術の導入を行うことが望ましい。
 (3) 契約書や設計図書に条件が明示されていない項目については、原則として受注者が判断して内容などを決める。
 (4) 施工の基盤において、性能の確保が難しい場合は基盤の整備を行うが、施工の途中においては、発注者は必要により設計変更を行い、受注者は変更計画書を作成する。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 現道工事における所轄警察署との協議・調整は、発注者が道路管理者である工事の場合は、発注者が道路工事等協議書を作成し、所轄警察署長と協議すればよい。(道路交通法第80条)

【問 40】 工程管理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 工程計画は、定められた工期の中で工事の内容、数量および現場の施工条件をもとに、工事の完成までの流れを計画するものである。
 (2) 実施工程表は、請負者が円滑な工事実施とその統制を図るためのものであり、発注者に求められる場合を除いて、提出する必要はない。
 (3) 工程管理の管理サイクルの一般的な順番は、計画(Plan)、検討(Check)、改善(Act)、実施(Do)の順となる。
 (4) 工程管理は、工事の進行を時間的に管理することによって工事に必要な時間、人員、機械、資材の計画および管理を合理的に行う総合的な管理である。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 工程に限らず管理サイクルは一般に計画(Plan)、実施(Do)、検討(Check)、改善(Act)である。(P→D→C→Aサイクル)

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