平成27年度 1級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(2/3)

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【問 21】 舗装工事に使用される材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) ロールドアスファルト混合物は、砂、フィラー、アスファルトからなるアスファルトモルタルに、粗骨材を一定量配合した連続粒度の混合物である。
 (2) 繊維質補強材には、植物性繊維などがあり、ポーラスアスファルト混合物のダレを防止する目的で使用されることがある。
 (3) エポキシ樹脂は、硬質骨材によるすべり止め用の散布式表面処理工法の接着剤として使用されることがある。
 (4) シートアスファルト混合物は、道路橋においてアスファルト混合物系の防水材料として使用されることがある。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 ロールドアスフアルト舗装は,細砂,フィラー,アスフアルトからなるアスフアルトモルタル中に,比較的単粒度の粗骨材を一定量配合した不連続粒度のロールドアスファルト混合物を敷きならし,その直後にプレコート砕石を圧入した舗装である。ロールドアスファルト舗装は,すべり抵抗性,疲労破壊抵抗性,水密性,耐摩耗性等の性能を有する舗装である。ロールドアスファルト舗装は,このような性能に優れているため積雪寒冷地域や山岳部道路に使用されることが多い。仕上がり厚は2.5〜5cmとするのが一般的である。
    橋面の防水にはシート系、塗膜系および舗装系(アスファルト混合物系)がある。コンクリート床版の防水に、舗装系としてはシートアスファルト混合物があるが、骨材に砂と石粉およびバインダーのみで作った混合物、いわば薄層用のアスファルトモルタルで、橋面の防水層の他、ひび割れ発生路面の維持として用いることもあるが,安定性が悪く、最近は改良された防水材料が多く出ており、現在では殆ど使われない。
参照:(テキスト2章P128)(舗装施工便覧9-4-3)


【問 22】 アスファルト混合物の試験に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 加圧透水試験は、橋面舗装などに適用するアスファルト混合物の防水性を評価するために行われる。
 (2) 水浸ホイールトラッキング試験は、アスファルト混合物の剥離抵抗性を評価するために行われる。
 (3) ラベリング試験は、アスファルト混合物の摩耗抵抗性を評価するために行われる。
 (4) カンタブロ試験は、アスファルト混合物のたわみ追従性を評価するために行われる。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】カンタブロ試験は、ポーラスアスファルト混合物の設定した試験温度における骨材飛散抵抗性を評価するために行う。ロサンゼルス試験機を用い、性の指標としての衝撃骨材飛散量の測定に用いる。
    設問にあるアスファルト混合物のたわみ追従性を評価するためには、曲げ試験や接着力試験などを組み合わせて行う、あるいは現道においFWDなどで評価することもある。
参照:(テキスト2章P5,109)(舗装試験法便覧[3]-111)


【問 23】 路床の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 石灰安定処理による路床構築で、粉状(0〜5mm)の生石灰を使用したので、混合は1回で済ませた。
 (2) 切土面から30cm程度以内に木根、転石などの路床の均一性を損なうものが確認されたので、これらを取り除いて仕上げた。
 (3) 現状路床土が軟弱で地下水位も高かったので、路床の支持力を改善する目的で盛土工法を適用した。
 (4) 凍上が懸念されたので、凍結深さより求めた必要な置換え深さから路盤の総厚を引いた差だけ路床部を下層路盤の材料で置き換えた。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】凍上抑制層は,凍結深さから求めた必要な置換え深さと舗装の厚さを比較し,置換え深さが大きい場合に,路盤の下にその厚さの差だけ凍上の生じにくい材料で置き換えたものである。
参照:(テキスト2章P24)(舗装施工便覧5-1-2)


【問 24】 下層路盤の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 下層路盤が石灰安定処理工法であったので、上層の加熱アスファルト安定処理路盤との接着性を確保するため、下層路盤面にタックコートを施した。
 (2) 下層路盤に使用する粒状材料の一層の仕上がり厚さが標準を超えることになったので、所要の締固め度が保証される施工方法を採用した。
 (3) 下層路盤に使用する粒状材料の締固め前.に降雨があったので、晴天を待って曝気乾燥を行った。
 (4) 下層路盤に適用するセメント安定処理路盤材料には、骨材の粒度範囲が特に規定されていないので、混合や締固めなどを十分考慮して施工した。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 加熱アスフアルト安定処理路盤の施工に際して,下層の路盤面にプライムコートを施す必要がある。プライムコートの目的は以下の通りである。
   1) 路盤の上にアスフアルト混合物を施工する場合は,路盤とアスファルト混合物とのなじみをよくする。また,路盤の上にコンクリートを施工する場合は,打設したコンクリートからの水分の吸収を防止する。
2)路盤表面部に浸透し,その部分を安定させる。
3)降雨による路盤の洗掘または表面水の浸透などを防止する。
4)路盤からの水分の蒸発を遮断する。
    なお、タックコートは,新たに舗設する混合物層とその下層の瀝青安定処理層,中間層,基層との接着,および継目部や構造物との付着をよくするために行う。
参照:(テキスト2章P77,78)(舗装施工便覧5-3-7,6-4-3)


【問 25】 加熱アスファルト混合物の製造・運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 積込み時の混合物の分離は、プラントのミキサゲートの高さと運搬車の荷台との落差が大きい場合に発生しやすい。
 (2) 運搬車の荷台は、混合物を積み込む前に清掃し、必要に応じて付着防止剤を塗布するなどの対策をとる。
 (3) バッチ式プラントでは、計量した骨材をミキサへ投入すると同時にアスファルトを噴射し、過剰な混合を避けて劣化を防ぐ。
 (4) ポリマー改質アスファルトを使用する場合の混合温度は、必ずしも粘度一温度曲線から求められるとは限らないので、製造者が提示する条件を参考に設定する

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 計量した骨材をミキサに投入し、5秒以上空練りした後にアスファルトを噴射し、アスファルトが骨材をすべて被覆するまで混合する。過剰な混合は,アスファルトの劣化に繋がるので避ける。ミキサへの骨材投入は、各計量槽から粒度別に投入されるので、全体が均一な混合粒度となるために5秒程度以上の空練り(アスファルトを入れない状態での混合)が必要。
参照:(テキスト2章P119)(アスファルト混合所便覧4-2-3・5-3-3)


【問 26】 舗装用セメントコンクリートの製造・運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) コンクリートの空気量は、運搬中に損失する場合があるので、練混ぜ直後の空気量には損失量を見込んで製造する。
 (2) 日平均気温が高くなるような暑中における製造では、コンクリートの温度をできるだけ上昇させないように、練混ぜ水の冷却などの対策をとる。
 (3) 舗設位置における標準的なスランプは、セットフォーム工法で3〜5cm、スリップフォーム工法で1.5cmであり、運搬でのスランプロスを見込んで製造する。
 (4) コンクリートの練混ぜから舗設開始までの時間の限度は、ダンプトラックでの運搬の場合1時聞以内、アジテータトラックでの運搬の場合1.5時間以内を目安にする。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 工法に応じた舗設位置におけるスランプの標準的な値を示す。
1) 型枠を用いて機械舗設するセットフォーム工法の場合,スランプは2.5cm(沈下度で30秒程度)を標準とする。
2)型枠を用いないで機械舗設するスリップフォーム工法の場合,スランプは3〜5cmを標準とする。
3)次のような舗設においては使用するコンクリートのスランプは6.5cm程度を標準とする。
@ アジテータトラックを用いてコンクリートを運搬する場合
A 鉄筋コンクリート版,踏掛版等の配筋量の多い版を舗設する場合
B 簡易な舗設機械および人力で舗設する場合
 コンクリートのスランプを調整する方法としては,舗設時のスランプが2.5cmを標準とするコンクリートに,高性能AE減水剤等を用いて所要のスランプに調整する方法が望ましい。高性能AE減水剤等を用いないで調整する場合は,水量およびセメント量をできるだけ少ない範囲にとどめるように配慮する。 また,アジテータトラックを用いてコンクリートを運搬する場合,スランプが5cmを下回ると,アジテータトラックからのコンクリートの排出が悪くなるので留意する。
参照:(テキスト2章P68)(舗装施工便覧8-3-2・8-4-10)


【問 27】 アスファルト舗装の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 施工継目部は、締固めがしにくく弱点となりやすいので、継目の箇所をできるだけ少なくするように事前に計画する。
 (2) コールドジョイント部は、温度が低下しやすく締固め不足になりやすいので、既設舗装部分を適度に加熱する。
 (3) 二次転圧に振動ローラを用いた場合、転圧速度が速すぎると過転圧になったり、遅すぎると小波が発生しやすいので、転圧速度に注意する。。
 (4) 仕上げ転圧は、不陸の修正、ローラマークの消去のために行うもので、一般にタイヤローラあるいはロードローラが用いられる。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 荷重,振動数および振幅が適切な振動ローラを使用する場合は,タイヤローラを用いるよりも少ない転圧回数で所定の締固め度が得られる。ただし,振動ローラによる転圧では,転圧速度が速すぎると不陸や小波が発生する。また,遅すぎると過転圧になることもあるので,転圧速度に注意する。
参照:(テキスト2章P81)(舗装施工便覧6-4-5〜9)


【問 28】 ポーラスアスファルト混合物の舗設に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 敷きならし後の締固めでは、初転圧および二次転圧のロードローラによって、所要の締固め度を確保することが望ましい。
 (2) 骨材飛散を防止する観点から、仕上げ転圧にはタイヤローラをできるだけ使用しない方が望ましい。
 (3) ポーラスアスファルト混合物によるすりつけ最小厚さは、骨材が飛散しないように、使用する粗骨材の最大粒径以下とするのが望ましい。
 (4) 既設舗装を切削してポーラスアスファルト混合物を舗設する場合、切削溝をできるだけ深くして排水面を確保するのが望ましい。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 (2) ポーラスアスフアルト混合物の仕上げ転圧には,タンデムローラを使用している例と,タイヤローラを使用している例の2種類がある。なお,表面のきめを整えて,混合物の飛散を防止するといった効果も期待して,タイヤローラを使用することが多い。 (3) ポーラスアスフアルト混合物は,粗骨材が多いのですりつけが難しく,骨材も飛散しやすいので,すりつけ最小厚さは粗骨材の最大粒径以上とする。 (4) 既設舗装を切削して,ポーラスアスフアノレト混合物を舗設する場合には,切削溝が,タックコートの塗りむらや排水の障害を起こしやすいので,できるだけ平滑に切削する必要がある。
参照:(テキスト2章P114,115)(舗装施工便覧7-3-2)


【問 29】 タックコートに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。不適当なものはどれか。
 (1) タックコートには、通常アスファルト乳剤(PK-4)が用いられるが、層聞接着を特に高める必要がある場合は、ゴム入りアスファルト乳剤(PKR-T)を使用する。
 (2) 散布面の保護や周辺の汚れを防止するため、乳剤散布装置を搭載したアスファルトフィニッシャを使用することがある。
 (3) タックコートの付着力を増加させるためには、養生時間は長くなるが標準量よりも多く散布するとよい。
 (4) 寒冷期や急速施工の場合において、散布後の養生時間を短縮するため、アスファルト乳剤を加温してから散布することがある。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 タックコートは,既設舗装とその上に舗設する混合物層との付着を向上させるために施すもので,通常,アスファルト乳剤(PK-4)を用いる。アスファルト乳剤は養生を必要とするが,散布量や養生温度によってこの時間が変化する。
    タックコートの付着力の発現は下図左に示すように,散布量は少ない方が大きくなる。

タックコート接着強度

参照:(テキスト2章P80) (舗装施工便覧6-4-3)


【問 30】 コンクリート舗装の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 普通コンクリート版に設置する鉄網の位置は、コンクリート版の上面から1/3の深さを目標とする。
 (2) 寒中のコンクリート版の養生は、一般に外気温が4℃以上であれば通常の養生方法とする。
 (3) 暑中における舗設時のコンクリートの温度は、35℃以下となるようにする。
 (4) 普通コンクリート版の締固めは、一般に鉄網がある場合は2層で、鉄網が無い場合は1層で行う。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 コンクリートの締固めは,一般に,鉄網の設置の有無に係わらず, 1層で行う。 寒中コンクリート版の養生は、一般に外気温が4℃以上であれば、通常の養生方法でよく、0〜4℃ではシートなどの覆いをかけて保温する程度の簡単な注意でよい。−3〜0℃の外気温では、コンクリートの練り上がり温度を極力高める対策をとる。
参照:(テキスト2章P89) (舗装施工便覧8-4-3)


【問 31】 各種の舗装の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 透水性舗装の路盤上に、プライムコートを施工した。
 (2) グースアスファルト混合物を一般的なアスファル.トフィニッシャで敷きならした。
 (3) ロールドアスファルト舗装で散布したプレコート砕石を、タイヤローラで圧入した。
 (4) ポーラスコンクリート版の施工に、アスファルト舗装用の施工機械を用いた。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 (1) プライムコートは原則として施工しない。ただし,施工時における下層路盤への雨水浸食等で強度低下が懸念される場合には,高浸透性のものを使用するとよい。 (2) クッカより排出された混合物は通常,グースアスフアルト混合物専用のフィニッシャで敷きならす。 (3) 敷きならしは,一般にアスフアルトフイニッシャで行う。プレコート砕石は,チップスプレッダ,または人力によりできるだけ均一に散布し,鉄輪ローラで圧入する。さらに混合物とプレコート砕石の結合を高めるため,タイヤローラで転圧するとよい。プレコート砕石は,一般に5号砕石を5〜12kg/u程度散布して仕上げる。
参照:(テキスト2章P127〜) (舗装施工便覧9-3-2・9-4-2〜3)


【問 32】 舗装用機械に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 高締固め型のスクリードを装着したアスファルトフィニッシャの機構には、ダブルタンパ方式やプレッシャバー方式などがある。
 (2) アスファルトフィニッシャのフローティングスクリードは、傾斜角を一定に保っても、施工速度が変化すれば敷きならし厚さが変化する。
 (3) スリップフォームペーバは、一般に荷卸しされたコンクリートの敷きならし、締固め、荒仕上げおよび平たん仕上げの作業を1台で行うことができる。
 (4) コンクリート舗装のセットフォーム工法では、一般にコンクリートの敷きならしにベースペーバが用いられる。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 コンクリートの敷きならしは、鉄網を用いる場合は2層で、鉄網を用いない場合は1層で行う。敷きならしはスプレッダによるが、スプレッダにはブレード型、スクリュー型、ボックス型がある。一般に,コンクリートを運搬車から直接路盤上や下層コンクリート上に荷下ろしする場合にはプレード型やスクリュ型が用いられ,荷下ろし機械を介する場合にはボックス型が用いられる。
いずれの場合でも、敷きならしたコンクリートの全面がなるべく均等な密度になるように行うとともに、締固め後に所定の横断勾配が得られるように適切な余盛りを付けて敷きならす。コンクリートは敷きならし時に勾配の低い方に流動するので、横断勾配の高い方に余盛りを多くし、低い方の余盛りを少なくしておく必要がある。
なお、ベースペーバは,アスファルト混合物を仕上げるアスファルトフィニッシャと同じような作業を,路盤材料に適用した施工機械である。
参照:(テキスト2章P86) (舗装施工便覧4-4-2)


【問 33】 舗装再生工法に使用する機械や装置などに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) プラントで製造した再生加熱アスファルト混合物の貯蔵には、ホットビンを用いるのが一般的である。
 (2) 路上表層再生工法に使用する路上表層再生機には、リミキサとリペーパがある。
 (3) 路上路盤再生工法に使用する路上破砕混合機には、クローラ式とホイール式がある。
 (4) 舗装発生材の機械破砕方式の装置には、クラッシャを用いるのが一般的である。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】アスファルトプラント  再生加熱アスフアルト混合物を貯蔵する場合には,合材サイロ(一時貯蔵ビンまたは加熱貯蔵サイロ)を用いる。運搬車の待機時間の節減,あるいはプラントの連続稼働を目的として混合物を保温貯蔵する場合の設備として,貯蔵12時間未満を目的とした一時貯蔵ビン(サージビン)と,劣化対策を施し12時間以上の貯蔵を目的とした加熱貯蔵サイロ(ホットストレージサイロ)がある。 ホットビンは,骨材をドライヤで加熱後,フルイによって粒径分類(20以上,20〜13、13〜5,5〜2.5,2.5〜0mmなど)ごとに貯蔵する一時貯蔵ビンで,5区画程度に区切られた、計量の前段階装置である。
参照:(テキスト2章P120,121) (舗装再生便覧2-7-5)


【問 34】 既設アスファルト舗装の調査および評価に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 構造調査には、たわみ量測定や開削調査のほか段差測定などがある。
 (2) 路面性状調査には、ひび割れ率測定やわだち掘れ深さ測定、平たん性測定などがある。
 (3) ひび割れ箇所においては、ひび割れ幅やひび割れ深さなどを直接確認するため、切取りコアを採取することがある。
 (4) わだち掘れ箇所においては、変形が表層のみか、基層まで及んでいるのかなどを確認するため、切取りコアの各層の厚さを測定することがある。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 「構造調査は,舗装の内部や舗装構造を詳細に把握するもので, FWD (Falling Weight Deflectometer:重錘落下たわみ測定装置)によるたわみ量測定や切取りコアの採取,開削調査などにより行う。」と定義した(舗装維持修繕ガイドブック2013)ことから、段差は路面性状調査に振り分けられ、一見舗装構造に無関係のように見えるが、舗装構造は路面の破損状況、支持力、疲労抵抗性などで評価する。評価方法には、路面の破損状況にもとづく残存等値換算厚、表面たわみ、疲労度などの指標を用いて行う。なお、段差は地盤の不等沈下等の原因による場合もあり、段差測定後に開削調査へ進む必要がある場合もあり、構造調査の一環と言え、必ずしも(1)が不適当とは言えないが、他の(2)〜(4)は不適当な箇所がないため、結果的に(1)を解とした。
参照:(テキスト2章P135)(舗装設計施工指針2-4-2)


【問 35】 舗装の補修の設計に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 補修時に舗装断面の構造設計が必要な工法には、打換え工法、表層・基層打換え工法、路上路盤再生工法などがある。
 (2) 残存等値換算厚TA0は、舗装の破損状況に応じて等値換算厚で評価したものであり、表基層の破損状態が軽度に近い場合の換算係数は新設時と同じとする。
 (3) オーバーレイ工法は、市街地などで路面の仕上がり高さに制約を受ける場合には、採用できないことがある。
 (4) 路面のたわみが特に大きい場合や広範囲に及ぶ全層打換えの場合は、開削調査や非破壊調査などにより設計CBR値を求めることが望ましい。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 表・基層の残存等値換算厚TA0の計算に用いる換算係数は表の通りである。
TA0

以上から換算係数は0.5〜0.9の範囲になる。
参照:(テキスト2章P142)(舗装設計施工指針3-6-3)


【問 36】ポーラスアスファルト舗装の補修工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 空隙つぶれによる機能低下を回復させる場合には、高圧水を路面に噴射することにより、空隙の堆積物を洗浄する方法が用いられる。
 (2) 表面処理工法には、舗装表面に樹脂を散布する方法や透水性の樹脂モルタルを充填する方法などがあり、予防的維持工法として用いられることがある。
 (3) 既設舗装の耐水性能が低下している場合には、排水機能層のみではなく、遮水性の層も含めた切削オーバーレイ工法が用いられることがある。
 (4) パッチングを行う場合には、常温施工型の補修用ポーラスアスファルト混合物などが用いられる。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 骨材飛散や空隙つぶれなどの破損に対しては、切削オーバーレイ工法が用いられる。この場合,ポーラスアスフアルト混合物層の基盤となる切削面に,直接雨水などが作用することとなるため,原則としてゴム入りアスフアルト乳剤(PKR-T)を使用する。
参照:(テキスト2章P116)(舗装施工便覧11-4-3)


【問 37】 アスファルト舗装の補修時の留意点に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 局部打換え工法では、供用後の沈下や雨水の浸透を防ぐため、縁端部の締固めは入念に行い、加熱アスファルト混合物の継目にはタックコートなどを施す。
 (2) リフレクションクラックの発生を抑制・遅延させる場合には、応力緩和層としての砕石マスチック層、改質アスファルト乳剤を用いたじょく層などの採用を検討する。
 (3) シックリフト工法により舗設を行い即日交通開放するような場合には、早期にわだち掘れを生じることがあるため、舗装の冷却などの対策を行う。
 (4) 路上路盤再生工法では、既設アスファルト混合物層の厚さが厚い場合、路上破砕混合機の施工効率が低下するため、一般に路面ヒータを用いてあらかじめ加熱を行う。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 既設アスファルト混合物層が10cmより厚い場合,仕上がり高さを調整する必要がある場合、 または補足材を補充する場合などには,事前に余剰となる材料を取り除いておくために,事前処理を伴う施工手順により施工する。     事前処理の方法には,既設アスファルト混合物肘の一部または全部を路面切削機などにより切削する場合と,既設のアスファルト混合物や路盤材料を,路上破砕混合機により予備的に破砕混合する場合とがある。既設アスファルト混合物層の厚さが厚い場合には,路面切削機による切削をそれ以外の路面の凹凸が著しい場合および縦横断形状の修正や,仕上がり高さを調整する必要がある場合,補足材を補充する場合には,いずれの方法を用いてもよい。
参照:(テキスト2章P158)(舗装再生便覧3-2-9)


【問 38】 仮設備計画に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 仮設備は、一般に工事完成後に撤去されるが、本工事を適正かつ安全に施工するため、使用する材料や配置など十分な検討が必要である。
 (2) 仮設備に使用する材料は、他工事への転用ができるよう規格を統一した市販品を使用するのが望ましい。
 (3) 指定仮設における施工方法の変更については、発注者の指示または承諾が必要である。
 (4) 仮設備における共通仮設には、アスファルトプラント、コンクリートプラント、骨材砕石プラントなどがある。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 工事の仮設備は講習料後に撤去するものであるが、工事を施工する場合に直接必要となる仮設備(直接仮設)と、それ以外の共通仮設がある。直接仮設には、工事用道路、仮橋、路面覆工、水替工等の他、大規模道路工事ではアスファルトプラント、コンクリートプラント、骨材砕石プランなどを設置する場合がある。規模により指定仮設となり、設計図書に明記される。これ以外については任意仮設となり、施工者の責任において施工される。一般的には任意仮設が多い。
共通仮設としては、現場事務所や作業員宿舎、仮設トイレ、工事看板等がある。
参照:(テキスト3章P10)


【問 39】 施工計画に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 使用材料の選定に当たっては、循環型社会の形成の観点から「国等による環境物品等の推進等に関する法律」にもとづき、グリーン調達を積極的に推進する必要がある。
 (2) 舗装工事は沿道住民や道路利用者へ影響を与えるため、受注者は工事に先立って現場に広報板を設置し、情報の提供を行う。
 (3) 発注者が道路管理者でない場合、受注者は道路使用許可申請書を作成し、所轄警察署の道路使用許可を受ける必要がある。
 (4) 舗装工事の施工体制を決定するうえで、受注者は現場代理人および照査技術者を選任し、発注者に通知する必要がある。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 建設業法第19条、26条で受注者は,現場代理人および監理技術者(または主任技術者)を選任し,発注者に通知することが義務づけられている。発注者は,建設業法および「公共工事の人札及び契約の適正化の促進に関する法律(以下適正化法という)」(平成12年11月27日法律第127号)にもとづき監理技術者(または主任技術者)の専任等をチェックする。
参照:(テキスト3章P2,3)(建設業法19・26条)


【問 40】 工程表に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 横線式工程表は、各工種の工程のつながりをもとに組み立てられるので、着手時期、施工順序が明らかになる。
 (2) 工程表の様式には、横線式工程表、曲線式工程表、座標式工程表およびネットワーク式工程表がある。
 (3) 工程に余裕がない場合や、人員、材料の投入に無理がある場合には、より効率的、経済的な工程に変更する。
 (4) 工程表は、工期内に完成させるための各工種の施工順序、施工速度などの内容を図式化したものである。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 下表でも分かるように横線式は作業の相互関係は不明確である。設問はネットワーク工程表の説明である。
工程表の分類と比較一覧
工程表比較一覧


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1級一般問題_問41〜問60
2級一般問題_問01〜問20
2級一般問題_問21〜問40
平成27年度 舗装施工管理技術者試験  応用試験 1級応用問題
2級応用問題