平成27年度 2級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(1/2)

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【問 1】 軟弱地盤対策工法で、施工機械のトラフィカビリティーを確保する次の工法のうち、不適当なものはどれか。
 (1) サンドマット工法
 (2) 補強材の敷設工法
 (3) 表層排水工法
 (4) 薬液注入工法

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 下表のとおり,薬液注入工法はトラフィカビリティーを確保する工法としては使わない。
軟弱地盤対策効果

参照:(テキスト1章P14)(道路土工−軟弱地盤対策工指針−6-2)

【問 2】 コンクリート標準示方書における用語の定義に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) コンシステンシーとは、主として水量の多少によって左右されるフレッシュコンクリートの仕上げ作業に対する容易性のことである。
 (2) スランプとは、スランプコーンを引き上げた直後に測った頂部からの下がりで表すフレッシュコンクリートの軟らかさの程度を示す指標のことである。
 (3) ブリーディングとは、フレッシュコンクリートにおいて、固体材料の沈降または分離によって、練混ぜ水の一部が遊離して上昇する現象のことである。
 (4) 充填性とは、ワーカビリティーのうち、コングリートが材料分離をすることなく型枠中のかぶり部や隅角部などに密実に充填する性質のことである。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 コンシステンシーは“堅さ”、“粘稠度”などの意味をもち、フレッシュコンクリート、フレッシュモルタルおよびフレッシュペーストの変形あるいは流動に対する抵抗性の程度を表す。具体的にはスランプで○cm,沈下度で◎秒などで評価する。設問の「作業に対する容易性」はワーカビリティという。なお、アスファルト混合物のコンシステンシーは一般に“粘度”のことである。
参照:(テキスト2章P67)(コンクリート工学会基礎知識)


【問 3】 歩行者自転車用柵に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 歩行者などの横断防止などを目的として設置する柵の路面から柵面の上端までの高さは0.7m〜0.8mを標準とする。
 (2) 歩行者などの転落防止を目的として設置する柵の路面から柵面の上端までの高さは1.1mを標準とする。
 (3) 歩行者自転車用柵は、所定の設計荷重に対して塑性変形しないものとする。
 (4) 歩行者などの滞留が予想される区聞および橋梁、高架に設置される転落防止を目的とした柵は、集団による荷重を想定し、種別Pを適用する。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 歩行者自転車用柵は、原則として種別Pを適用するものとし、歩行者等の滞留が予想される区間および橋梁、高架の区間に設置される転落防止を目的とした柵は、集団による荷重を想定し、種別SPを適用するものとする。
参照:(テキスト1章P38)(防護柵の設置基準・同解説3-3)


【問 4】 土工作業の種類と建設機械に関する次の組合せのうち、不適当なものはどれか。
 (1) 締固め----------------------------モーターグレーダ、スクレーパ
 (2) 掘削、運搬----------------------ブルドーザ、スクレーパ
 (3) 敷きならし、整地-------------ブルドーザ、モーターグレーダ
 (4) 掘削、積込み--------------------バックホウ、トラクタショベル

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 土工作業機械の作業種別と適応機種は下表の通りである。

作業種別と適応機種
作業の種類 建 設 機 械 の 種 類
伐開除根 ブルドーザ,レーキドーザ,バックホウ
掘削 ショベル系掘削機(バックホウ,ドラグライン,クラムシェル)トラクタショベル,
ブルドーザ,リッパ,ブレーカ
積込み ショベル系掘削機(バックホウ,ドラグライン,クラムシェル),トラクタショベル
掘削,積込み ショベル系掘削機(バックホウ,ドラグライン,クラムシェル),トラクタショベル
掘削,運搬 ブルドーザ,スクレープドーザ,スクレーパ
運搬 ブルドーザ,ダンプトラック,ベルトコンベア
敷均し整地 ブルドーザ,モータグレーダ,タイヤドーザ
含水量調節 プラウ,ハロウ,モータグレーダ,散水車
締固め ロードローラ,タイヤローラ,タンピングローラ,振動ローラ,振動コンパクタ,
タンパ,ブルドーザ
砂利道補修 モータグレーダ
溝掘り トレンチャ,バックホウ
のり面仕上げ バックホウ,モータグレーダ
さく岩 レックドリル,ドリフタ,ブレーカ,クローラドリル,空気圧縮機
参照:(テキスト1章P47)(道路土工要綱5-3-4)


【問 5】 道路緑化における植栽基盤調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 土壌硬度は、土壌の緻密度(土壌の締まり程度)を示す指標であり、土壌硬度が高すぎると植物の根の伸張が阻害される。
 (2) 簡易現場透水性は、植栽基盤の排水の良否を示す指標であり、排水の良否は、植栽基盤として具備すべき最も重要な条件である。
 (3) 土性(国際法)は、レキ(径2mm以上)を除いた細土の粒径組成、砂、シルトおよび粘土の割合により分類され、保水性に関しては、シルト分が多くなるほど有効水分が増加する。
 (4) pHは、土壌が示す酸性またはアルカリ性の反応程度を表すものであり、植栽地としては極強酸性であることが望ましい。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】pH 土壌の化学性の内、pHは上部有効土層(上層)で4.5〜7.5,下部有効土層(下層)で4.0〜8.0が目標値である。右表から上層では微アルカリ性〜強酸性の間、下層で強アルカリ性〜極強酸性まで許容される。pHの違いにより土壌微生物の活動、土壌抗生物質の形態変化,養分の有効性などが微妙に変わる。
 多くの作物はpH 6.0〜6.5の微酸性領域で生育がよいが、作物ごとに好適なpHは異なる。主な作物の好適pHを下表(農水省)に示した。大部分の畑作物はpH 6.0〜6.5の微酸性領域で生育がよいが、なかにはほうれんそうやブドウのように微酸性〜中性領域を好む作物もある。

pH
参照:(植栽基盤の整備手順(案)(国交省)−(3)土壌の質の基準)


【問 6】 公共工事標準請負契約約款に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

 (1) 工事目的物の引き渡し前に、工事目的物に生じた損害については、原則として発注者がその費用を負担する。
 (2) 工事材料の品質が設計図書に明示されていない場合は、中等の品質を有するものとする。
 (3) 現場代理人、主任技術者および専門技術者は、これを兼ねることはできない。
 (4) 工事の完成、設計図書の変更などによって不用となった支給材料は、適切な場所に処分しなければならない。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 (1) 第二十七条 工事目的物の引渡し前に、工事目的物又は工事材料について生じた損害その他工事の施工に関して生じた損害については、受注者がその費用を負担する。ただし、その損害(第五十一条第一項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。)のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。    (3) 第十条 受注者は、次の各号に掲げる者を定めて工事現場に設置し、設計図書に定めるところにより、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。     5 現場代理人、主任技術者(監理技術者)及び専門技術者は、これを兼ねることができる。    (4) 第十五条 発注者が受注者に支給する工事材料(以下「支給材料」という。)及び貸与する建設機械器具(以下「貸与品」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。 9受注者は、設計図書に定めるところにより、工事の完成、設計図書の変更等によって不用となった支給材料又は貸与品を発注者に返還しなければならない。
参照:(公共工事標準請負契約約款)



【問 7】 舗装の構造に関する技術基準に定める舗装の性能指標に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 浸透水量は、雨水を道路の路面下に円滑に浸透させることができる構造とする場合に舗装の性能指標として設定する。
 (2) 舗装の性能指標およびその値は、舗装の構造設計および路面設計の後に設定する。
 (3) 疲労破壊輪数、塑性変形輪数および平たん性は、舗装の必須の性能指標である。
 (4) すべり抵抗性、骨材飛散抵抗性、摩耗抵抗性、騒音低減などは、必要に応じて定める性能指標である。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 舗装の性能指標の設定
(1) 舗装の設計前に,道路の存する地域の地質及び気象の状況,道路の交通状況,沿道の土地利用の状況等を勘案して,当該舗装の性能指標及びその値を定めるものとする。
(2) 舗装の性能指標の値は,原則として施工直後の値とする。
(3) 舗装の性能指標の値は,施工直後の値だけでは性能の確認が不十分である場合においては,必要に応じ,供用後一定期間を経た時点の値を定めることができるものとする。
参照:(舗装の構造に関する技術基準)


【問 8】 各種の舗装に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 橋面舗装の構造は、原則として2層構造とする。
 (2) 半たわみ性舗装の構造設計は、通常アスファルト舗装の設計方法を用いる。
 (3) インターロッキングブロック舗装の構造設計は、通常コンクリート舗装の設計方法を用いる。
 (4) 透水性舗装に用いる開粒度アスファルト混合物の等値換算係数は1.0とする。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】インターロッキング舗装  車道を対象としたインターロッキングブロック舗装の構造設計について以下に示す。
@ インターロッキングブロック舗装は,交通条件と環境条件に耐えうる必要な厚さと品質をもち,表層,敷砂層,路盤より構成される(図参照)。路床の支持力に応じて各層が荷重を相応に分担,分散するように,かつ経済性も考慮し,力学的にバランスのとれた構造となるよう設計する。
A 車道舗装に適用する舗装計画交通量は2,000 (台/日・方向)未満を対象とし路床の設計CBRは3以上を原則とする。
B インターロッキングブロックの等値換算係数を,表層・基層用加熱アスフアルト混合物と同等の1.0とみなし,法を用いて行う。なお,構造設計は,敷砂層は等値換算厚の計算には含めない。
C インターロッキングブロックの厚さは,車道用8cmを標準とする。ただし,コンテナヤード等,重荷重が予想される箇所に適用する場合は,厚さ l0cmのブロックを使用する場合がある。
参照:(テキスト2章P100)(舗装設計法便覧7-3-6)


【問 9】 アスファルト舗装に用いる骨材に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 再生骨材には、アスファルトコンクリート再生骨材とセメントコンクリート再生骨材がある。
 (2) 人工的に製造した硬質骨材には、硬質砂岩やシリカサンドなどがある。
 (3) フィラーには、石粉、消石灰、セメント、回収ダストおよびフライアッシュなどを用いる。
 (4) 加熱アスファルト混合物の骨材として鉄鋼スラグを用いる場合には、製鋼スラグが一般的に使用される。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】天然産の硬質骨材としては,シリカサンド,エメリー,けい石等がある。人工的に製造した硬質骨材としては,ボーキサイトを焼成したカルサインドボーキサイト,ある種の金属または非金属を製錬するときに副産される特殊な硬質スラグ,溶融アルミナ,各種の研磨材等がある。人工の硬質骨材の中には,結晶状態が複雑なため研磨されても常に表面を粗面に保つ性質を有するものがある。
参照:(テキスト2章P45,46)(舗装施工便覧3-3-2)


【問 10】 舗装に用いる瀝青材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 石油アスファルト乳剤は、常温アスファルト混合物、タックコート、プライムコートおよびシールコートなどに使用される。
 (2) トリニダッドレイクアスファルトは、天然に産出するアスファルトである。
 (3) 舗装用石油アスファルトの種類は、軟化点で分類される。
 (4) ポリマー改質アスファルトには、1型、U型、V型などがある

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 石油アスファルトの種類別の使い方としては、一般地域では主として60〜80、積雪寒冷地域では主として80〜100を用いることが多い。また、40〜60は一般地域で交通量が多い場合に、100〜120は温度ひび割れが特に予想される低温地域に、それぞれ選定し用いられる。これらの種類は,針入度で分類されたものである。
参照:(テキスト2章P37)(舗装施工便覧3-3-2)


【問 11】 路盤に用いる材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 上層路盤に用いる骨材の最大粒径は40mm以下で、かつ一層の仕上がり厚の1/2以下がよい。
 (2) 粒状路盤材料には、クラッシャランや粒度調整砕石などがある。
 (3) 上層路盤に用いる粒度調整砕石の品質規格として、修正CBRは80%以上が定められている。
 (4) 瀝青安定処理材料の品質規格として、一軸圧縮強さが定められている。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】瀝青安定処理品管 瀝青安定処理(上層路盤)の品質規格は右図に示すとおり,安定度,フロー値,空隙率で規定されている。
参照:(テキスト2章P57) (舗装施工便覧5-3-1)


【問 12】 加熱アスファルト混合物に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 密粒度アスファルト混合物(13)は、密粒度アスファルト混合物(20)よりも、一般に耐水性、ひび割れ抵抗性に優れる傾向がある。
 (2) ギャップ粒度のアスファルト混合物は、連続粒度のアスファルト混合物よりも、一般にすべり抵抗性に優れる傾向がある。
 (3) 密粒度と細粒度のアスファルト混合物を比較した場合、一般に密粒度混合物の方が、流動抵抗性に優れる傾向がある。
 (4) 密粒度アスファルト混合物(13F)は、密粒度アスファルト混合物(13)よりも、一般に流動抵抗性に優れる傾向がある。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】加熱アスファルト混合物の特性,主な使用箇所を下表に示す。
表 表層用混合物の種類と特性および主な使用箇所
アスコンの種類pH
参照:(テキスト2章P61) (舗装施工便覧6-2-2)


【問 13】 舗装の試験と目的に関する次の組合せのうち、不適当なものはどれか。
 (1) 水浸ホイールトラッキング試験 ・・・・・・・・ アスファルト混合物の剥離抵抗性の評価
 (2) タフネス・テナシティ試験 ・・・・・・・・・・・・ アスファルトの把握力、粘結力の評価
 (3) カンタブロ試験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ポーラスアスファルト混合物の骨材飛散抵抗性の評価
 (4) マーシャル安定度試験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 骨材のすり減り量の評価

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 配合設計は,原則としてマーシャル安定度試験で行う。
    骨材のすり減り量はロサンゼルス試験機によるすり減り試験によって測定する。
参照:(テキスト2章P65) (舗装施工便覧6-3-3)


【問 14】 加熱アスファルト安定処理路盤の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 施工方法には、一層の仕上がり厚さが10cm以下である一般工法と10cmを超えるシックリフト工法がある。
 (2) 加熱アスファルト安定処理路盤材は、表層用混合物に比べてアスファルト量が多いため、混合時間を長くする。
 (3) 加熱アスファ)レト安定処理路盤材の敷きならしには、モーターグレーダを用いることがあり、この場合は、材料の分離に留意して施工する。
 (4) 一層の仕上がり厚が15cmと厚いときでも加熱アスファルト安定処理路盤材の敷きならし温度は、一般に110℃を下回らないようにする。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】加熱アスフアルト安定処理路盤材料は基層および表層用混合物に比ベてアスファルト量が少ないため,あまり混合時間を長くするとアスフアルトの劣化が進むので注意しなければならない。
参照:(テキスト2章P77) (舗装施工便覧5-3-4)


【問 15】 加熱アスファルト混合物の運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 混合物の積込みは、運搬車を徐々に移動させながら、荷台全体へ平均に積み込むようにすると分離しにくい。
 (2) 運搬車の荷台は、よく清掃した後に、混合物の付着防止のため、希釈した石油アスファルト乳剤を塗布する。
 (3) 混合物の荷卸しは、誘導員の指示に従い、アスファルトフィニッシャの手前で一旦運搬車を停止し、その後フィニッシャに押し進められながら行う。
 (4) 寒冷期における運搬時の保温対策としては、シートを2枚重ねにしたり、荷台への木枠取付けなどを行うことがある。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 出荷管理者は,運転者にアスファルト混合物を積み込む前に運搬車の荷台を清掃させる。必要があればアスファルト混合物の付着を防止するための重油,灯油あるいは石けん水などを塗布させて,積み込み開始の合図があるまで待機させる。ただし,付着防止剤は,多量に使用すると混合物をカットバックするなどの弊害があるので,その塗布方法を運転者に教育する。 以上は平成8年時点のアスファルト混合所便覧に記載された説明であるが、ポーラスアスファルト舗装の普及により,現場でのポットホールの発生原因が運搬時に使用するダンプトラックの荷台や施工時に使用する舗設機械,作業具等に付着防止のためとして使用された経由が一因であることが分かってきた。そこで最近では石油系オイル等以外の付着防止剤として界面活性剤系,シリコン系,植物油系等が用いられる様になっている。余談であるが,約20年前の便覧は,技術的にも早期改訂が必要。
参照:(テキスト2章P122) (アスファルト混合所便覧5-3-2)


【問 16】 加熱アスファルト混合物の締固めに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 敷きならし後の初転圧は、ヘアクラックの生じない限りできるだけ混合物の温度が高いうちに行う。
 (2) ロードローラによる二次転圧は、交通荷重に似た締固め作用により、深さ方向に均一な密度が得やすい。
 (3) 締固め作業は、一般に継自転圧、初転圧、二次転圧および仕上げ転圧の順序で行う。
 (4) ローラによる転圧は、一般に横断勾配の低い方から高い方へ向かい、順次幅寄せしながら行う。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 二次転圧の留意点は以下の通りである。
1) 二次転圧は,一般に8〜20tのタイヤローラで行うが,6〜l0tの振動ローラを用いることもある。
2)タイヤローラによる混合物の締固めは,交通荷重に似た締固め作用により,骨材相互のかみ合わせをよくし,深さ方向に均一な密度が得やすい。
3)荷重,振動数および振幅が適切な振動ローラを使用する場合は,タイヤローラを用いるよりも少ない転圧回数で所定の締固め度が得られる。ただし, 振動ローラによる転圧では,転圧速度が速すぎると不陸や小波が発生する。また,遅すぎると過転圧になることもあるので,転圧速度に注意する。
4)二次転庄の終了温度は一般に70〜90℃である。
参照:(テキスト2章P81) (舗装施工便覧6-4-5)


【問 17】 アスファルト舗装の寒冷期における施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 混合物の敷きならしが転圧作業のできる最小範囲まで進んだら、直ちに締固め作業を開始する。
 (2) 混合物温度が低下しても、良好な施工性が得られる中温化技術を必要に応じて使用する。
 (3) 混合物の温度低下が早く、所定の締固め度が得られにくいので、初転圧には一般的に線圧の大きいタイヤローラを使用する。
 (4) タックコートのアスファルト乳剤を散布しやすくするために、加温して用いることがある。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 初転圧の留意点は以下の通りである。
1)初転圧は,一般に10〜12tのロードローラで2回(1往復)程度行う。
2)初転圧は,へアクラックの生じない限りできるだけ高い温度で行う。初転圧温度は一般に110〜140℃である。
3)ローラへの混合物の付着防止には,少量の水切削油乳剤の希釈液,または軽油などを噴霧器等で薄く塗布するとよい。なお,軽油などは,アスフアルト混合物をカットパックする性質を持っているため,必要に応じて非石油系の付着防止剤を使用することがある。
なお、(2)の「混合物温度が低下しても,良好な施工性が得られる・・・」の表現は,技術的でなく、厳密に言うと間違いである。
参照:(テキスト2章P81) (舗装施工便覧6-4-5)


【問 18】 セメントコンクリート版の養生に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 後期養生は、養生マットなどを用いてコンクリート版表面をすき間なく覆い、完全に湿潤状態となるように散水する。
 (2) 初期養生は、後期養生より養生効果が大きいので、できる限り長く実施する。
 (3) 初期養生は、一般に舗設したコンクリート表面に養生剤を噴霧散布する方法で行われる。
 (4) 初期養生は、一般にコンクリート表面の急激な乾燥を防止するため、コンクリート版の表面仕上げに引き続き行う。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 養生における留意点を以下に示す。
(1) 初期養生
1) 初期養生は,コンクリート版の表面仕上げに引き続き行い,後期養生ができるまでの間,コンクリート表面の急激な乾燥を防止するために行う。コンクリート版の表面が日光の直射や風などにより急激に乾燥すると,ひび割れが発生することがあるので留意する。
2)初期養生としては,一般に舗設したコンクリート表面に養生剤を噴霧散布する方法で行われる。また大規模工事ではそれに加えて三角屋根養生を併用することがある。
3)コンクリート表面の養生剤には,被膜型と浸透型がある。養生剤は,種類に応じた適切な散布量を適切な時期に均一に散布する。なお,養生剤には,初期・後期の一貫養生が可能なものもある。
4)転圧コンクリート版の施工では,コンクリートの舗設後すぐに後期養生へ移れるので,初期養生は行わない。
(2) 後期養生
1)後期養生は,その期間中,養生マット等を用いてコンクリート版表面をすき間なく覆い,完全に湿潤状態になるように散水する。
2)後期養生は初期養生より養生効果が大きいので,コンクリート表面を荒らさないで,後期養生ができるようになったら,なるべく早く実施する。
3)養生期間中は,車両等の荷重が加わらないようにする。
4)転圧コンクリート版では,転圧終了後のコンクリート版上を,小型車および作業車が低速で走行することは,表面を荒らしたりしない限り特に差し支えない。
5)簡易な養生方法としては,散水マット養生が省略でき,初期・後期の一貫養生が可能な養生剤を散布する方法もある。
参照:(テキスト2章P88,89) (舗装施工便覧8-4-8)


【問 19】 各種の舗装の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) グースアスファルト混合物の舗設では、ブリスタリングが発生した場合、直ちにつぶして内部の水分やガスを抜く必要がある。
 (2) インターロッキングブロックの施工では、目地砂の充填が不十分な場合に破損することがあるため、目地砂の充填は入念に行う必要がある。
 (3) 大粒径アスファルト混合物の製造では、一般に合材工場の製造能力が低下するため、適切な能力を有する工場を選定する必要がある。
 (4) 排水性舗装では、供用後の飛散防止のため、振動ローラで振動をかけて仕上げ転圧を行うのが一般的である。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 ポーラスアスファルト混合物の締固めに当たっての主な留意点は以下の通りである。
   1) ポーラスアスフアルト混合物の締固めでは,所定の締固め度を,初転圧および二次転圧のロードローラによる締固めで確保するのが望ましい。
2)ポーラスアスフアルト混合物は,敷きならし後の温度低下が早いため,温度管理には十分注意し,設定した温度で締固めが行えるよう敷きならし終了後すみやかに初転圧を行う。
3)ポーラスアスフアルト混合物の仕上げ転圧には,タンデムローラを使用している例と,タイヤローラを使用している例の2種類がある。なお,表面のきめを整えて,混合物の飛散を防止するといった効果も期待して,タイヤローラを使用することが多い。
4) タイヤローラによる転圧は、転圧温度が高すぎるとタイヤに混合物が付着しやすく、空隙つぶれの懸念もあることから、混合物の表面温度がタイヤローラに付着しない程度(70℃程度)になってから行うのが望ましい。
参照:(テキスト2章P114,115) (舗装施工便覧7-3-2)


【問 20】 グースアスファルト混合物の製造、運搬、舗設に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 締固めは、ロードローラを用いて行う。
 (2) 混練・運搬は、クッカを用いて行う。
 (3) 敷きならしは、専用のフィニッシャを用いて行う。
 (4) 混合は、通常のアスファルトプラントで行う。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】グースアスファルト混合物は、石油アスファルトにトリニダッドレイクアスファルトまたは熱可塑性エラストマーなどの改質材を混合したアスファルトと粗骨材、細骨材およびフィラーを配合して、プラントで混合したのち、流し込み施工が可能な作業性(流動性)と安定性が得られるように、クッカの中で高温で攪拌、混合(混練)したものである。敷きならしは専用のフィニッシャまたは人力に行う。一般的に仕上がり厚さは3〜4cmである。
参照:(テキスト2章P127,128) (舗装施工便覧9-4-2)


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