平成28年度 1級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(3/3)

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【問 41】 工程表に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 舗装工事では横線式工程表が多く用いられているが、関連作業が多い工事にあっては、工程調整がしやすいネットワーク工程表が有効である。
 (2) 横線式工程表は、施工の流れを表の形で表すので、各工種の作業の開始日、終了日、所要日数が分かりやすい。
 (3) 各種工程表の特徴として、ネットワーク工程表は、横線式工程表に比べて、各工種の出来高が明確に分かる。
 (4) 実施工程表は、円滑な工事実施とその統制を図るためのものであり、施工中または完成検査時に監督職員に提出を求められることがある。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 各種工程表の特長(長所、短所)を下表に示す。
 下表にもあるとおり、ネットワーク工程表は、各作業間の相互関係を明確にしたもので、ガントチャート(横線式工程表)は各工種の出来高(達成度)を直接表示したものである。
工程表比較一覧

参照:(サブテキスト3章P19,36) (道路工事現場工務ハンドブック)


【問 42】 原価管理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 最終利益の予想が計画に達しない場合は、残工事の施工を工夫して以後発生する原価の低減に努力しなければならない。
 (2) 国土交通省令では、建設業の決算報告書の財務諸表に、材料費、機械費、労務費および経費の完成工事原価の表示を義務づけている。
 (3) 実行予算の作成に当たっては、利益計画を達成するため、設定した目標利益になるように工事原価の低減に創意工夫しなければならない。
 (4) 実行予算の編成方法には費目別と工種別があり、費目別は、勘定科目別、支払い別の編成であり、財務会計と結びつき、月々の事務処理のため必要とする仕訳である。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 建設業法の規定により建設業が作成・提出すべきとされている各事業年度に係る財務諸表様式については、建設業法施行規則に規定されている。完成工事原価報告書の報告内容は以下のように規定(様式第十六条)されている。
建設業の完成工事原価報告書の様式
工事原価報告書様式

 従って、設問(2)にある材料費、機械費、労務費および経費の内、機械費は外注費でなければならない。
参照:(テキスト3章P37) (サブテキストP22) (建設業法施行規則 国土交通省告示)


【問 43】 道路工事における安全対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 保安灯の設置間隔は、交通流に対面する部分で2m程度、その他の道路に面する部分で4m以下とし、囲いの部分については特に留意して設置しなければならない。
 (2) 工事を予告する道路標識を、工事箇所の前方20m〜40mの間の路側または中央帯のうち視認しやすい場所に設置した。
 (3) 道路上に作業場を設ける場合、原則として交通流に対面する部分から車両を出入りさせなければならない。
 (4) 一般の交通に供する部分で切削を行い、一時的に交通開放する必要が生じたので、段差が生じた箇所のすりつけ勾配を10%とした。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 (建設工事公衆災害防止要綱−土木工事編−)
第2章 作業場
 第14 作業場への車両の出入;
施工者は、道路上に作業場を設ける場合は、原則として、(3) 交通流に対する背面から車両を出入りさせなければならない。ただし、周囲の状況等によりやむを得ない場合においては、交通流に平行する部分から車両を出入りさせることができる。この場合においては、交通誘導員を配置し、できるだけ一般車両の通行を優先するとともに公衆の通行に支障を与えないようにしなければならない。

第3章 交通対策
 第18 保安灯;
施工者は、道路上において又は道路に接して土木工事を夜間施工する場合には、道路上又は道路に接する部分に設置したさく等に沿って、高さ1メートル程度のもので夜間150 メートル前方から視認できる光度を有する保安灯を設置しなければならない。
この場合、(1) 設置間隔は、交通流に対面する部分では2メートル程度、その他の道路に面する部分では4メートル以下とし、囲いの角の部分については特に留意して設置しなければならない。
 第19 遠方よりの工事箇所の確認;施工者は、交通量の特に多い道路上において土木工事を施工する場合には、遠方からでも工事箇所が確認でき、安全な走行が確保されるよう、保安施設を適切に設置しなければならない。このため、第17(道路標識等)及び第18(保守灯)に規定する道路標識及び保守灯の設置に加えて、作業場の交通流に対面する場所に工事中であることを示す標示板(原則として内部照明式)を設置するものとする。さらに、必要に応じて夜間200 メートル前方から視認できる光度を有する回転式か点滅式の黄色又は赤色の注意灯を、当該標示板に近接した位置に設置しなければならない。
2.前項の場合において、当該標示板等を設置する箇所に近接して、高い工事用構造物等があるときは、これに標示板等を設置することができる。
3.施工者は、工事を予告する道路標識、標示板等を、(2) 工事箇所の前方50 メートルから500 メートルの間の路側又は中央帯のうち視認しやすい箇所に設置しなければならない。
 第22 車両交通のための路面維持;施工者は、道路を掘削した箇所を車両の交通の用に供しようとするときは、埋戻したのち、原則として、仮舗装を行い、又は覆工を行う等の措置を講じなければならない。この場合、周囲の路面との段差を生じないようにしなければならない。
 やむを得ない理由で(4)段差が生じた場合は、5パーセント以内の勾配ですりつけるものとし、施工上すりつけが困難な場合には、標示板等によって通行車両に予知させなければならない。
2.施工者は、道路敷において又は道路敷に接して工事を行う場合で、特に地下掘進工事を行うときは、路面の変状観測を行うものとし、必要に応じ、本章各項に規定する設置を講じなければならない。
参照:(テキスト3章P21〜30) (サブテキストP21)(建設工事公衆災害防止対策要綱−土木工事編−)


【問 44】 車両系建設機械に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 制限した後の道路の車線が1車線となる場合、車道幅員は2.5m以上とし、2車線となる場合は5m以上とする。
 (2) 歩行者が安全に通行し得るために歩行者用通路の幅は0.5m以上を、特に歩行者が多い箇所の幅は1.0m以上を確保する。
 (3) 道路上の工事用仮設物が交通のための見通しを悪くする場合には、地盤面からの高さ0.8m以上2.0m以下の部分について、金網にするなどの措置を講じなければならない。
 (4) 夜間施工する場合、道路上または道路に接する部分に設置した柵などに沿って、高さ1m程度のもので夜間に前方50m以内から視認できる光度を有する保安灯を設置しなければならない。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 (建設工事公衆災害防止対策要綱−土木工事編−)
第3章 交通対策
第17 道路標識灯;
起業者及び施工者は、道路敷に又は道路敷に接して作業場を設けて土木工事を施工する場合には、工事による一般交通への危険及び渋滞の防止、歩行者の安全等を図るため、事前に道路状況を把握し、交通の処理方法について検討の上、道路管理者及び所轄警察署長の指示するところに従い、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35 年総理府・建設省令第3号)」及び「道路工事現場における標示施設等の設置基準(昭和37 年建設省道発第372 号)」による道路標識、標示板等で必要なものを設置しなければならない。 2.施工者は工事用の諸施設を設置するに当たって必要がある場合は、周囲の地盤面から高さ0.8 メートル以上2 メートル以下の部分については、通行者の視界を妨げることのないよう必要な措置を講じなければならない。
第18 保安灯;施工者は、道路上において又は道路に接して土木工事を夜間施工する場合には、道路上又は道路に接する部分に設置したさく等に沿って、(4) 高さ1メートル程度のもので夜間150 メートル前方から視認できる光度を有する保安灯を設置しなければならない。
 この場合、設置間隔は、交通流に対面する部分では2メートル程度、その他の道路に面する部分では4メートル以下とし、囲いの角の部分については特に留意して設置しなければならない。
第23 車道幅員;起業者及び施工者は、土木工事のために一般の交通の用に供する部分の通行を制限する必要のある場合においては、道路管理者及び所轄警察署長の指示に従うものとし、特に指示のない場合は、次の各号に掲げるところを標準とする。 一 (1) 制限した後の道路の車線が1 車線となる場合にあっては、その車道幅員は3 メートル以上とし、2 車線となる場合にあっては、その車道幅員は5.5 メートル以上とする。 二 制限した後の道路の車線が1 車線となる場合で、それを往復の交互交通の用に供する場合においては車線、その制限区間はできるだけ短くし、その前後で交通が渋滞することのないように措置するとともに、必要に応じて交通誘導員等を配置する。
第24 歩行者対策;起業者及び施工者は、第23(車道幅員)に規定する場合において、歩行者が安全に通行し得るために(2) 歩行者用として別に幅0.75 メートル以上、特に歩行者の多い箇所においては幅1.5 メートル以上の通路を確保しなければならない。
 この場合、車両の交通の用に供する部分との境には第11(さくの規格、寸法)から第13(移動さくの設置及び撤去方法)までの規定に準じてすき間なく、さく等を設置する等歩行者用通路を明確に区分するとともに、歩行に危険のないよう路面の凹凸をなくし、必要に応じて階段等を設けておかなければならない。

 (3) 以外の設問は、上記下線にあるように明らかに不適当な表現であると言えるが、(3)背景桃色部分(通行者の視界を妨げることのないよう必要な措置)が設問の「金網にするなどの措置」と同義かどうか疑問が残るが、消去法で行くと正解となる。
   
参照:(テキスト第3章P25〜29)(建設工事公衆災害防止対策要綱−土木工事編−)
 

【問 45】 舗装工事における安全対策に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) ローラにはバックブザーを装着しているので、ローラの作業範囲内ではブザーに注意して作業するよう作業員に指導した。
 (2) ダンプトラックの後部は運転者の死角になるので、後進時には誘導員をつけて後方の安全を確認した。
 (3) ローラをやむを得ず傾斜地で停車させる場合、エンジンを停止させタイヤに車止めを施した。
 (4) アスファルトフイニッシャのホッパー部は、作業員が清掃を行っている場合もあるので、特に注意するようオベレータに指導した。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 建設機械施工安全マニュアル(国交省)では、4.締固め の中で「・施工機械の始業前点検として建設機械のバックブザー、ブレーキ、ハンドル操作部、輪止め等を確認する。
転圧帯立入禁止の措置及び周知をする。」などが標準的な施工手順として示されている。

参照:(テキスト3章P18〜31)(建設工事公衆災害防止対策要綱)(建設機械施工安全マニュアル)


【問 46】 舗装工事における各工種の品質管理に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) アスファルト混合物の締固め度の管理は、通常切取りコアの密度を測定して行い、コア採取の頻度は、工程の初期は少なめに、それ以降は増やすとよい。
 (2) 下層路盤に粒状材料を用いる場合の基準試験項目には、粒度や修正CBR、PI(塑性指数)などがある。
 (3) 盛土路床は、強度低下を招かないよう十分締め固める必要があり、1層の敷きならし厚さは、仕上がり厚で30cmを目安とする。
 (4) 下層路盤の粒度の管理において目視により粒度に異常が認められた場合は、現場密度試験を行う。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 (1) 締固め度の管理は,通常切取りコアの密度を測定して行う。コア採取の頻度は工程の初期は多めに,それ以降は少なくして,混合物の温度と締固め状況に注意するとよい。この際,表面における材料の分離やヘアクラックの有無などについても注意深く観察する。なお橋面舗装等でコア採取が床版面に損傷を与える恐れがある場合は他の方法によることができる。 (3) 盛土の施工;盛土路床は,使用する盛土材の性質をよく把握した上で均一に敷きならし,過転圧による強度低下を招かないように注意して締め固めて仕上げる必要があり,以下の点に留意するとよい。
 1) 一層の敷きならし厚さは,仕上がり厚で20cm以下を目安とする。
 2) 盛土路床施工後の降雨排水対策として,縁部に仮排水溝を設けておくことが望ましい。
 3) 路床が切土の場合表面から30cm程度以内に木根転石等の路床の均一性を損なうものがある場合には,これらを取り除いて仕上げる。
(4) 品質管理の頻度と管理限界は工種により異なるが、下層路盤の場合、含水比・PI・粒度については、観察により異常が認められた場合は各項目を試験して確認する。粒度に異常が認められた場合はふるい分け試験を行って粒度の確認を行う。管理の限界は示されていないが、施工上品質に影響がない範囲で調整する。締固め度の管理は1,000uに1個、管理の限界は最大乾燥密度の93%以上。
参照:(テキスト2章P39)(舗装施工便覧第10章)

【問 47】 舗装の品質管理として各工種と基準試験に関する次の組合わせのうち、不適当なものはどれか。
 (1) 表層(舗装用コンクリート) ・・・・・・・・・・・・ スランプ試験
 (2) 表層(加熱アスファルト混合物)・・・・・・・・ マーシャル安定度試験
 (3) 構築路床(セメント安定処理) ・・・・・・・・・ CBR試験
 (4) 上層路盤(瀝青安定処理)・・・・・・・・・・・・一軸圧縮試験

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 瀝青安定処理はアスファルト混合物と同じマーシャル安定度試験による。

参照:(テキスト2章P18,68)(舗装施工便覧第10章)


【問 48】 出来形管理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 出来形管理の項目、頻度、管理の限界は、過去の施工実績などを参考に、最も能率的にかつ経済的に行えるように発注者が定める。
 (2) 施工中の局部的な異常は出来形管理データでは発見しがたいこともあるため、現場技術者は常に工事の細部について入念に観察しておく必要がある。
 (3) 出来形管理は、出来形が設計図書に示された値を満足させるために行うものであり、基準高、幅、厚さならびに平たん性について行う。
 (4) 受注者は、出来形管理基準を満足するような工事の進め方や作業標準は事前に決めるとともに、すべての作業員に周知徹底させる。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 施工管理は受注者が自己の責任において施工管理を実施する。施工管理には、工程を管理する工程管理、利潤を生み出す原価管理、工事の品質を管理する品質管理、完成時の発注者からの要求性能を管理する出来形管理及び工事全体を通しての安全を管理する安全管理がある。従って、(1) 出来形管理の項目、頻度、管理の限界は、過去の施工実績などを参考に、最も能率的にかつ経済的に行えるように受注者が定める。
参照:(テキスト3章全文)(舗装施工便覧第10章)


【問 49】 舗装の検査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 完成後に見えなくなるなど、完成時に検査が困難な場合は、施工の各段階で検査を実施する。
 (2) 完成時には、発注者である監督職員が工事検査を実施する。
 (3) 検査の方法は、原則として抜き取り検査によるものとし、受注者の品質管理データをもってそのまま検査結果としてはならない。
 (4) コンクリート版の品質については、標準養生の供試体の管理データによるものとし、切取りコアによる検査は行わない。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 実施段階における検査
1) 基準試験の確認
 配合設計を含め、使用する材料の品質を確認する試験、基準密度のような基準値を得るための試験、作業標準を得るための試験施工等は、施工に先立ち行う基準試験である。これらが設計図書で規定されている場合は、受注者が基準試験を実施し、その結果については発注者が確認・承認するものである。なお、材料については製造者の試験成績表、配合設計についてはアスファルト混合物事前審査制度に合格していれば、その配合設計書を基準試験に代えて用いることができる。
2) 検査の実施時期
 a) 完成後に見えなくなるなど、完成時に検査が困難な場合については施工の各段階で段階検査を実施する。
  段階検査は、設計図書に示された施工などの段階及び材料について、請負者の測定結果などに基づき監督職員が、出来形、品質、数量などを確認することである。
 b)完成時には(2) 監督員以外の検査員が工事検査を実施する。
  工事検査は、検査職員が契約書に基づいて請負者が施工した目的物と設計図書を照合して確認し、契約の履行の適正を確認することである。
3) 抜取り検査と立会い検査
 検査の方法は原則として抜取り検査によるものとし、受注者の品質管理データをもってそのまま検査結果としてはならない。ただし、以下の場合は、監督職員および1級舗装施工管理技術者の資格を有するなどの受注責任者の立会いにより、材料や施工状態の確認による立会い検査とすることもある。
 a)工種(橋面舗装など)、規模、施工条件(夜間工事、緊急補修工事などや交通などの外的条件によって、抜取り検査が適切でないと判断される場合
 b)完成後に見えなくなるため、抜取り検査が適切でないと判断される場合
 c)コンクリート版の品質の合格判定は、曲げ強度または割裂引張強度及び曲げ強度との関係が求められている圧縮強度で判定するが、通常の場合は、標準養生の供試体を用いた管理データによる検査とし、切取りコアによる検査は行わない。
参照:(テキスト3章P53,54)(舗装施工便覧第10章)


【問 50】 舗装路面の測定方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 平たん性の測定方法には、3m直線定規による方法、路面性状測定車による方法などがある。
 (2) わだち掘れ深さの測定方法には、横断プロフィルメータによる方法、直線定規による方法や水糸による方法がある。
 (3) 国際ラフネス指数(IRI)の測定方法には、水準測量による方法、路面プロフアイラによる方法などがある。
 (4) タイヤ/路面騒音の測定方法には、普通タイヤによる方法、路面性状測定車による方法などがある。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】  路面性状測定車 (4) 路面性状測定車は路面のわだち掘れ量、ひび割れ、平坦性等を高速で測定する測定車。騒音値は、舗装路面騒音測定車を用いて特殊タイヤと路面から発生するタイヤ/路面騒音を測定する。測定時の路面状況は乾燥状態を標準とする。
参照:(テキスト3章P52,56,134)(舗装調査・試験法便覧(第1分冊))


【問 51】 舗装の性能指標の確認方法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) アスファルト舗装のすべり抵抗性は、ベンケルマンビームを用いて確認することができる。
 (2) アスファルト舗装の塑性変形輪数の評価は、ラベリング試験により確認することができる。
 (3) ポーラスアスファルト舗装の浸透水量は、現場透水量試験器を用いて確認することができる。
 (4) アスファルト舗装の疲労破壊輪数は、プルーフローリング試験により確認することができる。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】(1) すべり抵抗性の性能指標は、すべり摩擦抵抗値であり、振子式スキッド・レジスタンステスターやダイナミック・フリクション・テスタ(DFテスタ)により求める。湿潤路面で歩行者や自転車がすべりやすさを感じないすべり抵抗の目標値として、BPNで40以上を目標とすることがある。
(2) 塑性変形輪数の検査は、ホイールトラッキング試験を使用して「舗装が下方に1mm変位するまでに要する回数」を測定するもの。
(4) 疲労破壊輪数の確認方法について、技術基準では現地の路面にて促進載荷装置を用いた繰り返し載荷試験を行う直接評価法が本質であるとしている。舗装性能評価法には、アスファルト舗装に対しより汎用性の高い、「疲労破壊輪数を求めるためのFWDによるたわみ測定方法」が記載されている。
性能評価試験機
参照:(テキスト2章P94)(舗装性能評価法)


【問 52】 舗装の施工管理に用いる試験に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) フレッシュコンクリートの空気量を、コンシステンシーを表すスランプ試験により求めた。
 (2) ポーラスアスファルト混合物の締固め度を確認するため、採取したコアを用いて真空パック法による密度測定を行った。
 (3) アスファルト混合物のアスファルト含有量を、減圧ソックスレー抽出法により求めた。
 (4) 舗装用コンクリートの配合の適否を確認するため、曲げ強度試験を行った。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 スランプ&空気量  スランプ試験は生コンクリートの堅さ(コンシステンシー)を表すスランプを測定する試験で、空気量は測定できない。
 空気量は空気室圧力方法(右図)で測定する。
参照:(テキスト2章P69)(舗装調査試験法便覧第3分冊)


【問 53】 「労働基準法」に定められている賃金台帳に記入する事項について、特に定めのないものは次のうちどれか。
 (1) 氏名および性別
 (2) 労働日数および労働時間数
 (3) 賃金計算期間および基本給
 (4) 本籍地および住所

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 「労働基準法」賃金台帳(法第108条)で、記載事項が定められている。
@ 氏名および性別。 A 賃金計算期間(日日雇用の者は不要)。
B 労働日数。 C 労働時間数。
D 労働基準法第33条、第36条の規定により労働時間を延長し、もしくは休日労働または深夜労働させた場合は、その時間数。
E 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額。
F 労働基準法第24条第1項の規定によって賃金の一部を控除した場合には、その際賃金台帳作成上の注意事項としては、月間の労働時間と所定の労働時間と深夜勤務、休日勤務等の所定外の労働時間とに区分し、それぞれに対応する賃金を記載することとし、賃金以外の工具損料等は含めないこと。
 以上から、(4)本籍地および住所の定めはない。なお、労働者名簿(法107条)では記入事項として(氏名、生年月日、履歴、性別、住所、業務の種類(常時30人以上の場合)、雇用年月日、解雇または退職の年月日とその理由、死亡の年月日とその原因。)となっている。
参照:(テキスト4章P9)(労働基準法)


【問 54】 「労働安全衛生法」に定める、特定元方事業者等の特別規制の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 (1) 特定元方事業者は、随時、特定元方事業者と関係請負人との問および関係請負人相互間における作業問の連絡および調整を行なわなければならない。
 (2) 特定元方事業者は、毎作業日に少なくとも1回、作業場所の巡視を行なわなければならない。
 (3) 特定元方事業者は、関係請負人が作成した工程に関する計画ならびに作業場所における主要な機械などに係る計画を、他の関係請負人に連絡しなければならない。
 (4) 特定元方事業者は、特定元方事業者およびすべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、会議を定期的に開催しなければならない。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 (3) に関しては「労働安全衛生法」第15条・令第5条により以下の通り定めている。
 建設業や造船業(特定事業)などの事業場では元方事業者および下請事業者の多数の労働者が、同一場所で混在して作業が行われる。この混在作業から発生する労働災害を防止するため、常時50人以上の労働者が従事する事業場については、特定元方事業者(建設業または造船業の業務を行う事業者をいう)は、統括安全衛生責任者を選任し、次の事項を統括管理させなければならない。
@ 協議組織の設置および運営を行うこと。
A 作業間の連絡および調整を行うこと。
B 作業場所を巡視すること。
C 関係請負人が行う労働者の安全または衛生のための教育に対する指導および援助を行うこと。
D 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、労働省令で定める者に属する事業を行う特定元方事業者にあっては、仕事の工程に関する計画および作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業の指導。
 上記のように、各計画は特定元方事業者が作成し、作業の指導を行う。
参照:(テキスト第4章P13)(労働安全衛生法)


【問 55】 「建設業法」の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 (1) 元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとする時は、あらかじめ下請負人の意見をきかなければならない。
 (2) 元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けた時は、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。
 (3) 建設業者は、下請負を使用する場合で、かつ、下請負工事の総額が3,000万円未満の場合には、監理技術者ではなく主任技術者を配置すればよい。
 (4) 建設業者が、その請け負った建設工事を施工する時に置く、技術上の管理をつかさどる主任技術者は、建設業に係る建設工事に関し5年以上の実務経験があればよい。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】建設業法
(主任技術者及び監理技術者の設置等)
第二十六条
 建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。
(許可の基準)
第七条
 二その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
  許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校(旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による実業学校を含む。以下同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法 による大学(旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を含む。以下同じ。)若しくは高等専門学校(旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を含む。以下同じ。)を卒業した後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
  許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
  国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者

参照:(テキスト4章P22)(建設業法26条・7条)

【問 56】 「道路構造令」の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 (1) 自転車道の幅員は、2m以上とするものとするが、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、1.5mまで縮小することができる。
 (2) 歩道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路にあっては3.5m以上、その他の道路にあっては2m以上とするものとする。
 (3) 自転車歩行者道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路にあっては4m以上、その他の道路にあっては2.5m以上とするものとする。
 (4) 停車帯の幅員は、2.5mとするものとするが、自動車の交通量のうち大型の自動車交通量の占める割合が低いと認められる場合においては、1.5mまで縮小することができる。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 自転車歩行者道(令第10条の2)
@ 自動車の交通量の多い第3種又は第4種の道路(自転車道を設ける道路を除く。)には、自転車歩行者道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
A 自転車歩行者道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路にあっては4メートル以上、その他の道路にあっては3メートル以上とするものとする。
参照:(テキスト4章P41)(道路構造令10条)


【問 57】 「道路交通法」の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 (1) 道路維持作業用自動車は、道路の維持、修繕などのための作業に従事するときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる黄色の灯火をつけなければならない。
 (2) 当該道路の管理者が、道路の維持、修繕その他の管理のため工事または作業を行おうとするときは、所轄警察署長と協議しなければならない。
 (3) 当該道路の管理者以外の者が、道路において工事または作業を行おうとするときは、所轄警察署長の許可を受けなければならない。
 (4) 車両の運転者は、貨物が分割できないことにより積載重量を超えることとなる場合において、車両を運転するためには道路管理者の許可を受けなければならない。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 道路交通法
(乗車又は積載の制限等)
第五十七条 車両(軽車両を除く。以下この項及び第五十八条の二から第五十八条の五までにおいて同じ。)の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法(以下この条において「積載重量等」という。)の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。ただし、第五十五条第一項ただし書の規定により、又は前条第二項の規定による許可を受けて貨物自動車の荷台に乗車させる場合にあっては、当該制限を超える乗車をさせて運転することができる。
2  公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、軽車両の乗車人員又は積載重量等の制限について定めることができる。
3  貨物が分割できないものであるため第一項の政令で定める積載重量等の制限又は前項の規定に基づき公安委員会が定める積載重量等を超えることとなる場合において、出発地警察署長が当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載重量等を限つて許可をしたときは、車両の運転者は、第一項又は前項の規定にかかわらず、当該許可に係る積載重量等の範囲内で当該制限を超える積載をして車両を運転することができる。

参照: (テキスト4章P34)(道路交通法57条)


【問 58】 「騒音規制法」に定める特定建設作業の内容に該当しないものは、次のうちどれか。ただし、いずれの作業とも作業を開始した日に終わらないものとする。また、一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定する建設機械は除く。
 (1) トラクターショベル(原動機の定格出力が70kwのもの)を使用する作業。
 (2) バックホウ(原動機の定格出力が50kwのもの)を使用する作業。
 (3) さく岩機による1日における当該作業に係る二地点の最大距離が50mを超えない作業。
 (4) コンクリートプラント(混練機の混練容量が0.45m³のもの)を設けて行う作業。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 政令では、次の八つの作業で、作業が2日以上にわたるものを「特定建設作業」であると定めている。
特定建設作業
1.くい打機(モンケンを除く)、くい抜機又はくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業(くい打機をアースオーガーと併用する作業を除く)
2.びょう打機を使用する作業。
3.さく岩機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを越えない作業に限る)
4.空気圧縮機(電動機以外の原動機を用いるものであって、その原動機の定格出力が15kW以上のものに限る)を使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業を除く)
5.コンクリートプラント(混練機の混練容量が0.45立法メートル以上のものに限る)またはアスファルトプラント(混練機の混練質量が200s以上のものに限る)を設けて行う作業(モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く)
6.バックホウ(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定するものを除き原動機の定格出力が80kW以上のものに限る)を使用する作業。
7.トラクターショベル(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定するものを除き原動機の定格出力が70kW以上のものに限る)を使用する作業。
8.ブルドーザー(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定するものを除き原動機の定格出力が40kW以上のものに限る)を使用する作業。
 以上から、(2)は(原動機の定格出力が50kwのもの)は80kW以上のもの

参照:(テキスト4章P50)(騒音規制法施行令2条)


【問 59】 振動規制法」における特定建設作業の内容に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 (1) 7くい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業は、特定建設作業ではない。
 (2) ブレーカー(手持式のものを除く)を使用する作業で1日の移動距離が50mを超える連続的な作業は、特定建設作業である。
 (3) 1指定区域内で災害その他非常の事態の発生により、緊急に特定建設作業を伴う建設工事を施工する者は、速やかに市町村長に届け出なければならない。
 (4) 指定区域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工する者は、特別な場合を除き、作業の開始の14日前までに市町村長に届け出ることが定められている。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 振動規制法
特定建設作業(法第二条第三項、別表2)】
 この法律は、建設工事として行われる作業のうちで著しい振動を発生させる作業を特定建設作業として指定し、特定建設作業として指定された作業を規制することとしている。特定建設作業として政令で指定しているのは、次の4種類の作業である。
1.(1)くい打機(モンケンおよび圧入式くい打機を除く)、くい抜機(油圧式くい抜機を除く)またはくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業。
2.鋼球を使用して建築物その他を破壊する作業。
3.舗装版破砕機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点の最大距離が50mを超えない作業に限る)。
4.(2)ブレーカー(手持式のものを除く)を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る)。
以上の4つの作業を「特定建設作業」として規制対象としているが、特定建設作業を開始した日に作業が終了するもの、つまり、1日で作業が終わるものについては、振動による被害は一時的であり、生活環境も保全されると考えられるので規制の対象から除外される。
【特定建設作業の実施の届出(法第十四条)】
(4)指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者(元請業者)は特定建設作業の開始の日の7日前までに市町村長に届け出なければならない。
(3)ただし、災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合は、この限りではない。
2 前項ただし書の場合において、当該建設工事を施工する者は、速やかに、同項各号に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
 届出の際は、特定建設作業実施届出書に工事工程表を添付して行わなければならない。また、ただし書きの場合においても災害その他非常事態の発生により、特定建設作業を緊急に行う必要が生じた場合には、速やかに特定建設作業実施の届出をしなければならない。

参照:(テキスト4章P55,56)(振動規制法第14条)


【問 60】 「資源の有効な利用の促進に関する法律」の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 (1) 再生資源とは、収集された物品で未使用なものを除き、有用なものであって、原材料として利用することができるものまたは可能性のあるものをいう。
 (2) 建設業が利用する指定副産物には、土砂、コンクリートの塊、アスファルト・コンクリートの塊または木材が定められている。
 (3) 建設業が利用する再生資源には、土砂、コンクリートの塊、アスファルト・コンクリートの塊が定められている。
 (4) 副産物とは、製品の製造、加工、修理もしくは販売、エネルギーの供給または土木建築に関する工事に伴い副次的に得られた物品(放射性物質およびこれによって汚染されたものを除く)をいう。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 (定義) 4 この法律において「再生資源」とは、使用済物品等又は副産物のうち有用なものであって、原材料として利用することができるもの又はその可能性のあるものをいう。
2 この法律において「副産物」とは、製品の製造、加工、修理若しくは販売、エネルギーの供給又は土木建築に関する工事(以下「建設工事」という。)に伴い副次的に得られた物品(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)をいう。
 従って、副次的に得られた物品で有用なものであれば、再生資源として位置づけられ、使用、未使用の区分はない。
 指定副産物とは、建設工事に伴い得られた物品のうち有用なものまたは、可能性のある副産物のうち、その全部または一部を再生資源として利用するものを指します。指定副産物は、政令で定める業種ごと定められている。電気業は、石炭灰など。建設業は、土砂、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊又は木材などが挙げられます。

参照:(テキスト4章P72)( 資源の有効な利用の促進に関する法律第2条)


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