平成28年度 2級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(1/2)

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【問 1】 のり面の安定性のために設けられる排水工の種類と機能に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) のり尻排水溝は、のり面への雨水、縦排水溝の水を排水する。
 (2) のり尻工は、のり肩排水溝の水を排水する。
 (3) のり肩排水溝は、のり面への表面水の流下を防ぐ。
 (4) 小段排水溝は、のり面への雨水を縦排水溝へ導く。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】  のり尻工  傾斜地盤上の高盛土や,湧水の多いのり面では地下排水溝と併用し,のり尻部に右図に示すようなのり尻工(ふとんかご・じゃかご工)を設置する。のり面排水工の種類を下表に示す。  以上から、(2)のり尻工は” 盛土内の浸透水の処理及びのり尻崩壊の防止”する機能がある。




排水工の種類
機  能
必要な性能
のり肩排水溝のり面への表面水の流下を防ぐ想定する降雨に対し
溢水、跳水、越流し
ない
小段排水溝のり面への雨水を縦排水溝へ導く
縦排水溝のり肩排水溝、小段排水溝の水をのり尻へ導く
のり尻排水溝のり面への雨水、縦排水溝の水を排水する
のり尻工(ふとん
かご・じゃかご工)
盛土内の浸透水の処理及びのり尻崩壊の防止十分な透水性の確保

参照:(テキスト1章P12)(道路土工−盛土工指針4章)

【問 2】 カルバートの構造形式には剛性ボックスカルバート、剛性パイプカルバート、たわみ性パイプカルバートがあるが、次のうち、剛性ボックスカルバートに該当しないものはどれか。
 (1) 場所打ちコンクリートボックスカルバート
 (2) 門形カルバート
 (3) プレキャストアーチカルバート
 (4) コルゲートメタルカルバート

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 カルバートを構造形式で分類すると下表のようになる。
 設問にある剛性ボックスカルバートにはアーチ、門形、ボックスの3種がある。設問の中のコルゲートメタルカルバートはたわみ性カルバートに分類されている。
カルバート種類
参照:(テキスト1章P30,31)(道路土工−カルバート工指針1章)


【問 3】 車両用防護柵に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 道路が鉄道や他の道路などに立体交差または近接する区間では、主として車両の路外などへの逸脱による第三者への人的被害の防止を目的として車両用防護柵を設置する。
 (2) 車両用防護柵は、車両が衝突したときに突破されない衝撃度の大きさおよび設置場所に応じて、種別を設定する。
 (3) 車両用防護柵は、原則として剛性防護柵を選定するが、橋梁や高架の構造物上や幅員の狭い分離帯の区間に設置する場合は、たわみ性防護柵を選定する。
 (4) 盛士、崖、擁壁、橋梁、高架などの区間で路外の危険度が高い場合は、主として車両の路外への逸脱による乗員の人的被害の防止を目的として車両用防護柵を設置する。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 ※ 種類および形式の選定
 車両用防護柵は、原則としてたわみ性防護柵を選定するものとする。ただし、橋梁・高架などの構造物上に設置する場合、幅員の狭い分離帯など防護柵の変形を許容できない区間などに設置する場合においては、必要に応じて剛性防護柵を選定することができ、車両用防護柵の形式選定に当たっては、性能、経済性、維持修繕、施工の条件、分離帯の幅員、視認性の確保、快適展望性、周辺環境との調和などに十分留意して選定するものとする。
 土工区間に短い橋梁などの構造物がある場合においては、原則として土工区間の車両用防護柵と同一の形式を選定する。なお、車両用防護柵の形式としては、下図に示すものなどがある。
防護柵各種

参照:(テキスト1章P36)(防護柵の設置基準・同解説第2章)


【問 4】 公共工事標準請負契約約款の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 (1) 受注者は、あらかじめ発注者の承諾を得た場合を除き、契約により生ずる権利または義務を第三者に譲渡し、または承継させてはならない。
 (2) 受注者は、特許権など第三者の権利の対象となっている工事材料、施工方法などを使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。
 (3) 受注者は、設計図書に基づいて請負代金内訳書および工程表を作成し、発注者に提出し、承認を受けなければならない。
 (4) 受注者は、工事の完成、設計図書の変更などによって不用となった支給材料は適切な場所に処分しなければならない。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 公共工事標準請負契約約款では,第15条で(支給材料及び貸与品)について契約内容が示されている。
 9 受注者は、設計図書に定めるところにより、工事の完成、設計図書の変更等によって不用となった支給材料又は貸与品を発注者に返還しなければならない。
参照:(サブテキストP88)(公共工事標準請負契約約款)


【問 5】 土木工事共通仕様書の用語の定義に関する次の文書中の(  )にあてはまる用語として、適当なものはどれか。

「(  )とは、契約図書で明示した事項について、発注者若しくは監督職員または受注者が書面により同意することをいう。」
 (1) 通知
 (2) 承諾
 (3) 指示
 (4) 協議

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】共通仕様書における監督職員と受注者間の主な事項
指示:契約図書の定めに基づき、監督職員が受注者に対し、工事の施工上必要な事項について書面をもって示し、実施させること。
承諾:契約図書で明示した事項について、発注者もしくは監督職員または受注者が書面により同意すること。
協議:書面により契約図書の協議事項について、発注者または監督職員と受注者が対等の立場で合議し、結論を得ること。
立会:契約図書に示された項目において、監督職員が臨場し、内容を確認すること。
報告:受注者が監督職員に対し、工事の状況または結果について書面をもって知らせること。
通知:発注者または監督職員と受注者または現場代理人の間で、監督職員が受
注者に対し、または受注者が監督職員に対し、工事の施工に関する事項について、書面により互いに知らせることをいう。
参照:(サブテキスト3章P6)(土木工事共通仕様書第1編第1章)


【問 6】 地盤調査における原位置試験の名称と得られる測定値または、測定値からの推定量に関する次の組合せのうち、不適当なものはどれか。

 (1) 標 準 貫 入 試 験            :所定の貫入量を測定し、CBRに換算する。
 (2) 孔 内 水 平 載 荷 試 験        : 圧力、孔壁変位量などを測定し、地盤の水平方向の変形特性
                           (変形係数など)を推定する。
 (3) ポータブルコーン貫入試験      :貫入抵抗を測定し、せん断強さを推定する。
 (4) スウェーデン式サウンディング試験 :荷重、半回転数を測定し、N値やせん断強さに換算する。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 地盤調査のサウンディング及び原位置試験の特徴等を下表に示す。
表から分かるように、(1)標準貫入試験はN値を求め、土の硬軟、しまり具合の判定を行うもので、一般にCBRへの換算は行わない。
 ただし、標準貫入試験のN値と設計CBRの関係については、地盤の変形係数を媒介変数(パラメータ)として(精度はあまり良くはないが)換算する方法があるので、完全な間違いとは言えない。
 ポータブルコーン貫入試験もトラフィカビリティの判定に使用するのが一般的であるが、一軸圧縮強さをパラメーターとして土のせん断強さを推定する方法もある。
 以上から、厳密に言えば(1)(3)も間違いとは言えないが、(1)の”所定の貫入量を測定し”の解釈の仕方で、正答を(1)とした。
 2級の問題に、かなり高度な土質の専門的知識を要するこのような問題を出題するのは、如何なものか?
サウンディング試験
参照:(テキスト1章P63)(道路土工−軟弱地盤対策工第3章)



【問 7】 路床の支持力に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 法を用いて構造設計を行う場合、路床の支持力評価は、設計CBRにより行う。
 (2) 改良した層のCBRの上限は20とし、自然地盤の層においては上限を設けない。
 (3) 設計CBRが3未満の場合、現状路床の改良を積極的に行う。
 (4) 設計CBRは、各地点のCBRの平均値から各地点のCBRの標準偏差を減じたものである。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 区間のCBR=各地点のCBRの平均値−各地点のCBRの標準偏差
 設計CBRは区間のCBRとの設計CBRの関係表から設定する。
 従って(4)の設問は区間のCBRの説明であり、不適当である。
区間のCBRと設計CBRの関係


  区間のCBR
設計CBR
(2以上3未満)
3以上4未満
4以上6未満
6以上8未満
8以上12未満
12以上20
未満20以上
(2)
3
4
6
8
12
20
注:( )は,打換え工事などで既存の路床の設計
CBRが2であるものの,構築路床を設ける
ことが困難な場合に適用する。白白白白
参照:(テキスト2章P22)(舗装設計便覧第5章)


【問 8】 アスファルト舗装の設計に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 都市内の歩道では、街路樹の育成や歩行性の確保のため、開粒度アスファルト混合物を用いた透水性舗装とする場合が多い。
 (2) 橋梁の交通規制は利用者への影響が極めて大きいため、橋面舗装には特に耐久性の高い舗装を適用することが必要である。
 (3) 大型自動車の交通量が極めて少なく路盤の支持力が十分な場合、加熱アスファルト混合物の表層は最大粒径と同じ厚さまで低減することができる。
 (4) 大型自動車の交通量が多い路線の舗装では、改質アスファルトを使用した塑性変形輪数の大きいアスファルト混合物を用いることが多い。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】路面設計条件の設定
 1) 路面の性能指標の値の設定に必要な条件
道路の状況(気象、道路の区分)、交通状況(交通量、交通主体)、沿道の状況から性能指標値の設定に必要な条件を設定する。
2) 表層に使用する材料の特性や定数の設定に必要な条件塑性変形抵抗性、平たん性、透水性、すべり抵抗性に関わる性能指標値を保証するための表層に使用する材料の特性や定数の設定が必要となる。また、排水性舗装や透水性舗装においては表層だけに限らず、舗装を構成する該当する層の特性も検討する。
3) 表層に使用する材料によっては,使用骨材の最大粒径,最小施工可能厚さを考慮して表層厚を決定する必要がある。なお,アスフアルト系材料(混合物型)を用いる場合の表層厚は,施工において確実に路面の性能を確保するため,敷きならし時の骨材の引きずり等を考慮して,最大粒径の2.5倍程度以上の厚さを目安とすればよい。なお、交通量区分による表層・基層の最小厚さは下表(最小厚さは3cmまで可)による。

表層と基層の最小厚さ
表・基層最小厚さ
参照:(テキスト2章P16,24)(舗装設計便覧第4章)


【問 9】 アスファルト混合物に用いる骨材などに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) フライアッシュとは、砕石や玉砕を製造する場合に生じる、粒径2.36mm以下の細かい部分をいう。
 (2) フィラーには、石灰岩などを粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダストなどを用いる。
 (3) 鉄鋼スラグとは、鉄鋼の製造過程で生産されるスラグを破砕したものである。
 (4) 単粒度砕石6号の粒度範囲は、13〜5mmである。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】フライアッシュは、火力発電所等の石炭ボイラから発生する微小粉塵を電気集塵機などで回収したもので、フィラーとして使用することがある。ただし生産地が限定されることなどにより入手困難な地域があるので、入手方法や経済性について検討する必要がある。
 なお、設問(1)はスリーニングスの説明文である。
参照:(テキスト2章P46)(舗装施工便覧第3章)


【問 10】 舗装に用いる瀝青材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 舗装用石油アスファルト60〜80は、針入度(l/10mm)が60を超え80以下のものであ る。
 (2) 舗装用石油アスファルト100〜120は、交通量の多い一般地域で、混合物の流動抵抗性を向上させるために使用される。
 (3) 石油アスファルト乳剤は、石油アスファルトを界面活性剤などで水中に分散させたものである。
 (4) 石油アスファルト乳剤の散布後の分解速度は、気象条件によって異なる。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 舗装用石油アスファルトの種類別の使い方としては、一般地域では主として60〜80、積雪寒冷地域では主として80〜100を用いることが多い。また、40〜60は一般地域で交通量が多い場合に、(2)舗装用石油アスファルト100〜120は、温度ひび割れが特に予想される低温地域に、それぞれ選定し用いられる。なお、積雪寒冷地域でも耐流動対策を必要とする場合には、60〜80を用いることがある。
参照:(テキスト2章P36)(舗装施工便覧第3章)


【問 11】 加熱アスファルト混合物の配合設計に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) マーシャル安定度試験のフロー値は、一般にアスファルト量が増加するに従い大きくなる傾向がある。
 (2) 混合物の目標とする粒度曲線は、一般に各アスファルト混合物の粒度範囲の中央値を結ぶ曲線を用いる。
 (3) 流動が予想される場合の表層用混合物の設計アスファルト量は、共通範囲の中央値から上限値の範囲内で設定するとよい。
 (4) アスファルト混合物事前審査制度における認定混合物など、既に定められている配合を利用する場合には、配合設計を省略することができる。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】耐流動や耐摩耗を重視する場合の設計アスファルト量の設定地域で、特に流動が予想される場合は、表層用混合物の設計アスファルト量は、共通範囲(下図参照)の中央値から下限値の範囲で設定するとよい。
 積雪寒冷地域で、特に摩耗が著しい場合や、一般地域で交通量の少ない場合、および多雨多湿な地域などにおける設計アスファルト量は、共通範囲の中央値から上限の範囲で設定するとよい。(下図参照)

As混合物配合設計手順

参照:(テキスト2章P64)(舗装施工便覧第6章)


【問 12】 舗装用セメントコンクリートに用いられる材料に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 局部的な補修や早期交通開放を必要とする場合では、高炉セメントを使用する。
 (2) 練混ぜ水には、海水を使用しでもよい。
 (3) 暑中に舗設する場合には、促進形のAE減水剤を使用する。
 (4) 良質な川砂の入手が困難な地域では、山砂を使用しでもよい。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】コンクリート版に用いる材料について、
セメント;セメントは、各種(ポルトランドセメント・高炉セメント・シリカセメント・フライアッシュセメント)ともJISの規格に適合したものでなければならない。一般に、普通ポルトランドセメントが用いられる。現在までの使用実績では、普通ポルトランドセメントならびに冬期施工や比較的早期の交通開放を必要とする場合には早強ポルトランドセメントを使用するのが一般的である。
高炉セメント等の混合セメントは、長期にわたる強度発現性に優れるが、その特性を発揮させるためには、十分な湿潤養生を必要とする場合があるので留意する。
上記JISに規定されたセメント以外にも、(1)局部的な補修や早期交通開放に適した,超速硬セメントや超早強コンクリート用セメントがある。
水;1) 混合物の練り混ぜに用いる水は、油、酸、塩類、有機物等の有害量を含んではならない。
2) 海水は,鋼材の腐食やアルカリ骨材反応を促進させるなど,悪影響をもたらすことがあるので,(2)練り混ぜ水や養生水として用いてはならない。
3) 水質に疑いのある場合は、上水道水等を用いてモルタルまたはコンクリートで凝結時間および強度を比較して可否を決める。
4) 養生水にも、油、酸、塩類、有機物等の有害量を含んではならない。
混和材料;AE減水剤および減水剤には,コンクリートの凝結時間を調節する目的で,標準形,遅延形,促進形のものがある。(3)暑中に舗設する場合には遅延形の使用を検討し,寒中に舗設する場合には促進形の使用を検討する等,施工条件によって適切なものを選定することが望ましい。
細骨材(砂);細骨材は,川砂,山砂および海砂等の天然砂と,砕砂および高炉スラグ細骨材等の人工砂がある。粒度,粒形,耐久性等から,川砂が最も適している。しかし,(4)良質な川砂の入手が困難な地域では,山砂や海砂あるいは,JISに適合するコンクリート用砕石及び砕砂・コンクリート用スラグ骨材を使用する。これらは単独で使用可能なものもあるが,一般的には,粗粒のものと細粒のものとの混合砂として使用される。特に,スラグ細骨材の単独使用は避け,砕砂や天然砂等と併用して用いることが必要である。
参照:(テキスト2章P50,68)(舗装施工便覧第3章)


【問 13】 再生舗装用材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 再生アスファルト量とは、旧アスファルト量、再生用添加剤量および新アスファルト量を加算したものをいう。
 (2) 再生路盤材科で、アスファルトコンクリート再生骨材の配合率が大きくなると、修正CBRは大きくなる傾向がある。
 (3) セメントコンクリート再生骨材を使用した再生路盤材料は、水と接触すると六価クロムが溶出することがある。
 (4) 再生加熱アスファルト混合物は、基準値を満足すれば新規材料のみを用いた加熱アスフアルト混合物と同等に扱うことができる。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 アスファルトコンクリート再生骨材に含まれる骨材の密度、吸水率、すりへり減量などの性状は、新しい骨材と同程度であるが、締固めによる骨材のかみ合せ効果が新しい骨材ほどは期待できないことがある。また、(2)アスファルトコンクリート再生骨材の配合割合が大きくなると、修正CBRは低下する傾向がある。したがって、アスファルトコンクリート再生骨材を粒状路盤材料として用いる場合には注意を要する。
参照:(テキスト2章P146)(舗装再生便覧第2章)


【問 14】 路床の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 小規模施工のため、安定材の混合には混合装置付きのバックホウを用いた。
 (2) 浅い掘削のため、トラクタショベルとブルドーザを併用した。
 (3) ローラによる締固めで、こねかえしが懸念されたのでブルドーザを使用した。
 (4) セメントを均一に散布するため、タイングルーバを使用した。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】安定剤散布機;
1) 比較的施工面積の大きなセメント、石灰安定処理の施工における(4)安定材の散布には、安定材散布機を使用するとよい。
2) 安定材散布機の散布装置にはローター式、ベルトコンベア式などがあり、走行方式にはホイール式とクローラ式がある。
コンクリート舗装粗面仕上;
 コンクリート舗装施工時に、路面を滑りにくくするために路面を粗面仕上げとするが、その方法としてほうき目仕上げ(竹箒等ではく)や骨材露出工法、タイングルービング工法(フレッシュブルービングとも言う)などがある。設問にあるタイングルーバーは,櫛の歯状に並べたピアノ鋼線で、コンクリートがまだ固まりきらないうちに引っ掻いて浅い溝をつくる工法に用いる機械である。
参照:(テキスト2章P72)(舗装施工便覧第4章)


【問 15】 路盤の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 上層路盤の施工で、粒度調整路盤材料の一層の仕上がり厚さを15cmとした。
 (2) 上層路盤の施工で、セメント安定処理路盤材料の一層の仕上がり厚さを35cmとした。
 (3) 下層路盤の施工で、クラッシャランの一層の仕上がり厚さを20cmとした。
 (4) 下層路盤の施工で、路上混合方式による石灰安定処理路盤材料の一層の仕上がり厚さを30cmとした。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 上層路盤の粒度調整路盤の施工では、一層の仕上がり厚は15p以下を標準とするが振動ローラを使用する場合は、上限を20pとしてよい。セメント、石灰安定処理路盤の施工では, (2)一層の仕上げ厚は10〜20pを標準とするが、振動ローラを使用する場合は上限を30pとしてよい。
 下層路盤の粒状路盤の施工では、一層の仕上がり厚さは20p以下を標準とし、敷きならしは一般にモーターグレーダで行う。セメント、石灰安定処理の施工では一層の仕上がり厚は15〜30pを標準とする。
参照:(テキスト2章P76)(舗装施工便覧第5章)


【問 16】 加熱アスファルト混合物の製造・運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 製造時の混合時間を長くした方が、アスファルトの劣化を防ぐことができる。
 (2) 寒冷期の舗設における混合温度は、通常よりも若干高く設定することがある。
 (3) 積込み時の混合物の材料分離は、ミキサーゲートから運搬車の荷台までの落差が大きい場合に発生しやすい。
 (4) 運搬車は清掃した後、混合物が荷台に付着しないように、必要最低限度の付着防止剤を塗布する。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 バッチ式プラントでの加熱アスファルト混合物の製造では、計量した骨材をミキサに投入し、5秒以上空練りした後にアスファルトを噴射し、アスファルトが骨材をすべて被覆するまで混合する。
 一般に混合時間は30〜50秒であるが細粒分の多い混合物などは、混合時間を長くしなければならないこともある。
 過剰な混合は,アスファルトの劣化に繋がるので避ける。
参照:(テキスト2章P118,119)(アスファルト混合所便覧第4章)


【問 17】 舗装用セメントコンクリートの運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) スランプが5cm以上のコンクリートの運搬は、一般にアジテータトラックで行う。
 (2) コンクリートの練混ぜから舗設開始までの時間の限度の目安は、ダンプトラックによる運搬の場合で約1時間以内である。
 (3) プラントにおける練混ぜ直後のコンクリート中の空気量には、運搬中の損失量を見込んでおく必要がある。
 (4) プラントで練り混ぜたコンクリートは、運搬中の水分の蒸発によってスランプが大きくなる傾向がある。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 一般にダンプトラックを用いて運搬するので、(4)水分の蒸発、空気量の損失により、スランプが小さくなる。
参照:(テキスト2章P76)(舗装施工便覧第8章)


【問 18】 アスファルト舗装の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 横継目の位置は、下層継目の位置に上層の継目をできるだけ重ねるようにする。
 (2) タックコートに用いるアスファルト乳剤は、加温してから散布する場合がある。
 (3) タイヤローラによる二次転圧は、交通荷重に似た締固め作用がある。
 (4) 仕上げ転圧終了直後の舗装の上には、長時間ローラを停止させないようにする。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 横継ぎ目の施工では、既設舗装の補修・延伸の場合を除いて,(1)下層の継目の上に上層の継目を重ねないようにする。
参照:(テキスト2章P81)(舗装施工便覧第6章)


【問 19】 普通コンクリート版の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 目地は、コンクリート舗装の構造上の弱点となりやすいため、特に入念に施工する必要がある。
 (2) コンクリート表面を緻密で平たんに仕上げた後、粗面仕上げ機械や人力により、粗面に仕上げる。
 (3) コンクリートの締固めは、一般に鉄網の設置がない場合は1層で、鉄網を設置する場合は 2層で行う。
 (4) 普通コンクリート版の施工には、セットフォーム工法やスリップフォーム工法がある。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 コンクリートの敷きならしは、鉄網を用いる場合は2層で、鉄網を用いない場合は1層で行う。敷きならしはスプレッダによる。敷きならしたコンクリートは、コンクリートフィニッシャを用い,十分に締め固めて所定の高さに荒仕上げをする。コンクリートの締固めは,一般に,鉄網の設置の有無に係わらず,1層で行う。
参照:(テキスト2章P86)(舗装施工便覧第8章)


【問 20】 各種の舗装に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) フルデプスアスファルト舗装は、路床上のすべての層にアスファルト混合物や瀝青安定処理路盤材料を用いる。
 (2) 歩道の透水性舗装では、一般にプライムコートを施工する。
 (3) 排水性舗装の施工では、タックコートには原則としてゴム入りアスファルト乳剤を使用する。
 (4) グースアスファルト混合物の施工では、一般に専用のフィニッシャを用いて敷きならす。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】透水性舗装では(2)車道、歩道にかかわらず、その求める機能(透水機能)から、プライムコートは原則として施工しない。ただし,施工時における下層路盤への雨水浸食等で強度低下が懸念される場合には,高浸透性のものを使用するとよい。
参照:(テキスト2章P99)(舗装施工便覧第9章)


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