平成29年度 2級舗装施工管理技術者資格試験  一般試験問題(2/2)



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【問 21】 舗装用機械に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) アスファルトフィニッシャの締固め装置には、スクリードの振動で締め固めるもの、スクリードの振動とタンパの上下動を併用するものがある。
 (2) コンクリート版のセットフォーム工法において、平たん仕上げにスプレッダを使用した。
 (3) 舗装用ローラには、ロードローラ、タイヤローラ、振動ローラなどがあり、ロードローラにはマカダムローラとタンデムローラがある。
 (4) 小規模施工箇所において、アスファルト乳剤の散布にアスファルトエンジンスプレイヤを使用した。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 コンクリート舗装の施工機械を下表に示す。
表 コンクリート版に用いる主な施工機械
コンクリート用施工機械
 平坦仕上げには、上表にあるようにレベリングフィニッシャを用いる。スプレッダは敷き均し機械である。
 参照:(テキスト2章P84)(舗装施工便覧第4章)


【問 22】 アスファルト舗装の調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 振り子式スキッドレジスタンステスタを用いて、ひび割れ率を求めた。
 (2) DFテスタを用いて、動的摩擦係数を求めた。
 (3) FWDを用いて、たわみ量を求めた。
 (4) 横断プロフィルメータを用いて、わだち掘れ量(深さ)を求めた。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 振り子式すべり試験器
 すべり抵抗性の性能指標は、すべり摩擦抵抗値であり、振子式スキッド・レジスタンステスターやダイナミック・フリクション・テスタ(DFテスタ)により求める。湿潤路面で歩行者や自転車がすべりやすさを感じないすべり抵抗の目標値として、BPNで40以上を目標とすることがある。
 参照: (テキスト2章P94)(舗装施工便覧第4章)
 

【問 23】 アスファルト舗装の破損の種類と維持修繕工法に関する次の組合せのうち、不適当なものはどれか。
 (1) アスファルト混合物の塑性変形によるわだち掘れ・・・・表層・基層打換え工法
 (2) ポーラスアスファルト混合物の骨材飛散・・・・・・・・切削工法
 (3) 路床・路盤の支持力低下によるひび割れ・・・・・・・・打換え工法
 (4) アスファルト混合物の劣化・老化によるひび割れ・・・・表面処理工法

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】ポーラスアスファルト混合物の骨材飛散の場合、維持工法としてはパッチング、表面処理工法が採用される。規模が大きく、修繕が必要な場合は打換え工法で対応する。
 参照:(テキスト2章P115)(舗装維持修繕ガイドブック2013第3章)


【問 24】 アスファルト舗装の維持修繕工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) わだち部オーバーレイ工法は、既設舗装のわだち掘れ部のみを、加熱アスファルト混合物などで舗設するものである。
 (2) 切削オーバーレイ工法は、切削により既設アスファルト混合物層を撤去し、表層または基層まで打ち換えるものである。
 (3) 路上路盤再生工法は、既設アスファルト混合物層を撤去あるいは破砕し、同時にセメントやアスファルト乳剤などを既設路盤材とともに混合し、路盤を構築するものである。
 (4) シール材注入工法は、ポットホール、くぼみ、段差などを、樹脂系材料などで充填するものである。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 シール材注入工法は, 比較的幅の広いひび割れに注入目地材などを充填する工法である。予防的維持工法として用いられることもある。
 ポットホール、くぼみ、段差などを、樹脂系材料などで充填する維持修繕工法は,パッチングおよび段差すり付け工法である。

アスファルト舗装の主な補修工法を以下に示す。
工  法
概   要
打換え工
(再構築含む)
・既設舗装の路盤もしくは路盤の一部までを打ち換える工法。
・状況により路床の入れ換え,路床または路盤の安定処理を行うこともある。
・路床は出来るだけ平に掘削するよう慎重に施工し,やむなく転石等で深掘りをした場合には、路盤材で埋め戻しておく。
局部打換え工法 ・既設舗装の破損が局部的に著しく,その他の工法では補修できないと判断されたとき,表層,基層あるいは路盤から局部的に打ち換える工法。
・通常表層・基層打換え工法やオーバーレイ工法の際,局部的にひび割れが大きい箇所に併用することが多い。
線状打換え工法 ・線状打換え工法は、線状に発生したひび割れに沿って舗装を打ち換える工法で、通常は、加熱アスファルト混合物層(瀝青安定処理層まで含める)のみを打ち換える。
路上路盤再生工法 ・既設アスファルト混合物層を,現位置で路上破砕混合機等によって破砕すると同時に,セメントやアスファルト乳剤などの添加材料を加え,破砕した既設路盤材とともに混合し,締め固めて安定処理した路盤を構築する工法。
表層・基層打換え工法 ・表層・基層打換え工法は、既設舗装の表層または基層までを打ち換える工法で、アスファルト混合物の劣化・老化等によるひび割れなどの場合適用。切削により既設アスファルト混合物層を撤去する工法を特に切削オーバーレイ工法と呼ぶ。
オーバーレイ工法 ・オーバーレイ工法は、既設舗装の上に厚さ3cm以上の加熱アスファルト混合物層を舗設する工法で、局部的な不良箇所が含まれる場合、局部打換え等を行ってから実施する。
路上表層再生工法 ・現位置において,既設アスファルト混合物層の加熱,かきほぐしを行い,これに必要に応じて新規アスファルト混合物や,再生用添加剤を加え,混合したうえで敷きならして締め固め,再生した表層を構築する工法。
薄層オーバーレイ工法 ・薄層オーバーレイ工法は、既設舗装の上に厚さ3cm未満の加熱アスファルト混合物を舗設する工法で、予防的維持工法として用いられることもある。
わだち部オーバーレイ工法 ・わだち部オーバーレイ工法は、既設舗装のわだち掘れ部のみを加熱アスファルト混合物で舗設する工法で、主に摩耗等によってすり減った部分を補うものであり、流動によって生じたわだち掘れには適さない。なお、オーバーレイ工法に先立ってレベリング工として行われることも多い。
シール材注入工法 ・比較的幅の広いひび割れに注入目地材等を充填する工法。
・予防的維持工法として用いられることもある。
・注入する材料として一般的に用いられるのは加熱型であり,エマルジョン型,カットバック型,樹脂型などの種類もある。
・ひび割れの幅や深さに適した材料が使用されている。
表面処理工法 ・既設舗装の上に,加熱アスファルト混合物以外の材料を使用して, 3cm未満の封かん層を設ける工法
・予防的維持工法として用いられることむあり,次のような工法が含まれる。
@ フォグシール;水で希釈した乳剤を薄く散布するだけの,最も簡便な表面処理工法で交通量の少ない箇所に用いる場合が多い。
A チップシール;アスファルト乳剤と骨材を単層あるいは複層に仕上げる散布式表面処理で,シールコート(既設舗装面にアスファルト乳剤および骨材を各々一層ずつ散布)とアーマーコート(シールコートを二層以上重ねて施工)があり,舗装の延命に寄与する予防的維持のー工法。
B マイクロサーフェシング;マイクロサーフェシング;選定された骨材,急硬性改質アスファルト乳剤,セメント,水,分解調整剤からなるスラリー状の混合物を専用ペーバ(マイクロサーフェシングペーバ)を用いて既設路面に薄く敷きならす工法。
C スラリーシール;細骨材およびフィラーに所要量のアスファルト乳剤(MK-2, 3)と適量の水を加えて混合したスラリー状の混合物を専用のペーバ(スラリーペーバ)で薄く敷きならす工法。交通量の少ない路線に適用。
D カーペットコート;カーペットコート;既設舗装の表面に加熱アスファルト混合物を薄く敷きならし締め固める薄層舗装。一般に加熱混合物で1.5〜2.5cmの厚さで舗設。

 参照:(テキスト2章P137)(舗装維持修繕ガイドブック第4章)


【問 25】 発注者に提出する施工計画書に記載する項目として、不適当なものはどれか。
 (1) 使用材料
 (2) 原価管理
 (3) 実施体制
 (4) 施工方法

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】施工計画書に記載すべき事項は以下の通りである。
@工事概要 A計画工程表 B現場組織表 C安全管理 D指定機械 E主要資材 F施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む)G施工管理計画 H緊急時の体制および対応 I交通管理J環境対策 K現場作業環境の整備 L再生資源の利用の促進 Mその他の事項
 以上から(2)の原価管理は施工計画書には記載不要である。
 参照:(テキスト3章P16)(土木工事共通仕様書第1編)(建設業法19条二)


【問 26】 アスファルトコンクリート再生骨材の品質の判定項目として、不適当なものは次のうちどれか。
 (1) 六価クロム溶出量
 (2) 旧アスファルトの含有量
 (3) 旧アスファルトの針入度
 (4) 骨材の微粒分量

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 アスファルトコンクリート再生骨材の品質は下表の通りである。
                     
旧アスファルト含有量       %3.8以上
旧アスファルトの性状針入度    1/10mm 20以上
圧縮係数  MPa/mm  1.70以下 
骨材の微粉分量          %5以下
 六価クロム溶出量は品質項目に含まれない。
 
 参照:(テキスト4章p149)( 舗装再生便覧第2章)


【問 27】 工程管理に関する項目とその説明の組合せとして、正しいものはどれか。

 【項 目】         【説  明】
 P 計画    @ 計画行程に従い工事施工を行う
 D 実施    A 問題が生じている場合、施工体制などの見直しを行う
 C 検討    B 実施工程と計画工程の差異の確認を行う
 A 改善    C 設計図や仕様書を理解した上で現場調査を行い、計画工程を作成する。
 (1) P:C、D:A、C:B、A:@
 (2) P:@、D:B、C:C、A:A
 (3) P:A、D:@、C:C、A:B
 (4) P:C、D:@、C:B、A:A

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】PDCA
工程管理は、施工計画で作成した実施工程表に基づき工事の進捗状況を管理し、工程に遅れが生じてきたら、その原因を把握して適切な対策を実施して、予定の工期内に工事が完成するように管理していくことである。
計画‥実施工程表の作成(Plan)   C
実施‥工事施工(Do)         @
検討‥進捗状況のチェック(Check)  B
改善‥施工体制、施工方法、    
    工程計画の見直し(Action)  A
※工程計画は、監督職員に提出の義務はない。
 参照:(サブテキストp19)(道路工事現場事務工務ハンドブック)


【問 28】 原価管理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 工事価格には、工事原価と一般管理費が含まれる。
 (2) 工事原価には、直接工事費と間接工事費が含まれる。
 (3) 純工事費には、直接工事費と現場管理費が含まれる。。
 (4) 請負工事費には、工事価格と消費税相当額が含まれる。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 請負工事費の内容を以下に示す。
請負工事費内訳

以上から、(3)は純工事費は直接工事費と共通仮設費が含まれる。が正しい。

 参照:(テキスト3章p39)(道路工事現場事務工務ハンドブック)


【問 29】 建設機械を搬送する場合、「車両制限令」の一般的制限として、許可を受けずに運行可能な車両の最高限度が定められていないものは、次のうちどれか。
 (1) 長さ
 (2) 排気量
 (3) 重量
 (4) 最小回転半径

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 車両制限令は、道路の構造を保全し、または交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限を定めることを目的とし、道路法を補完するために設けられたものである。
1. 定義(令第2条)
 車両とは、道路法第2条第5項に規定する車両(人が乗車し、又は貨物が積載されている場合にあってはその状態におけるものをいい、他の車両をけん引している場合にあっては当該けん引されている車両を含む。)をいう。
2. 車両の幅等の最高限度(令第3条)
1)道路法第47条第1項の車両の幅、重量、高さ、長さおよび最小回転半径の最高限度は、次のとおりとする。
 @ 幅  2.5m
 A 重量
  (イ)総重量
   a.高速自動車国道または道路管理者が道路の構造の保全および交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあっては25t 以下
    (車両の長さおよび軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値)
   b.その他の道路を通行する車両  20t
  (ロ)軸重  10t
  (ハ)隣り合う車軸に係る軸重の合計
   a.隣り合う車軸に係る軸距が1.8m未満  18t
        (隣り合う車軸に係る軸距が1.3m以上、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも9.5t以下である場合は19t)
   b.隣り合う車軸に係る軸距が1.8m以上  20t
  (ニ)輪荷重   5t (49kN)
 B 高さ 道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあっては4.1m、その他の道路を通行する車両にあっては3.8m
 C 長さ   12m 
 D 最小回転半径 車両の最外側のわだちについて12m

  以上から(2)の排気量は、車両制限令では最高限度を定めていない。
 参照:(テキスト4章P44,45)(車両制限令)


【問 30】 舗装の品質管理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 各工程の初期においては、試験の頻度を増やして品質を把握し、管理の限界を十分満足できることがわかれば、以降の試験頻度は減らしても良い。
 (2) 管理の合理化を図るためには、非破壊測定機器や作業と同時に管理できる締固め機械などを活用することが望ましい。
 (3) アスファルト混合物の製造にあたっては、粒度およびアスファルト量を印字記録によって管理してもよい。
 (4) 下層路盤の粒度に異常が認められた場合は、試料を採取し、骨材のすり減り減量を測定して異常の有無を確認するとよい。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 受注者は、所定の品質を確保するために、施工の工程を管理し、各工種の品質の管理を自主的に行う。
1. 品質の管理手段
 品質管理の項目、頻度、管理の限界は検査基準や過去の実績などを考慮し、最も能率的かつ経済的に行えるように受注者が定める。
 品質管理にあたっては、次のことを考慮する。
 1) 各工程の初期においては、各項目に関する試験の頻度を適当に増し、その時点の作業員や施工機械などの組み合わせにおける作業工程をすみやかに把握しておく。
 2) 現在の作業の進め方によって受注者が定めた管理の限界を十分満足できることがわかれば、それ以降の試験の頻度は減らしてもよい。
 3) 1日1〜2回という試験頻度において、工程能力図にプロットされた点が管理の限界外に出た場合、あるいは一方に片寄っているなどの結果が生じたら、ただちに試験頻度を増し異常の有無を確かめる。アスファルトプラントでの混合物の製造管理が印字記録による場合には限界値を外れるものが5%以上の確率で現れるようになったときは、ただちに運転を中止し、その原因を他の試験にも併用して検討する。
 4) 作業員や施工機械などの組み合わせに変更が生じた場合も同様に試験頻度を増し、新たな組み合わせにおける作業能力を把握し、品質が確保されているか確認する。
 5) 試験試料採取の位置は、原則として無作為とする。
 6) 管理の合理化を図るため、密度や含水比などを非破壊で測定する機器および作業と同時に管理できる敷きならしや締固め機械などを活用することが望ましい。
2.ごく小規模な工事における品質管理
   ごく小規模な工事においては、品質管理試験を行ってもその結果を現場に十分に反映することができない場合が多い。このようなときには、材料の基準試験により、仕様を満足する材料であることを確認し、さらに工事の作業標準を定め、この作業標準どおりに施工されているかどうかをチェックシートで管理するとよい。この際、施工時の観察を十分に行って異常の発見に努める。
3.各工種の品質管理の留意点
 2) 下層路盤
  @ 締固め度は、おおむね1,000u程度に1回の密度試験を行うことが一般的であるが、試験施工あるいは工程の初期におけるデータから、所定の締固め度を得るために必要な転圧回数がわかったら、現場の作業を定常化して締固め回数による管理に切り替えるなど、他の管理手法に置き換えることも可能である。この場合、密度試験を併用しないこととする。また、プルーフローリングにより管理することも異常箇所の発見に有効である。プルーフローリングによる場合は、異常な沈下に注意して観察する。
  A 粒度の管理は、通常目視によるが、異常が認められた場合はふるい分け試験を行う。
  B 含水比の管理は、通常目視観察による。
また、RI計器を利用して確認する方法もあるが、この場合、計器のキャリブレーションを十分に行う。
  C PIの管理は、含水比などと同様に、目視観察による。

   以上より、(4) 粒度に異常が認められた場合はふるい分け試験を行う。
 参照:(テキスト3章P39,40,43)(舗装施工便覧第10章)


【問 31】 舗装工事の出来形管理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 抜取りにより検査が行われる場合、仕様書で規定された場合を除き、受注者は出来形管理結果を発注者に提出しなくてもよい。
 (2) 出来形管理は、設計図書に合格する舗装を経済的に構築するために発注者が実施する。
 (3) 出来形管理の項目、頻度、管理の限界は、一般に検査基準と施工能力を考慮して受注者が定める。
 (4) 出来形管理は、出来形が設計図書に示された値を満足するために行うものである。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 出来形および品質管理は、設計図書に合格する舗装を経済的に築造するために実施するもので、(2) 受注者が施工中に自主的に実施する。出来形および品質管理結果の扱いは、仕様書に基づきその後に実施する検査の方法によって異なる。
 抜取りにより検査が行われる場合には、受注者は出来形および品質管理結果を発注者に提出する必要はない。 一方、仕様書に管理データにより検査が行われ、出来形および品質管理結果の提出を求められている場合には、受注者はその結果を発注者に提出することとなる。
 出来形管理は、出来形が設計図書に示された値を満足させるために行う管理であって基準高、幅、厚さならびに平たん性について行う。
  1) 出来形が管理基準を満足するような工事の進め方や作業標準を事前に決め、すべての作業員に周知徹底させるとともに、施工中に測定した各記録はすみやかに整理し、その結果を常に施工に反映させる。
2) 出来形管理の項目、頻度、管理の限界は検査基準や過去の施工実績などを考慮し、最も能率的にかつ経済的に行えるよう受注者が定める。
3) 出来形管理は工事単位で行い、日常の管理試験結果や出来形の測定結果に基づき、必要に応じて施工方法に修正を加えるなどの処置を施す。
4) 抜き取り検査が行われる場合には、仕様書に規定された場合を除き、受注者は出来形管理結果を発注者に提出する必要はない。
5) 出来形の規格値が仕様書に規定されていない場合は、発注者と協議して設定する。
 参照:(テキスト3章P35,47)(舗装施工便覧第10章)


【問 32】 アスファルト舗装工事の一般的な出来形管理項目に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 構築路床の出来形管理項目を、幅、改良厚さ、基準高とした。
 (2) 基層の出来形管理項目を、幅、厚さとした。
 (3) 瀝青安定処理による上層路盤の出来形管理項目を、幅、厚さとした。
 (4) 表層の出来形管理項目を、幅、厚さ、締固め度とした。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 出来形管理は、出来形が設計図書に示された値を満足させるために行う管理であって基準高、幅、厚さならびに平たん性について行う。

表 アスファルト舗装工事の出来形管理項目と頻度および管理の限界の参考例
構築路床 基準高
40mごと
40mごと
±5cm以内
-10cm
下層路盤 基準高
厚さ
20mごと
20mごと
40mごと
±4cm以内
−4.5cm以上
− 5 cm以上
上層路盤 粒度調整厚さ
20mごと
100mごと
−2.5cm以上
− 5 cm以上
セメント・石灰安定処理厚さ
20mごと
100mごと
−2.5cm以上
− 5 cm以上
瀝青安定処理厚さ
1,000m2ごと
100mごと
−1.5cm以上
− 5 cm以上
セメント・石灰安定処理厚さ
20mごと
40mごと
−2.5cm以上
− 5 cm以上
基層
表層
加熱アスファルト混合物基層の厚さ
表層の厚さ

平たん性(表層)
浸透水量(注2)
1,000uごと
1,000uごと
100mごと
車線ごと全延長
1,000uごと
−0.9cm以上
−0.7cm以上
−2.5cm以上
2.4mm 以下
1,000ml/15秒以上
注:表中の管理項目は参考例で、必要に応じて受注者が追加してよい。
注2:ポーラスアスファルト混合物(20,13)に適用する。

 以上から、(4)表層の出来形管理項目は,厚さ、幅、平坦性、及び必要に応じて浸透水量であり、”締固め度”は品質管理項目である。
 参照:(テキスト3章P48)(舗装施工便覧第10章)

【問 33】 アスファルト舗装工事の検査に関する次の文章中の(  )に当てはまる数値の組合せのうち、適当なものはどれか。
 一般的な品質に関する抜取り検査では、( @ ) u以下を1ロットとして、無作為に抽出した( A ) 個の測定値の平均値により合格判定を行う。( A ) 個のデータが得がたい場合は、( B ) 個の測定値の平均値により合格判定を行う。
 (1) @ 10,000    A 10   B 5
 (2) @ 10,000    A 10   B 3
 (3) @ 1,000    A 10   B 5
 (4) @ 1,000    A 5   B 3

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】品質の合格判定値
 品質の合格判定は以下の手順で実施する。
 @ 10,000u以下を1ロットとし、無作為に抽出した10個の測定値の平均値が、合格判定値X10の範囲になければならない。
 A 10個のデータの取得が困難な場合は、無作為に抽出した3個の平均によってもよいが、平均値は合格判定値のX3の範囲内になければならない。
 B X3が不合格の場合は、さらに3個の測定値を加えて6個の平均値X6を求め、再度合否の判定を行う。これが不合格となった場合に、この6個にさらに4個を加えてX10の合格判定値の範囲を適用してはならない。
 C 局部的に不合格となる部分があり、全体として大きなロットが不合格となる場合があるが、このようなときは不合格のロットを小さないくつかのロットに区分けして再び確認を行う方が、事後処理すべき範囲を小さくすることができる。
 D コンクリート版の品質は曲げ強度または割裂引張強度で判定する。確認は、標準養生をした供試体を用いた管理データによる確認とし、切取りコアなどによる確認は行わない。品質の合否は、以下に示すJIS A 5308レディーミクストコンクリートにおける合格判定条件による。なお、呼び強度とは設計基準強度である。
  a)1回の試験結果は指定した呼び強度の85%以上であること。
  b)3回の試験結果の平均値は、指定した呼び強度以上であること。
 参照:(テキスト3章P58)(舗装設計施工指針第6章)


【問 34】 舗装性能評価法に準じて行う現場透水量試験に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 水頭600mmなる測定開始位置から、300mlの水を流下させた測定終了位置までの時間を測定する。
 (2) 現場透水量は、測定箇所における10 秒当たりの透水量として表される。
 (3) 評価に必要な測定頻度は、10,000 u以下を1ロットとした5点とする。
 (4) 試験は連続して4回繰り返し、2〜4回目に測定した3データの平均値を平均流下時間とする。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】現場透水試験器  (1) 車道及び側帯の舗装路面の浸透水量は1,000平方メートルにつき1箇所以上の割合で任意に選定した直径15センチメートルの円形の舗装路面に対し路面から高さ60センチメートルまで満たした水を400ミリリットル注入させた場合の時間から算定する方法によって確認できるものとする。
 (2) 「技術基準」によれば,浸透水量は「舗装道において,直径15センチメートルの円形の舗装路面の路面下に15秒間に浸透する水の量で,舗装の表層の厚さ及び材質が同一である区間ごとに定められるものをいう。」と定義されている。
 (3) 舗装路面の浸透水量は,『浸透水量を求めるための現場透水量試験器による透水量測定方法』により測定し,評価に必要な測定頻度は,10,000u以下を1ロットとした10点とし平均値は小数点以下を四捨五入した整数とする。
 参照:(テキスト2章P5,3章P51)(舗装性能評価法−必須及び主要な性能指標編第2章)


【問 35】 「労働安全衛生法」で、事業者から選任された総括安全衛生管理者が統括管理しなければならない業務について、定められていないものは、次の記述のうちどれか。
 (1) 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
 (2) 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
 (3) 労働者の始業及び終業の時刻、休憩時間に関すること。
 (4) 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 総括安全衛生管理者(法第10条・令第2条)
 建設業では常時使用する労働者の数が100人以上の事業場に総括安全衛生管理者を選任する必要がある。
 総括安全衛生管理者の選任は、総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から14日以内に行わなければならず、事業者は、総括安全衛生管理者を選任したときは、遅滞なく、報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
 総括安全衛生管理者の職務は、安全管理者、衛生管理者または法第25条の2第2項の救護技術管理者を指揮するとともに次の業務を統括管理することである。
@ 労働者の危険または健康障害を防止するための措置に関すること。
A 労働者の安全または衛生のための教育の実施に関すること。
B 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
C 労働災害の原因の調査および再発防止対策に関すること。
D その他、労働災害を防止するための必要な業務。
  以上から、(3)の” 労働者の始業及び終業の時刻、休憩時間に関すること。” は含まれていない。因みに(3)は労働基準法第15条”労働条件の明示”で、使用者が労働者に対して明示すべき事項として規定されている。
 参照:(テキスト4章P2,10〜12)(労働安全衛生法)


【問 36】 建設工事現場に掲げる標識に記載する事項として、「建設業法」に定められていないものは、次のうちどれか。
 (1) 代表者氏名
 (2) 許可年月日、許可番号および許可を受けた建設業
 (3) 主任技術者又は監理技術者の氏名
 (4) 統括安全衛生責任者の氏名

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】(標識の記載事項及び様式)
第二十五条 法第四十条 の規定により建設業者が掲げる標識の記載事項は、店舗にあっては第一号から第四号までに掲げる事項、建設工事の現場にあっては第一号から第五号までに掲げる事項とする。
一  一般建設業又は特定建設業の別
二  許可年月日、許可番号及び許可を受けた建設業
三  商号又は名称
四  代表者の氏名
五  主任技術者又は監理技術者の氏名
  以上から(4) の統括安全衛生責任者の氏名は定められていない。(統括安全衛生責任者に関する内容は、労働安全衛生法により決められている。)
 参照:(テキスト4章P28)(建設業法施行規則)


【問 37】 「環境基本法」において、環境基準が定められている組み合わせで正しいものは、次のうちどれか。
 (1) 大気の汚染、悪臭
 (2) 騒音、振動
 (3) 水質の汚濁、土壌の汚染
 (4) 地盤の沈下、地下水の採取

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】環境基本法 第三節 環境基準
 第十六条 政府は、大気の汚染水質の汚濁土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。
 環境基準の概要は次のとおりである。
 1) 対象とする公害は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音の4公害とする。
 2) 人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準とする。
 3) 環境基準が、2以上の類型を設け、かつそれぞれの類型にあてはめる地域または水域の指定に関する事務は、2以上の都道府県の区域にわたる地域または水域で政令で定めるものは政府が、その他の地域または水域では、その属する都道府県の知事が、それぞれ行うこととなる。
 4) 基準については、常に適切な科学的な判断が加えられ、必要な改定が加えられる。
 5) 基準の遵守が確保されるよう努める。
  以上から、 (1) “悪臭”は上記環境基準に含まれていない。(2) “振動”は上記環境基準に含まれていない。(4) “地盤の沈下”、”地下水の採取”はともに上記環境基準に含まれていない。
 参照: (テキスト4章P48,49)(環境基本法)


【問 38】 「騒音規制法」に定める、特定建設作業の騒音に関する文章中の(  )に当てはまる組み合わせとして正しいものは、次のうちどれか。

  特定建設作業の騒音は、特定建設作業の場所の ( @ ) において、( A ) デシベルを超えてはならない。

 (1) @ 敷地の境界線   A 85
 (2) @ 歩車道の境界線  A 55
 (3) @ 歩車道の境界線  A 65
 (4) @ 敷地の境界線   A 75

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準
 (1) 一 特定建設作業の騒音が、特定建設作業の場所の敷地の境界線において、八十五デシベルを超える大きさのものでないこと。
  特定建設作業とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音を発生する作業であって政令で定めるものをいう。
  騒音規制法第14条の規定に基づき、県知事(又は政令市の各市長)が騒音に関する指定地域として定めた地域で当該作業(特定建設作業)を施工しようとする場合には、作業開始の7日前までに各市町村に所定の届出が必要である。
  特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準は、下表のとおりである。
表 アスファルト舗装工事の出来形管理項目と頻度および管理の限界の参考例
項 目 規制基準
騒音の大きさ 特定建設作業の敷地の境界線において、85デシベルを超える大きさのものでないこと。
作業ができない時間 一号区域午後7時〜午前7時
二号区域午後 10 時〜午前 6 時
一日の作業時間 一号区域10 時間以内
二号区域14 時間以内
同一場所における作業時間 連続して6 日以内
日曜・休日における作業 禁 止
一号区域:法第3条第l項の規定により指定された区域のうち、次のいずれかに該当する区域として都道府県知事又は騒音規制法施行令
(昭和43年政令第324号)第4条に規定する市の長が指定した区域
イ.良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要警とする区域であること。
ロ,住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域であること。
ハ.住居の用に併せて商業、工業等の用に供されている区域であって、相当数の住居が集合しているため、騒音の発生を紡止する必要がある区域であること。
ニ.学校教育法(昭和23年法律第26号)第l条に規定する学校、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条に規定する保育所、医療法(昭和23年法律第205号)第l条の5第1項に規定する病院及び同条第2項に規定する診療所のうち患者の収容施設を有するもの、図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館並びに老人福祉法(昭和38年法律第133号)第5条の3に規定する特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね80メートルの区域内であること。
二号区域:法第3条第1項の規定により指定された地域のうち、前号に掲げる区域以外の区域

 参照:((テキスト4章P54)(騒音規制法)


【問 39】 「振動規制法」の特定建設作業に該当するものは、次の記述のうちどれか。ただし、当該作業がその作業を開始した日に終了しないものとする。

 (1) 油圧式くい抜機を使用する作業。
 (2) 舗装版破砕機を使用する作業で、1日における当該作業に係る二地点間の最大距離が50m以上のもの。
 (3) ブレーカー(手持ち式を除く)を使用する作業で、1日における当該作業に係る二地点間の最大距離が50m未満のもの。
 (4) もんけん及び圧入式くい打機を使用する作業。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】振動規制法
 この法律は、建設工事として行われる作業のうちで著しい振動を発生させる作業を特定建設作業として指定し、特定建設作業として指定された作業を規制することとしている。特定建設作業として政令で指定しているのは、次の4種類の作業である。
1) くい打機(モンケンおよび圧入式くい打機を除く)、くい抜機(油圧式くい抜機を除く)またはくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業。
2) 鋼球を使用して建築物その他を破壊する作業。
3) 舗装版破砕機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点の最大距離が50mを超えない作業に限る)。
4) ブレーカー(手持式のものを除く)を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては1日における当該作業に係る2 地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る)。
 以上の4つの作業を「特定建設作業」として規制対象としているが、特定建設作業を開始した日に作業が終了するもの、つまり、1日で作業が終わるものについては、振動による被害は一時的であり、生活環境も保全されると考えられるので規制の対象から除外される。
 以上から、上記4)の指定により(3)は特定建設業に該当する。
 参照:(テキスト4章P56)(振動規制法第2条)


【問 40】 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において事業活動に伴って生じた廃棄物のうち産業廃棄物に該当しないものは、次のうちどれか。
 (1) 土砂
 (2) 廃油
 (3) 汚泥
 (4) 廃プラスチック

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】この法律において「産業廃棄物」とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物をいい、紙くず(製造業、印刷物加工業に係るものに限る)、木くず(建設業、製造業、輸入木材の卸売業に係るものに限る)繊維くず(繊維工業に係るものに限る)、ゴムくず、金属くず、ガラスくずおよび陶磁器くず、工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物、鉱さい等の20種類が法令で定められている。
  以上から(1)の土砂は産業廃棄物に該当しない。
 参照:(テキスト4章P66)( 資源の有効な利用の促進に関する法律第2条)


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