平成24年度 1級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(1/3)

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【問 1】 次の工法のうち、砂質地盤の液状化防止対策として一般的には用いられない工法はどれか。
 (1) ロッドコンパクション
 (2) PC杭
 (3) サンドコンパクションパイル
 (4) バイブロフローテーション

解答と解説: 

解答--- 2
【解説】地震・液状化防止地盤改良工法として建築物の下に支持層までPC杭を打ち込む工法もあるが、大きな地震の場合剪断力により杭が折れる等の危険がある。
杭による方法としては、軟弱層が深くまである場合は鋼管杭を用いたり、排水(水圧を逃がす)効果を考えた砕石杭(グラベルドレーン)工法などがあるが、設問にある軟弱地盤改良工法が多く用いられている。

【問 2】 道路の表面排水施設の設計に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 降雨強度算定に必要な降雨確率年は、一般の道路排水施設に適用する場合、道路の種別および計画交通量に係わらず同じ確率年が用いられる。
 (2) 表面排水施設が受け持つべき集水面積は、路面に降った雨水や融雪水以外に、隣接する斜面が民地であっても対象となる。
 (3) 側溝の排水能力は、一般に排水施設の通水断面に平均流速を乗じて定める。
 (4) 雨水流出量の算定に用いる流出係数は、地表面の種類によって異なり、アスファルト舗装路面の場合、排水性舗装とその他の舗装では流出係数は異なる。

解答と解説: 

解答--- 4
【解説】「表面排水施設」は「路面、のり面、及び近隣地域から道路内に流入する降雨や融雪水を道路外に速やかに排除する施設。」従って、設問の「道路の表面排水施設」は厳密に言うと、意味が異なる可能性がある。
 道路土工要綱では、「通常舗装と排水性舗装の流出係数は同様とする。」とあり、さらに平成16年国交省で土地利用形態別の流出係数が示されており、「舗装された土地」0.95(のり面は除く)として取り扱うよう告示されている。
 (1)の降雨確率年については、排水施設別採用降雨確率年の標準が道路土工要綱で参考として以下に示されている。
  但し分類は計画交通量、道路の種別など道路区分によってA,B,Cの選定基準が決められている。
分類 排水能力の高さ 降雨確率年
(イ) (ロ)
高い 3年
10年以上(ハ)
一般的 3年
7年
低い 3年
5年
 注)(イ)は路面や小規模なのり面等、一般の道路排水施設に適用する。
   (ロ)は長大な自然斜面から流出する水を排除する道路排水施設、平坦な都市部で内水排除が重要な場所の
    道路横断排水施設など、重要な排水施設に適用する。
   (ハ)道路管理上重要性が高い道路横断施設について30年程度とするのがよい。
                           (S.62.6道路土工−排水工指針 P.3)

【問 3】 ブロック積み(石積)擁壁に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 盛土部に設ける場合の裏込め材の厚さは、天端から下方にいくほど厚くするのが一般的である。
 (2) 擁壁背面の裏込めコンクリートの厚さは、原則として等厚とする。
 (3) 裏込め材は、背面からの水が外面に流出するのを極力抑えるために粘性土など不透水性のものを使用することが望ましい。
 (4) のり勾配が1:1より急にする必要がある場所で、背後からの土圧が比較的小さい場合に主にのり面保護として用いられる。

解答と解説: 

解答--- 3
【解説】裏込め材は裏面の水を外面に排出し、石積にかかる水圧を減じるとともに、積ブロックまたは積み石に作用する荷重を分散することによって擁壁背後の圧力の増大を防ぐために設けるもの。したがって裏込め材は砕石など透水性の良いものが望ましい。


【問 4】 車両用防護柵に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) ボックスビームは、高い剛性とじん性を有する一本の角形パイプのビームと比較的強度の弱い支柱により構成され、表裏がないため分離帯用として使用することが有利である。
 (2) ガードレールは、適度な剛性とじん性を有する波形断面のビームおよび支柱により構成され、破損箇所の局部的取替えが容易である。
 (3) ガードパイプは、適度な剛性とじん性を有する複数のパイプのビームと支柱により構成され、ガードレールに比べ快適展望性に優れている。
 (4) ケーブル型防護柵は、複数のケーブルおよび適度な剛性とじん性を有する支柱により構成され、高規格道路の中央分離帯への使用に適している。

解答と解説: 

解答--- 4
【解説】ケーブル型防護柵(ガードケーブル)は、快適展望性に優れるものの、高い衝撃度での衝突に対しては、状況によってケーブルが一体となって機能しない場合があるため、高規格道路の中央分離帯などでの使用は抑制されている。

【問 5】 モーターグレーダに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 車軸問に切刃の付いたボウルを備え、機械の前進作動によって土砂の掘削、積込み、運搬、放出およびまきだしするものである。
 (2) 自走するホイール式の機械で、前後の車軸間に位置、角度の調整可能なブレードをもち、前後の車軸間にスカリファイヤ、後部にリッパを装着することがある。
 (3) 機械の前進作動によって土砂などの整地、のり面形成、溝掘りおよび路面を掻き起こすように設計されている。
 (4) 敷きならしなどの仕上げ作業において、高い精度を出せることから平滑度を要求される道路建設、グラウンド整形、砂利道補修、除雪などの作業に用いられる。

解答と解説: 

解答--- 1
【解説】切刃の付いたボウルを備え、機械の前進作動によって土砂の掘削、積込み、運搬、放出およびまきだしをするのはスクレーパである。

【問 6】 道路緑化における肥料の各元素の土壌養分としての機能の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) カリウムは、植物体の構成元素としてよりも、植物の代謝生理における触媒的作用が大きく、欠乏すると、根系の発達が悪くなり、根腐れなどが発生する。
 (2) カルシウムは、主にアルカリ性土壌を中性化するために用いられ、多く与えると土壌が酸性化して植物の育成に影響が出る。
 (3) 窒素は、欠乏すると、葉緑体の生成が低下し、葉色が下葉から黄ばみはじめたりタンパク質合成機能も低下するため生長量が減少する。
 (4) りん酸は、植物体のエネルギー代謝に関与し、細胞分裂や分裂組織の発育に不可欠であるとされ、開花結実を促進する。

解答と解説: 

解答--- 2
【解説】カルシウムは、土壌養分としてはタンパク質の合成などに必要な多量必須元素であるが、炭酸カルシュウムとして酸性土壌を中性化するために多く用いられる。

【問 7】 契約図書に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 共通仕様書は、個々の現場条件で作成される材料などの仕様を示した特記仕様書よりも優先される。
 (2) 段階検査は、設計図書に示された施工などの段階および材料について、請負者の測定結果などにもとづき監督職員が出来形、品質、規格、数量などを確認することである。
 (3) 工事検査とは、検査職員が契約書にもとついて請負者が施工した工事目的物と設計図書を照合して確認し、契約の履行の適正を確保することである。
 (4) 監督行為の中には、請負者の責に帰さない第三者とのトラブルが発生した際に、調整、解決をはかることも含まれる。

解答と解説: 

解答--- 1
【解説】図面および特記仕様書は個々の現場に応じて作成されるもので、一般的規定である共通仕様書よりも優先順位を上にしている。

【問 8】 土質試験に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 突固め試験の結果は、盛土の締固めの程度と施工含水比を規定するための基準値として利用される。
 (2) 砂の最大密度、最小密度試験の結果は、地下水位以下の液状化現象の可能性の判定に利用される。
 (3) CBR試験の結果は、舗装厚の決定および路盤材料の適否の判定などに利用される。
 (4) 一軸圧縮試験の結果は、締切り土留め工のボイリング発生の判定に利用される。

解答と解説: 

解答--- 4
【解説】一軸圧縮試験は飽和した粘性土地盤の強度を求め、その結果は盛土及び構造物の安定性の検討に利用される。

【問 9】 構築路床の安定処理を行う場合の配合設計の留意点に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 安定材に生石灰を用いる場合の供試体作製は、いったん混合したのち3時間以上適当な覆いをかぶせて放置し、生石灰が消化してから再び混合して突き固める。
 (2) 配合設計における安定材の添加量は、セメントまたは石灰の適当と予測される添加量を中心に数%ずつ変化させた3点を標準とする。
 (3) 割増率方式における安定材の添加量の割増率は、現状路床土の土質、含水比、混合比および施工時期などにより決めるが、一般に処理厚50cm未満の場合は考慮しない。
 (4) 粒状の生石灰は、1回の混合が終了後仮転圧して放置し、生石灰の消化を待ち再び混合するが、粉状の生石灰(0〜5mm)を使用する場合は、1回の混合で済ませてもよい。

解答と解説: 

解答--- 3
【解説】割増率方式における安定材の添加量の割増率は、現状路床土の土質、含水比、混合比および施工時期などを考慮して決めるが、一般に処理厚50cm未満の場合は15〜20%、処理厚50cm以上の場合は砂質土で20〜40%、粘性土で30〜50%の範囲とする。

【問 10】 路床土のCBR試験に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 試料の採取は、雨期や凍結融解期を避け、積雪寒冷地域では融解期が終了したと思われる時期に行う。
 (2) 既設舗装の路床土のCBR試験を実施する場合は、路床厚さの中央部よりも浅い箇所から採取して行う。
 (3) 盛土路床の場合には、土取り場の露出面より50cm以上深い箇所から乱した状態で、路床土となる土を採取してCBR試験を行う。
 (4) 切土路床の場合には、路床面下lm位の問で土質が変化している場合には、各層の土を採取してCBR試験を行う。

解答と解説: 

解答--- 2
【解説】既設舗装の路床土のCBR試験を実施する場合、路床厚さの中央部よりも深い箇所から路床土となる土を採取して行う。

【問 11】 「舗装の構造に関する技術基準」に定められる性能指標についての次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 浸透水量は、排水性舗装や透水性舗装などの舗装路面の路面下に浸透する水の量で定められる指標である。
 (2) 疲労破壊輪数は、49キロニュートンの輪荷重を繰返し加えた場合に、舗装全面に亀甲状ひび割れが生じ、使用不可能になるまでに要する回数で定められる指標である。
 (3) 塑性変形輪数は、49キロニュートンの輪荷重を繰返し加えた場合に、当該舗装路面が下方に1mm変位するまでに要する回数で定められる指標である。
 (4) 平たん性は、車道の中心線に平行する線上で測定した高低差の平均値に対する標準偏差で定められる指標である。

解答と解説: 

解答--- 2
【解説】疲労破壊輪数は、49キロニュートンの輪荷重を繰返し加えた場合に、舗装にひび割れが生じるまでに要する回数で定められる指標である。
ここで言う、「生じるひび割れ」はわだち部に生じる線状ひび割れで、設問にある亀甲状ひび割れではない。ひび割れ率で見ると約20%となる。

【問 12】 舗装計画交通量に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 舗装計画交通量とは、舗装の設計期間の最終年度における大型の自動車の交通量のことである。
 (2) 大型の自動車の方向別の日交通量は、地域の発展動向、将来の自動車交通の状況などを勘案して道路管理者が定める。
 (3) 一方向3車線以上の道路においては、大型の自動車の方向別の日交通量の70%以上が1車線を通過するものとする。
 (4) 疲労破壊に対する信頼性を50%から90%に高めるために、舗装計画交通量を割増す措置を執ることが考えられる。

解答と解説: 

解答--- 1
【解説】舗装計画交通量は、舗装の設計期間内の平均的な大型車の交通量で、計画交通量は道路の計画期間内の最終年度の自動車の交通量のことである。

【問 13】 コンクリート舗装の構造設計を行うに当たり、必要のない設計条件は次のうちどれか。
 (1) 使用するコンクリートの曲げ強度
 (2) 設計支持力係数または設計CBR
 (3) 凍結深さ
 (4) 塑性変形輪数

解答と解説: 

解答--- 4
【解説】塑性変形輪数は、構造設計で求める性能指標ではなく、路面設計の性能指標である。コンクリート舗装の場合はみなし規定で、「表層に用いるセメント・コンクリートは、塑性変形輪数の基準に適合するものとみなす。」とされている。

【問 14】 舗装に用いる骨材に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) フィラーには、石灰岩やその他の岩石を粉砕した石粉や人工砂の他に回収ダストなどがある。
 (2) 明色骨材は、路面の明色性を高めるための白色の骨材で、天然の明色骨材としては、けい石などがある。
 (3) 骨材として使用する砕石のうち、砂利と砂とを分けずに採取したものを玉砕という。
 (4) フライアッシュは、火力発電所で発生する石炭灰で、砂に分類される。

解答と解説: 

解答--- 2
【解説】 (1)人工砂はフィラーではなく砂(細骨材)である。(3)玉砕は玉石や砂利を砕いたもの。(4)フライアッシュはフィラーに分類される。

【問 15】 舗装に使用する瀝青材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 硬質アスファルトは、橋面舗装のグースアスファルト混合物に使用される。
 (2) 石油アスファルト乳剤は、凍結すると粒子が分離・沈殿するおそれがあるので、冬期には凍結を防ぐ必要がある。
 (3) 高濃度アスファルト乳剤(PK-H)の主な用途は、セメント・アスファルト乳剤安定処理混合用である。
 (4) プラントミックスタイプのポリマー改質アスファルトは、アスファルト混合物の製造時、ミキサに直接改質剤を添加・混合して使用するものである。

解答と解説: 

解答--- 3
【解説】セメント・アスファルト乳剤安定処理混合用のアスファルト乳剤にはノニオン系の乳剤を用いる。高濃度アスファルト乳剤(PK-H)は浸透用および表面処理用として用いられる。

【問 16】 構築路床材料や路盤材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 上層路盤に用いる骨材の最大粒径は40mm以下で、かつ一層の仕上がり厚の1/2以下とするのがよい。
 (2) 下層路盤に使用する粒状路盤材料には、一般にクラッシャラン、クラッシャラン鉄鋼スラグ、砂利あるいは砂などが用いられる。
 (3) 凍上抑制層に砂を使用する場合は、75μmふるい通過質量百分率が全試料の6%以下を目安とする。
 (4) 現位置で安定処理する場合の安定材には、一般にセメント、アスファルト乳剤、ブローンアスファルトなどが用いられる。

解答と解説: 

解答--- 4
【解説】ブローンアスファルトはアスファルト混合物用や安定処理材料用としては一般に用いない。コンクリート舗装の目地材、防水材などに用いられる。道路舗装用としてはセミブローンアスファルトが用いられる。なお、現位置安定処理用としてはフォームドアスファルトが用いられる。

【問 17】 ポーラスアスファルト混合物の配合設計に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 骨材配合比は、暫定的に3粒度設定し、目標空隙率を確保できるように決定する。
 (2) マーシャル安定度試験用の供試体を作製する際、突固め回数は両面各75回を標準とする。
 (3) アスファルト混合物事前審査認定混合物を利用する場合は、工事ごとの配合設計を省略することができる。
 (4) 最適アスファルト量は、原則としてダレ試験により求めた最大アスファルト量とする。

解答と解説: 

解答--- 2
【解説】突固め回数は両面各50回を標準とする。

【問 18】 加熱アスファルト混合物の剥離防止対策に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) ストレートアスファルトの針入度は、できるだけ大きなものを選定するのがよい。
 (2) フィラーの一部にセメントや消石灰を用いることがある。
 (3) アスファルト量は、配合設計で得られた共通範囲の上限値を標準とする。
 (4) 添加剤としてアミン系界面活性剤を用いることがある。

解答と解説: 

解答--- 1
【解説】ストレートアスファルトの針入度は、小さいものを用いる。この場合、針入度は40〜60がよい。より効果を高めるために、剥離防止対策を施した改質アスファルトを使用することもある。

【問 19】 舗装用セメントコンクリートに用いる材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 良質な川砂の入手が困難であったため、細骨材として砕砂を用いた。
 (2) 暑中の施工であったため、遅延形のAE減水剤を用いた。
 (3) 練混ぜ水として、上水道が利用できなかったため、海水を用いた。
 (4) 早期交通開放が必要であったため、早強ボルトランドセメントを用いた。

解答と解説: 

解答--- 3
【解説】海水は、鋼材の腐食やアルカリ骨材反応を促進させるなど、悪影響をもたらすことがあるので、練り混ぜ水や養生水として用いてはならない。

【問 20】 各種の舗装に用いる材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 排水機能を有する舗装の基層に、密粒度アスファルト混合物を用いた。
 (2) 透水機能を付加するため、表層に砕石マスチック混合物を用いた。
 (3) 鋼床版上の舗装の基層に、グースアスファルト混合物を用いた。
 (4) 騒音低減機能を付加するため、表層にポーラスコンクリートを用いた。

解答と解説: 

解答--- 2
【解説】砕石マスチック混合物は不透水の混合物である。

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