平成25年度 1級舗装施工管理技術者資格試験  一般 試験問題(2/3)

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【問 21】 再生路盤材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) セメントコンクリート再生骨材は、新規骨材と比べて密度や吸水率が小さく、修正CBRが小さくなる傾向にある。
 (2) アスファルトコンクリート再生骨材は、その配合率が大きくなると修正CBRが低下する傾向にある。
 (3) セメントコンクリート再生骨材は、水と接触すると六価クロムが溶出することがある。
 (4) アスファルトコンクリート再生骨材は、締固めによる骨材のかみ合わせ効果が新規路盤材料ほど期待できないことがある。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 セメントコンクリート再生骨材は、新しい骨材と比べて密度が小さく、吸水率およびすりへり減量が大きくなる傾向にあるが、修正CBRは比較的大きいので単独でも再生クラッシャランとして利用できるものがある。【参考:テキスト2章P165】

【問 22】 加熱アスファルト混合物の試験に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) ホイールトラッキング試験は、高温時の耐水性を評価する試験である。
 (2) ラベリング試験は、低温時の流動抵抗性を評価する試験である。
 (3) 圧裂試験は、高温時における骨材飛散抵抗性を評価する試験である。
 (4) 曲げ試験は、低温時におけるたわみ性を評価する試験である。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 (1) ホイールトラッキング試験は流動抵抗性を評価する試験である。水に対する抵抗性の検討は、水浸ホイールトラッキング試験で行う。(2)ラべリング試験は摩耗抵抗性を評価する試験である。なお、加熱アスファルト混合物の低温時の流動抵抗性を評価する意味はない。(3)圧裂試験は加熱アスファルト混合物の耐流動性やひび割れ性状の把握を目的として、圧裂係数を求めるものである。また、ポリマー改質アスファルトが使用されたアスファルトコンクリート再生骨材は、旧アスファルトの針入度だけでは劣化の程度を評価することは困難である。そのため、アスファルト再生骨材の利用の可否については、旧アスファルトの針入度による評価(針入度20(1/10mm)以上)あるいは、圧裂試験による評価(圧裂係数1.70MPa/mm以下)で判断する。【参考:テキスト2章P76,77】

【問 23】 路床の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 置換え工法において、軟弱な現状路床土を取り除き、地域産の材料を安定処理したもので置き換えた。
 (2) 路床の転圧において、締固め時にこねかえしや過転圧が懸念されたので、大型の振動ローラを使用して締め固めた。
 (3) 路床の安定処理において、混合を路上混合方式で行い、所定の締固め度が得られることが確認できたので全厚を一層で仕上げた。
 (4) 路床の施工において、モーターグレーダとブルドーザを併用して敷きならして整形した。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 路床の転圧において、ローラによる締固めでは、こねかえしや過転圧となるような場合、代替機械としてブルドーザを使用することもある。大型の振動ローラは深さ方向への締固め効果が他の機種に比べ良好なので、各締固め層内の下層が十分に締め固まっていることを確認した上で敷均し厚さを大きくすることができる。使用上注意すべき点は、@ローラの重量と土の性質に見合った振動数や起振力によって締め固めること、A土の性質に見合っていない場合で振動により土中水分が浮き上がるような作動は、過度のこね返しや過転圧が懸念されることから路床の締固めでは行ってはならないB振動ローラは岩塊や岩片が混入した土ではスリップにより走行不能に陥りやすいこと、などである。【参考:テキスト1章P13】

【問 24】 路盤の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) セメント安定処理路盤の一層の仕上がり厚は10〜20cmを標準とするが、振動ローラを用いる場合は30cm以下で所要の締固め度が得られる厚さとしてよい。
 (2) 粒度調整路盤の一層の仕上がり厚は15cm以下を標準とするが、振動ローラを用いる場合は上限を20cmとしてよい。
 (3) 石灰安定処埋路盤材料の締め固めは、最適含水比よりもやや乾燥した状態で行うとよい。
 (4) シックリフト工法の敷きならしには、アスファルトフィニッシャのほかにブルドーザやモーターグレーダを用いるとよい。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 石灰安定処理路盤材料の締固めは最適含水比よりやや湿潤状態で行うとよい。【参考:テキスト1章P89】

【問 25】 加熱アスファルト混合物の製造・運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 混合物の製造担当者は、運搬車に積み込んだ混合物の目視観察と温度測定を行う。
 (2) 改質アスファルト混合物の混合温度は、必ず粘度一温度曲線をもとにして設定する。
 (3) 混合物の積込みは、材料分離を防止するため、運搬車を徐々に移動させながら荷台全体へ平均に積み込むようにする。
 (4) 一時貯蔵ビンは、混合物の保温貯蔵設備であり、12時間程度以下の貯蔵に用いる。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 改質アスファルトの混合温度は、必ずしも粘度−温度曲線から求められるとは限らないので、材料製造者が提示する条件を参考に設定する。改質アスファルト混合物の温度管理は、製造メーカが推奨する温度を参考に作業性が確保できる範囲で使用材料の熱劣化を配慮して行う。【参考:テキスト2章P125,136】

【問 26】 加熱アスファルト混合物の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 施工継目は、締固めがしにくく弱点となりやすいので、できるだけ少なくなるように事前に計画する。
 (2) 交通開放時の舗装温度は、初期のわだち掘れに影響するので、作業時間が制約される場合は、舗装冷却機械などによる対策を検討する。
 (3) 層間接着力を特に高める必要がある場合は、タックコートにゴム入りアスファルト乳剤を使用する。
 (4) ローラの線圧が小さすぎたり転圧温度が低すぎた場合は、ヘアクラックが発生しやすい。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 初転圧は一般に10〜12tのロードローラで2回(1往復)程度で行う。また、ヘアクラックの生じない限り、できるだけ高い温度で行う。ローラの線圧の過大や転圧温度の高過ぎ、走行速度(締め固め速度)が速すぎるなどの場合、ヘアクラックが多くみられることがあるので注意する。【参考:テキスト2章P93】

【問 27】 加熱アスファルト混合物の締固めに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) 仕上げ転圧は、不陸の修正、ローラマークの消去のために行うもので、一般にタイヤローラあるいはロードローラが用いられる。
 (2) 締固め作業は、初転圧、二次転圧、継目転圧および仕上げ転圧の順序で行う。
 (3) 二次転圧に振動ローラを用いた場合、転圧速度が速すぎると過転圧になったり、遅すぎると不陸が発生しやすい。
 (4) ロードローラによる転圧は、横断勾配のある;場合、高い方から低い方へ順次幅寄せしながら低速かつ等速で行う。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 (2) 締固め作業は、一般に継目転圧、初転圧、二次転圧および仕上げ転圧の順序で行う。(3) 振動ローラによって転圧するときは、転圧速度が速すぎると不陸や小波が発生したり、遅すぎると過転圧になることもある。(4) ローラは、一般にアスファルトフィニィシャ側に駆動輪を向けて、横断勾配の低い方から高い方へ向かい、順次幅寄せしながら低速かつ等速で転圧する。【参考:テキスト2章P93,94】

【問 28】 ポーラスアスファルト混合物の舗設に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) すり付け箇所は、粗骨材が飛散しやすいので、すり付け最小厚さを粗骨材の最大粒径以上とする。
 (2) タイヤローラによる仕上げ転圧は、二次転圧後なるべく表面温度が高いうちに開始して十分に締め固める。
 (3) 切削溝は、タックコートの塗りむらや排水の障害の原因となるので、できるだけ平滑に切削する必要がある。
 (4) 締固め作業では、初転圧および二次転圧のロードローラで所定の締固め度を確保するのが望ましい。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 仕上げ転圧は不陸の修正、ローラマークの消去のために行うもので、表面温度が高いと不陸の修正、ローラマークの消去ができないのみならず、タイヤへの付着や空げきつぶれが生じやすくなる。【参考:テキスト2章P131,132】

【問 29】 セメントコンクリート舗装の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 普通コンクリート版の施工では、一般に、鉄網のある場合は二層で、鉄網がない場合は一層で締固めを行う。
 (2) 後期養生は、初期養生より養生効果が大きいので、コンクリート表面を荒らさないようになるべく早く実施する。
 (3) コンクリートの運搬は、そのワーカビリティに応じてダンプトラックやアジテータトラックを用いて行う。
 (4) 人力による施工では、敷きならしたコンクリートを棒状バイブレータなどで締め固めた後・簡易フィニッシャなどでさらに締め固めながら荒仕上げを行う。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 コンクリートの締固めは、鉄筋の有無にかかわらず、下層と上層を同時に1回で行う。【参考:テキスト2章P131,132】

【問 30】 各種の舗装に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 (1) グースアスファルト混合物は、アスファルトプラントで製造しダンプトラックで運搬する。
 (2) インターロッキングブロック舗装は、部分的な高さや厚さの調整を敷き砂で行うとよい。
 (3) ロールドアスファルト舗装は、一般のアスファルト舗装用フィニッシャで敷きならし、プレコート砕石を均一に散布した後、鉄輪ローラで圧入する。
 (4) 歩道に適用する透水性舗装は、必ずプライムコートを施工する。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 (1) グースアスファルト混合物は、石油アスファルトにトリニダッドレイクアスファルトまたは熱可塑性エラストマーなどの改質材を混合した硬質アスファルトと粗骨材、細骨材およびフィラーを配合して、プラントで混合したのち、流し込み施工が可能な作業性(流動性)と安定性が得られるように、クッカと呼ばれる混練機の中で高温で攪拌、混合(混練)したものである。敷きならしは専用のフィニッシャまたは人力に行う。一般的に仕上がり厚さは3〜4cmである。(2)ILB舗装の路盤材料は、最大粒径40mm以下のクラッシャランを用い、通常厚さ10cmとしている。クッション層は、路盤および舗装面の凹凸の整正と、ブロックを安定させるために用いる。クッション層用の砂は、シルト、粘土分の少ない粗砂または砕砂を用い、厚さ3cmとしている。 部分的な高さや厚さの調整を敷き砂で行うと、ILB舗装の性能が早期に失われるので、これらの調整は必ず路盤で行い、敷き砂を一様な厚さに仕上げる。(4)透水性舗装は路盤以下へも水の浸透を考慮する構造であるので、プライムコートは原則として施工しない。ただし、施工時における下層路盤への雨水浸食等で強度低下が懸念される場合は、高浸透性のものを使用するとよい。【参考:テキスト2章P114,115,116】

【問 31】 橋面舗装に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 接着層に溶剤型のゴムアスファルト系接着剤を用いた場合、接着剤中の揮発分が十分蒸発するまで養生する。
 (2) ケレン処理後の鋼床版は発錆しやすいので、研掃直後にすみやかに接着層を施工するとよい。
 (3) 鋼床版上で大きなひずみが発生する箇所では、あらかじめ舗装表面に縦目地を設けることによって、ひび割れを誘導することがある。
 (4) コンクリート床版の基層に水密性の高い砕石マスチック混合物を用いる場合、防水層を設けなくてもよい。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 橋面舗装は、交通荷重、雨水その他の気象条件などから橋梁の床版を保護し、同時に交通車両の快適な走行性を確保することを目的として設置する。したがって、床板の防水層は必須の構造であるが、基層に床板防水機能を有する舗装を用いる場合は、防水層を省略することが出来る。床板防水機能を有した舗装としては、鋼床版の基層にグースアスファルト混合物を設ける場合などがあるが、砕石マスチック混合物は低空隙(空隙率2〜3%程度)で、水密性はあるが、防水層の代替にはならない。なお、この場合ブリスタリング現象(床版に含まれる水分、油分等が温度上昇により気化し、その時発生する蒸気圧が原因で舗装が部分的に円形にふくれあがる現象)の発生することがあるので、注意が必要である。【参考:テキスト2章P115,116】

【問 32】 アスファルトフィニッシャに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) ホッパのあおりの上げ下げは、材料分離の原因となるので最小限にとどめ、ホッパ内には常に一定量の混合物を抱えるようにしておく。
 (2) アスファルトフィニッシャで混合物を平たんで一定の厚さに敷きならすためには、混合物の安定的な供給とともに定速での連続施工が重要である。
 (3) アスファルトフィニッシャには、牽引力を重視したホイール式と機動性を重視したクローラ式がある。
 (4) アスファルトフィニッシャによる混合物の締固め機構には、スクリードの振動によるものやスクリードの振動とタンパの上下動の両方を組合せたものがある。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 牽引力を重視したものはクローラ式であり、ホイール式は機動性に優れている。【参考:テキスト2章P84,85】

【問 33】 路床・路盤の施工に使用する機械に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) プライムコートなどのアスラァルト乳剤の散布には、施工規模などに応じて、アスファルトディストリビュータやアスファルトエンジンスプレーヤを用いる。
 (2) 瀝青安定処理路盤材料の敷きならしには、スリップフォームペーパを用いる。
 (3) 路上混合方式の安定処理において用いるスタビライザの混合装置には、ロータ式、ラダー式などがある。
 (4) 路床の掘削は、通常、掘削深さが深い場合にはバックホウを、浅い場合にはバックホウまたはトラクタショベルを使用する。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 混合物の敷きならし機械は、路床土、路盤材あるいは加熱アスファルト混合物を所定の厚さ、形状に敷きならせるものとする。通常、路床土や路盤材(瀝青安定処理路盤材を除く)の敷きならしにはモーターグレーダを、瀝青安定処理路盤材および加熱アスファルト混合物の敷きならしにはアスファルトフィニッシャをそれぞれ使用する。施工時間短縮のため、アスファルト混合物の敷きならしと締固めに際し、1回の敷き均し厚を仕上がり厚で10cm以上とするシックリフト工法で施工する場合は、通常のアスファルトフィニッシャの他に高締固め型アスファルトフィニッシャーも用いられる。【参考:テキスト2章P84】

【問 34】 既設アスファルト舗装の破損に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 施工ジョイント部に沿って直線的に発生するひび割れは、ジョイント部の接着不良、アスファルト混合物の過転圧が主な原因である。
 (2) リフレクションクラックとは、アスファルト混合物層の下層の目地やひび割れに誘発されて、その直上にひび割れが生じる現象である。
 (3) ブリスタリングとは、舗装内に閉じ込められた水分や油分が気化し、その蒸気圧が上層のアスファルト混合物を押し上げる現象である。
 (4) 車輪走行部に発生する沈下によるわだち掘れは、舗装厚不足、路床の支持力不足、路盤層以下の締固め不足などが原因である。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 施工ジョイント部に沿って直線的に発生するひび割れは、ジョイント部の接着不良、アスファルト混合物の転圧不足が主な原因である。【参考:テキスト2章P153】

【問 35】 アスファルト舗装の補修の設計に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 広範囲におよぶ全層打換えの場合には、開削調査や非破壊調査などにより設計CBRを求めることが望ましい。
 (2) 残存等値換算厚TA0の計算に用いる換算係数は、一般に舗装の破損状態に応じて設定する。
 (3) オーバーレイ工法、表層・基層打換え工法、表面処理工法では、舗装構造の設計が必要である。
 (4) 市街地などで路面の仕上がり高さに制約を受ける場合には、オーバーレイ工法を採用できないことがあるので、他の工法を検討する。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 補修工法で構造設計が必要な工法は、次の5工法である。@ 打換え工法、A 局部打換え工法、B 路上再生路盤工法、C 表層・基層打換え工法、D オーバーレイ工法。したがって、表面処理工法は構造設計を必要としない。【参考:テキスト2章P159】

【問 36】アスファルト舗装の補修工法の選定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 流動によるわだち掘れが大きい場合には、その原因となっている層を除去しないでオーバーレイ工法を行うと再び流動する可能性が高い。
 (2) 破損が基層以下までに及んでいない場合には、表層のみを対象とした補修に路上表層再生工法を用いることができる。
 (3) 沈下を伴うひび割れの程度が大きい場合には、路床・路盤の破損の可能性が高いので、打換え工法を選定することが望ましい。
 (4) 路面のたわみ量が大きい場合には、表層に破損原因があるので、表層の切削オーバーレイ工法を選定することが望ましい。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 路面のたわみが大きい場合は、路床、路盤などの調査を実施しその原因を把握したうえで工法の選定を行う。【参考:テキスト2章P158,159】

【問 37】 アスファルト舗装の補修工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 既設アスファルト混合物層を現位置で破砕し、セメントなどの添加材料を加え既設路盤材とともに混合して締め固めるものを路上路盤再生工法という。
 (2) 既設舗装にできた凸部などを切削除去し、不陸や段差を解消するものを表面処理工法という。
 (3) 切削により既設アスファルト混合物層を除去し、表層または基層まで打ち換えるものを切削オーバーレイ工法という。
 (4) 既設舗装に発生した比較的幅の広いひび割れに、注入目地材などを充填するものをシール材注入工法という。

解答と解説: 

解答--- (2)
【解説】 切削工法は、路面の凸部等を切削除去し、不陸や段差を解消する工法で、オーバーレイ工法や表面処理工法の事前処理として行われることも多い。表面処理工法は、既設舗装の上に、加熱アスファルト混合物以外の材料を使用して、3cm未満の封かん層を設ける工法で、予防的維持工法として用いられることもあり、チップシール、スラリーシール、マイクロサーフェシング、樹脂系表面処理などがある。【参考:テキスト2章P156,157,158】

【問 38】 施工計画立案における環境保全に関する次の記述のうち、、不適当なものはどれか。
 (1) 施工計画書は、既に標準化されている事項については記述を簡略化するなどして簡潔なものとする。
 (2) 施工の実施方法などを定めるに際しては、過去の実績や経験を生かすとともに、設計の要求性能に応じた改良技術などを導入することが望ましい。
 (3) 使用材料の選定に当たっては、特に環境汚染などが懸念されない材料であれば、再利用、再生利用できるかを検討する必要はない。
 (4) 舗装工事中は、一時的に騒音・振動などをもたらすため、場合によって受注者は発注者とともに工事説明会の開催など近隣住民への広報活動を行う。

解答と解説: 

解答--- (3)
【解説】 舗装の施工にあたり、受注者はまず施工計画書を作成する。施工計画にあたって、環境保全に対する適切な対策を計画する。使用材料の選定にあたっては、循環型社会の形成の観点からCO2の排出抑制に配慮した対応を行う。また、その他の材料の採用においても、環境の汚染あるいは公害等の発生等が懸念される材料の選定は慎重に検討を行い、環境への影響がないことを確認して選定する。選定した材料は、再利用、再生利用できるものであることを原則とする。 【参考:テキスト3章P15】

【問 39】 他産業再生資材の利用に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 有害物の含有や溶出などがないことが確認され、吸水率やすりへり減量などの要求性能を満足する他産業再生資材は、舗装用材料として使用できる。
 (2) 他産業再生資材の利用に当たっては、資材の生産から運搬、建設、解体処分までのライフサイクルを通じた環境負荷を検討するなど総合的に判断するように努める。
 (3) 廃タイヤを粒子状に粉砕したゴムチップは、歩道用弾性舗装などに使用される。
 (4) 溶融スラグの配合率が多くなると、その加熱アスファルト混合物のマーシャル安定度や剥離抵抗性などが向上する傾向にある。

解答と解説: 

解答--- (4)
【解説】 溶融スラグを加熱アスファルト混合物に使用する場合、溶融スラグの配合率が多くなると、マーシャル安定度や動的安定度、はく離抵抗性などが低下する傾向があることから、溶融スラグの配合率は全骨材の質量に対し、10%以下としている例が多い。【参考:テキスト2章P179】

【問 40】 工程管理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
 (1) 実施工程表は、円滑な工事実施とその統制を図るためのものであり、定期的に発注者の承諾を得る必要がある。
 (2) 工程管理は、工期、品質、出来映え、採算性などに影響を与える管理項目であり、工事の進行とともに適切な改善処置を実施しなければならない。
 (3) 工程計画の立案では、現場条件、資材の供給能力、機械能力、作業員編成および自然条件などを検討して、工種ごとの1日当たりの施工量や施工速度を決める必要がある。
 (4) 工事の途中で設計変更や数量の変更が行われた場合には、工期内で工事が完成できるような対応策を検討して変更工程表を作成する。

解答と解説: 

解答--- (1)
【解説】 工程管理は、工事の生産過程を管理するものであるから、工種ごとの工程の組み合わせを管理するのみでなく、労働力、機械設備、資材等の生産要素を最も効率よく活用する手段を追求していくことが必要である。
 工程計画は、請負者が定められた工期の中で工事の内容、数量および現場の施工条件をもとに施工順序や工種別の所要日数を組み立てて、工事の完成までの流れを計画することである。従って、監督員に提出する義務はない【参考:テキスト3章P38,39】

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平成25年度 舗装施工管理技術者試験  学科試験 1級一般問題_問01〜問20
1級一般問題_問41〜問60
2級一般問題_問01〜問20
2級一般問題_問21〜問40
平成25年度 舗装施工管理技術者試験  応用試験 1級応用問題
2級応用問題